公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

2017.01.24 (火) 印刷する

侵略抑止にも9条改正は最優先課題だ 木山義朗(弁護士)

 憲法改正発議のため国会に憲法審査会が設置されたが、議論は遅々として進まない。これは憲法9条を改正したくない民進党や共産党などが、立憲主義などいろいろな理由をつけて安倍晋三首相や自民党の憲法改正を阻んでいるからに他ならない。
 政党間の憲法改正論議を聞いても、自民党ですら9条改正をはっきり主張しないのはどうしたことか。漠然とした憲法改正や広範な条文の改正を言っても、徒らに時間を浪費するのみで、喫緊の課題である9条改正はなかなか実現しない。ここは国民も一番関心を持っている9条改正に憲法審査会の議論を絞ったらどうか。
 我が国に敵意を持つ周辺諸国にとっても日本の9条ほど安心安全なものはない。日本に対してどのようなことをしても、言っても、少なくとも我が国の自衛隊から攻撃される畏れはないからである。
 昨年末のロシアによる国後島、択捉島への北海道東部をも射程に入れる新型ミサイルの配備、中国による近時の日本領海、領空への頻繁な侵犯、北朝鮮による日本人拉致や相次ぐミサイル発射、そして、韓国の竹島不法占拠、日本大使館・総領事館前への慰安婦像設置など、いずれも日本から攻撃される畏れがないから実行されたと考えるのは私一人ではあるまい。
 仮に我が国がトランプ米新政権と在日米軍の負担額で揉め、米軍の一部撤退でもあれば、中国の尖閣諸島占拠、北朝鮮による我が国領海へのミサイル発射などの事態は十分考えられることである。
 我が国への周辺諸国からの攻撃抑止のためにも、ここは是非とも9条改正を早急に実現すべきだ。