産経新聞8月22日付朝刊の一面トップに、「レールガン独自開発」の記事が出ていた。電磁気による加速で発射するレールガンや、レーザー等を利用した指向性兵器は将来の革新的技術になりうる。
レールガンに関しては、米海軍が1〜3番艦を太平洋艦隊に配備を予定している最新鋭ミサイル駆逐艦「ズムウォルト級」で、高度砲システムの次の段階で搭載を予定している。今年、邦訳版が出た米中戦争を描く『中国軍を駆逐せよ!』(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)で中国軍にとどめを刺すのが、このズムウォルト級ミサイル駆逐艦のレールガンであった。
レーザー等を利用した指向性兵器に関しても、現在は飛翔体にダメージを与えることはできても撃墜までには至らない。しかし、将来、破壊力が向上すればミサイル防衛にも利用できる。電力さえ確保できれば理論的には弾が無尽蔵であるので、ミサイルの飽和攻撃を企図している中国や北朝鮮に対しては極めて有効である。
今年の初めに訪米した際、国際評価・戦略センターの上級研究員リチャード・フィッシャー氏も、レールガンやレーザー兵器こそが将来兵器となること、中国が米国を上回る予算を投入して開発し、将来的には月を攻撃ステーションとしてレーザー等を衛星破壊に使用するであろうことを強く懸念していた。
現に中国は8月16日、解読不可能な暗号通信を可能にする量子衛星を打ち上げている。フィッシャー氏は、中国が2016~2021予算年に建設に着手するとし、これに対して日米で技術協力を促進すべきだと言っていた。
確かにレールガンに関しては、日本にリニア新幹線技術のような技術基盤が存在する。問題は、JR東海のような民間企業が防衛省と技術協力するか否かだ。
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