西修・駒澤大学名誉教授は10月28日(金)、国家基本問題研究所企画委員会において、「憲法9条と文民条項誕生のいきさつ」に関する自身の考えを述べ、櫻井よしこ国基研理事長をはじめ理事、評議員、企画委員らと意見交換をした。教授は富山県出身。政治学博士(早大)法学博士(日大)、専門は憲法、比較憲法学。国基研理事。
まず教授は、日本国憲法起草者に対する現地調査のために1984年に米国へ行った時の記録をもとに、当時の様子について写真を示しながら語った。ケーディス元大佐やベアテシロタ女史などへのインタビューという貴重な証言記録によれば、当時の諸氏でさえ制定後一回も改正されない事実に驚きをもっていたとのこと。
つぎに、憲法9条の成立過程の中で、自衛のための軍隊は当然持てるという前提があったこと、それゆえ文民条項ができたということなどを根拠文書に基づき示した。
最後に、各国憲法の制定と改正の現状について具体例をもとに紹介し、そこからわが国憲法がいかに特異であるかを示し、いまだに改憲に向けて動かない日本の政治状況に不満を述べた。
(文責 国基研)