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2015.07.16 (木) 印刷する

「クマラスワミ礼賛コラム」削除で終わらせてはならない 島田洋一(福井県立大学教授)

 下記産経記事の問題で、ようやく政治が動いたのは結構なことだ。ただ、大使館ホームページから当該ブログ記事の削除だけで、事をうやむやにしてはならないだろう。
 このような意識の低い文章がなぜ、何のチェックも受けずに大使館の公式HPに載り、自衛隊の準機関紙に載ったのか。経緯がしっかり検証され、責任が明確にされ、そして関係者全体の、歴史戦に関する意識が改められる必要がある。
 この件は国基研が最初に問題提起した。下記「直言」および「ろんだん」を参照頂きたい。産経の記事も下に引いておく。
■【第296回・特別版】自衛隊は歴史情報戦を戦えるのか
 https://jinf.jp/weekly/archives/15807
■在ベルギー日本大使館の緊張感欠如
 https://jinf.jp/feedback/archives/15913

産経 2015.7.16
「慰安婦=性奴隷」と定義したクマラスワミ氏を礼賛 女性自衛官ブログ削除へ 政府は15日、北大西洋条約機構(NATO)に派遣している女性自衛官が在ベルギー日本大使館のホームページで公開しているブログの一部を、近く削除する方針を固めた。ブログは慰安婦を「性奴隷」とする国連報告書をまとめたクマラスワミ氏との会談について「光栄」とし、「とても穏やかで徳が感じられる方」と礼賛している。
 ブログは今年3月に公開された。歴史認識をめぐり日本政府と相いれない立場を取るクマラスワミ氏をたたえる内容のため、自民党国防部会で「軽率だ」などの声が上がっていた。ある議員は「自衛官にも表現の自由はあるが、大使館ホームページで公開する以上、国際社会からは政府の公式文書とみられる。内容をチェックしない防衛省にも責任がある」と指摘する。
 女性自衛官は昨年12月からNATO本部に勤務。自身の活動を定期的にブログで紹介している。政府が削除するのはクマラスワミ氏に関する記述があるブログのみの方向だ。
 クマラスワミ氏が平成8年に国連人権委員会に提出した報告書は、朝鮮半島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の虚偽の証言を引用しながら慰安婦を「性奴隷」と定義し、日本政府に法的責任の受け入れや元慰安婦への補償などを勧告している。
 朝日新聞が吉田氏の証言を引用した記事の誤報を認めたことを受け、政府は昨年10月、クマラスワミ氏に報告書の一部を修正するよう求めた。クマラスワミ氏は拒否している。