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2015.06.23 (火) 印刷する

長島昭久氏は逆に枝野「煽情演説」を戒めよ 島田洋一(福井県立大学教授)

 民主党の長島昭久議員執筆の国基研「今週の直言」を同党の枝野幸男幹事長が「注意」したという。6月22日付記事から引いておく。

「万年野党」と身内批判の民主・長島氏 枝野幹事長が注意(産経)

民間シンクタンクへの寄稿で民主党批判を展開した長島昭久元防衛副大臣に対し、枝野幸男幹事長が注意していたことが分かった。枝野氏が22日の党役員会で報告した。長島氏は枝野氏や岡田克也代表、連合側に謝罪した。

長島氏は15日に「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)のホームページに「目を覚ませ、民主党!」と題した寄稿を掲載。党の労組依存体質を批判し、安全保障関連法案の国会審議では「万年野党の『何でも反対』路線がますます先鋭化している」と訴えていた

長島氏が何を「謝罪」をしたのか知らないが、同氏としては逆に、「憲法解釈を都合よく変えてよいとなったら、次は徴兵制ですよ、みなさん」等々の枝野氏の演説こそ、党の評価を傷つける安っぽいプロパガンダだと諫言すべきだったろう。特に乳幼児を抱える若い母親をターゲットに、不安を煽ろうとする行為は卑しい。長島「直言」は、こうした枝野氏的卑しさの払拭をこそ訴えたものだったはずだ。今や、氏が声を上げるべき必要性は増しこそすれ、減ってはいない。

朝日新聞デジタル6月21日付が伝える枝野氏の演説内容も下に引いておく。自らの発言の現実離れを意識するがゆえに、無理に力を入れて煽ろうとするさまが見苦しい。

「憲法解釈変えたら次は徴兵制ですよ」民主・枝野幹事長(朝日)
■枝野幸男・民主党幹事長

(安倍政権が、集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変更する閣議決定をしたことについて)憲法解釈を都合よく変えてよいとなったら、次は「徴兵制」ですよ、みなさん。徴兵制だって、集団的自衛権と一緒で、憲法に明確に(禁止と)は書いていない。集団的自衛権は(憲法に)駄目と書いていませんが、長年の解釈で自民党自身もだめと言ってきた。いまは「徴兵制なんて考えていません。憲法違反」と、国会で答えている。だが、「(憲法は)苦役は駄目だと言っているだけで、徴兵は苦役じゃない、名誉だ」と言い出せば、憲法違反じゃなくなる。

勝手にときの権力者の解釈で(憲法解釈を)変更できることにしたら、いずれ間違いなく、徴兵制は憲法違反じゃないと言い出す権力者がでてくる。そうなってからでは、遅い。(仙台市内の街頭演説で)

6月21日付 朝日新聞デジタル