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2015.06.19 (金) 印刷する

呆れた船田自民党憲法改正推進本部長の言動 島田洋一(福井県立大学教授)

 自民党憲法改正推進本部の船田元本部長が、6月18日、衆院憲法審査会について「しばらく休む予定だ」と述べ、当面開かない考えを明らかにしたという。船田氏は審査会の与党筆頭幹事でもある。
 朝日新聞デジタル6月19日付に拠れば、「BS日テレ」の番組における船田氏の発言は大要次の通りである。

《(自民党推薦の長谷部恭男教授が衆院憲法審査会で安全保障関連法案を憲法違反と指摘したことについて)あまり触れて頂きたくないテーマですが、立憲主義という大きなテーマを議論しようとした。長谷部教授は、権威者で、ふさわしいと思って議論をはじめた。ストレートに(違憲か否か質問が)入り、めんくらった。(以前)特定秘密保護法で(自民党の)参考人として来られたとき、ご理解のある発言だったので、少し安心して選んだ。正直、ミスだった。(「安倍おろしか」との問いに)とんでもない。最初に人選した方が具合が悪く、二番手になった。急きょ決めた。これ以上、お聞きにはならないでください。しっかりした理論や考え方を持つことが、政府・与党に求められている。そこをどう乗り越えていくのか、いま、やろうとしている。しばらく憲法審査会は、お休みをする予定だ。(休めという党内の)空気は感じている》

 再度のミスと混乱を防ぐため衆院憲法審査会を開かないというのは、明らかに逃げの対応であり、議会の職務放棄に等しい。そうした消極策でしか対応できない人物を要職に着け続けるのは有権者に対する冒涜でもある。積極対応で活路を開ける政治家でなければ「憲法改正推進本部長」など務まるはずがない。
 消息筋によれば、関係者が百地章日大教授を公述人に推薦したにも拘わらず、船田氏が「色が付きすぎている」と難色を示し、早大の進歩派教員を選んだという。事実とすれば、単なる凡ミスを超えていたことになる。
 自民党はこの上憲法論議を、鳩山由紀夫氏を彷彿とさせる、責任感なき三流議員に任せ、緩褌(ユルふん)の無気力相撲を続けるつもりなのか。「しっかりした理論や考え方を持つことが、政府・与党に求められている」と船田氏は言う。それが分かっているなら、自ら職を辞すべきだ。
 議会内の保守勢力にとっては、国民に向けて発信力のある若手政治家を育て、抜擢することも急務だろう。