公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

2026.01.13 (火) 印刷する

防衛相の「五つ星」は世界の物笑い 太田文雄(元防衛庁情報本部長)

11日、小泉進次郎防衛相は陸上自衛隊習志野演習場において、陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練始めを視察した。その時の写真を見ると、小泉氏は五つ星を付けた訓練服を着用している。

写真は Youtube 第一空挺団公式チャンネル 「令和8年 降下訓練始め(NYJIP26)」より

2021年11月に当時の岸田文雄首相が陸上自衛隊の朝霞駐屯地における自衛隊観閲式に臨んだ際も、五つ星のジャンパーを着用した。五つ星は首相や防衛相の車両標識や識別旗にも付けられている。

首相官邸HP「令和3年度自衛隊記念日観閲式」より 

国際的な共通認識として、将官のうち大将は四つ星、中将は三つ星、少将は二つ星、准将は一つ星であり、五つ星は元帥を意味する。首相や防衛相が五つ星を使用しているのは、「四つ星の統合幕僚長や陸海空の幕僚長より上だから」と過去の大臣が主張したのか、あるいは忖度する内局が決めたのかは定かでない。

米国防長官は格下?

首相や防衛相は文官なのであるから、そもそも階級章は馴染まないが、筆者がかつて在米日本大使館で武官に任じていた時、当時のコーエン米国防長官から貰ったカフスボタンには四つ星が描かれていた。その数年後に、筆者は戦略国際問題研究所(CSIS)で、研究員であった小泉氏と会っている。ワシントンのシンクタンクに在籍していた小泉氏が、国防長官は四つ星であることを知らない筈はない。

訪米中の小泉防衛相は15日にヘグセス国防長官(戦争長官)と会談する。その時に写真のような五つ星を付けるとすれば、国防長官は自らを四つ星と認識しているのであるから、日本の防衛相は自分よりも格上なのか、と見識を疑うに違いない。「日本の常識は世界の非常識」を軍の階級にまで持ち込まないで貰いたい。「世界の物笑いになる」と、心ある制服自衛官は思っているであろう。(了)