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2022.06.14 (火) 印刷する

【詳報】 月例研究会「最前線に立った日本」

月例研究会/令和4年4月27日/東京・内幸町イイノホール

最前線に立った日本

令和4年4月27日、国家基本問題研究所は定例の月例研究会を東京・内幸町のイイノホールで開催。河野克俊・前統合幕僚長、田久保忠衛・国基研副理事長が登壇、櫻井よしこ理事長の司会で進行しました。講演と議論の一部をご紹介します。

登壇者略歴

河野 克俊(かわの かつとし)

前統合幕僚長
1954年北海道生まれ。防衛大学を1977年に卒業し、海上自衛隊入隊。第三護衛隊群司令、佐世保地方総監部幕僚長、海幕総務部長、海幕防衛部長、掃海隊群司令、護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任。2014年に第五代統合幕僚長に就任。3度の定年延長を経て2019年4月、退官。川崎重工業株式会社顧問。2020年9月に自伝『統合幕僚長 我がリーダーの心得』を出版。

櫻井 よしこ(さくらい よしこ)

国基研理事長
ハワイ大学卒業(アジア史専攻)。クリスチャン・サイエンス・モニター紙東京支局員、日本テレビのニュースキャスターなどを経て、フリージャーナリスト。平成19年(2007年)に国家基本問題研究所を設立し、理事長に就任。大宅壮一ノンフィクション賞、菊池寛賞、フジサンケイグループの正論大賞を受賞。「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称、民間憲法臨調)の代表を務めている。著書多数。最新刊は国基研副理事長 田久保忠衛との共著 『宿命の衝突』 (ビジネス社)

田久保 忠衛(たくぼ ただえ)

国基研副理事長
1933年生まれ。早稲田大学法学部卒。時事通信社でワシントン支局長、外信部長、編集局次長などを歴任。杏林大学社会科学部教授(国際関係論、国際政治学)、社会科学部長、大学院国際協力研究科長などを経て、現在名誉教授。法学博士。国家基本問題研究所副理事長。正論大賞、文藝春秋読者賞を受賞。産経新聞社の「国民の憲法」起草委員会委員長を務めた。
著書は『戦略家ニクソン』『米中、二超大国時代の日本の生き筋』『憲法改正、最後のチャンスを逃すな』など多数。

河野克俊 前統合幕僚長 一般に言われている通り、プーチン大統領は今度の「ウクライナ戦争」は短期決戦で行けると考えたんだと思います。プーチン大統領は昨年の四月に論文を出していますが、そこには、ウクライナはもともとはロシアのものであると書いています。つまり、「ウクライナが大きな顔をして独立国家であるということ自体がおかしい」、ましてや「NATO(北大西洋条約機構)に近づくなんてことはあってはならないことだ」ということなんです。従って、プーチン大統領が今回起こした戦争は、ウクライナを中立化する、非軍事化するのが目的です。

具体的に言えば、安全保障のためにウクライナにロシア軍を駐留させるということです。だからキーウ(キエフ)を落とそうとした。今、方針転換をして、東部、それから南部を押さえにかかっています。おそらく黒海を押さえて経済的に締めあげるということです。最初はゼレンスキー大統領を追放して一気に非軍事化、中立化しようとしたけれども、迂回作戦で、経済的に締めあげて中立化、非軍事化しようとしているのだと思います。

ただし、今、ロシアは巨大な軍事大国とされていますが、冷静に考えてみたらソ連以来、ロシアは強い軍隊だったのか。日露戦争は日本が勝ちました。また、モンゴルと満洲国との国境付近で起きた昭和十四年の「ノモンハン」は、つい最近まで〝日本が大敗した〟とされていましたが、よくよく調べて見たらソ連の方が負けていた。そういう事実が今、出てきています。さらに、我々はソ連に北方領土を取られ、樺太も、満州も侵攻されましたが、あれはこちらがフラフラになってるところでの火事場泥棒です。

そして「独ソ戦に勝った」とロシアは言いますが、これもドイツが深入りし過ぎて冬将軍に会ってしまった。つまり、ドイツが自滅したからソ連が勝ったんです。

こう考えてみると、ソ連(ロシア)は今まで勝ったためしがあるのか。我々が、のせられていただけじゃないか。もう少し冷静に考えるべきだと思います。

ロシアのような専制独裁国家において、独裁者は軍隊を絶対に信用しません。鉄砲が自分のところに向かって来るかもしれないからです。ですから専制独裁国家において、軍隊は常に監視の対象なのです。

これは中国にも言えることです。中国の場合であれば、各軍の指揮官の横には政治委員がいて、それが軍を監視します。だから指揮系統が非常に複雑でややこしくなります・・・ 
 

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「最前線に立った日本」

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