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2016.10.21 (金) 印刷する

「財政の現状と課題」 道盛大志郎・大和総研常務理事

 大和総研の道盛大志郎常務理事は10月21日、国家基本問題研究所企画委員会で「財政の現状と課題」について解説、櫻井理事長や企画委員と意見交換した。

解説は、財政収支の現況、国民負担率の国際比較、少子高齢化と負担率など広範にわたった。この中で、社会保障給付費は、いわゆる団塊世代がすべて75歳以上になる2025年から「超高齢社会」に入り、年金、医療、介護など総額148.9兆円で、2012年の109兆円から大幅に増える見通しだ。

公的年金財政を支えるために「マクロ経済スライド」制度が導入されているが(実質的な年金額の引き下げ)、実際に発動されたのは2015年度だけにおさえられている。医療、介護費用の増加は著しく、保険医療支出の対GDP比は、OECD諸国の中でアメリカを除けばスイスと並びトップとなっている。

赤字財政改善のための試みは橋本、小泉両内閣で行われたが、期待された効果はあがらなかった。安倍現内閣では経済の活性化の方が先であるとの方針をとっているが、経済成長は進んでいない。

同席した大和総研の川村雄介副理事長は、直面する財政上の課題の政治的側面などについて言及した。

(文責 国基研)

16.10.212