最近のウクライナ情勢に関する報道を見ていると、ウクライナはロシアから虐められている被害者であるかのような内容が多い。だが、果たしてそうであろうか?
現在、中国海軍が保有している唯一の空母「遼寧」は、ウクライナから輸入した嘗ての「ヴァリヤーグ」である。また空母艦載機であるSu-33は、ロシアが中国への売却に応じなかったことから、ウクライナが試作機を中国に売却し、中国はそれを基に国産艦載機J-15の開発に成功した。
さらに、遼寧省にある中国海軍の空母艦載機訓練基地「興城」では、ウクライナの空母艦載機離発着訓練センターであるニトカ飛行訓練センターの複製品を使用している。加えて沖縄県の尖閣諸島を中国海軍が軍事占領を企てるとすれば、その尖兵になると予想されるエアークッション揚陸艦のズーブル級(戦車3両が搭載可能)も、2013年にウクライナが中国に輸出したものだ。3機の空中給油機、IL-78もウクライナが輸出した。
「ウクライナから中国軍に輸出される兵器が、日本の脅威となっている」と、昨年7月に行われたグローバル・フォーラム主催の日+GUAM(グルジア・ウクライナ・アゼルバイジャン・モルドバ)対話で、筆者がウクライナの第一副外相であるナタリア・ガリバレンコ女史に指摘したところ、彼女は「知らない」と回答を拒否した。
日本のロシア専門家によれば、在日のロシア系売春婦の約7割はウクライナ出身者とのこと。本年4月に流出した「パナマ文書」では、ウクライナのポロシェンコ大統領も租税回避地を利用していると名前が挙がっている。
ウクライナはロシアに虐められているだけの潔白な国とするイメージと現実とは、ほど遠いことを認識する必要があろう。
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