公益財団法人 国家基本問題研究所
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2024.06.07 (金) 印刷する

中国軍事動向月報 2024年5月

1 全 般
5月1日の労働節に合わせ、空母「福建」の初の海上試験やH-6K爆撃機からのALBM発射画像公開等、士気高揚を兼ねた各種装備品の開発の進展が確認された。

5月23~24日、中国人民解放軍東部戦区は、頼清徳台湾総統の就任を受けて陸、海、空、ロケット軍等による統合演習「聯合利剣2024A」を台湾周辺で実施した。訓練周期の関係もあり、海上封鎖態勢確立までの訓練が主であったが、海警との連携等に進展が見られた。

対外行動に関しては、台湾・フィリピン(以下、比)に対する強硬姿勢を継続している。特に中国海警船による法執行パトロールの常態化、法執行演習の実施等その度合いをエスカレートさせた。また、6月15日から施行予定の「海警機構行政法執行手続規定」を発布し、行動の法的根拠を整備した。

日本に対しては、対領空侵犯措置において、WL-10偵察/攻撃型無人機が初確認され、飛来する無人機の性能等を年々向上させている。尖閣諸島周辺では特異な事象は確認されなかったものの、台湾・比周辺海域でのエスカレートさせた手法を尖閣でも利用できるため、「海警機構行政法執行手続規定」施行後の海警船の動向に注視する。