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2020.02.13 (木) 印刷する

「知られざるポーランドとの絆」 ジャーナリスト・井上和彦

 国基研企画委員会は、2月7日、ジャーナリストの井上和彦氏をゲスト・スピーカーとした。井上氏は、あまり一般的とは言えない歴史の事実を例示し、わが国とポーランドとの間には友好の絆があると述べ、その後櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換をした。

【概要】
〇ポーランド人孤児の救出
 1918年の夏、日本はシベリアに出兵する。その当時、シベリアには政治犯などとして送られていた10万人を超えるポーランド人が暮らしていた。第一次世界大戦が終結し1918年11月11日にポーランドは再び独立を果たすが、大戦末期に勃発したロシア革命の混乱などにより、シベリアのポーランド人は荒野を彷徨う悲惨な状況に追い込まれる。その結果、多数のポーランド人孤児達がシベリアに取り残されるという事態に。
 そんな中、同様に出兵していた国で、日本だけが救いの手を差し伸べた。わが国は救助要請を受けてから、わずか17日後には決断を下したといわれる。そして大正9年(1920年)と大正11年(1922年)に、合わせて765人の孤児を日本に輸送する。日本赤十字社と帝国陸海軍による、大掛かりな作戦であったとされる。
 日本では朝野をあげて彼らを温かく迎え入れ、やがて孤児たちは戦乱が収まった母国ポーランドへの帰途につく。その後、日本への恩義を感じていた孤児たちは「極東青年会」という団体を組織し、日本との友好を提唱し孤児らを助ける慈善活動などを行った。

〇ポーランドと日本との交流
 現在のポーランドにおいて、日本に好意を抱く方々が多いのは、日露戦争でロシアを破り、その後のシベリアにおける孤児救出という人道的行為によるところが大きい。
 阪神淡路大震災の際に、被災児童を元気づけるため、ポーランドに招待した事例は、孤児救出のお返しであった。
 実際、ポーランドに行った際、「シベリア孤児記念小学校」という公立校にお邪魔し、大歓迎を受けた。そこでは、日本国旗「日の丸」が掲げられ、隣接する幼稚園からやってきた園児らが「君が代」を歌って歓迎してくれた。国立のワルシャワ大学など複数のポーランドの大学には日本学科が設置され、優れた日本研究が行われている。
 このような史実に根差した親日の実態がポーランドにあることは、より多くの日本人に知ってもらいたいことだとした。

【略歴】
1963年(昭和38)滋賀県大津市出身。法政大学社会学部卒業。軍事安全保障・外交問題・近現代史を専門とするジャーナリスト。国基研企画委員も務める。
主な著書に『親日を巡る旅』(小学館)『日本が戦ってくれて感謝しています』(産経新聞出版)、『自衛隊さん ありがとう』(双葉社)、『撃墜王は生きている』(小学館)など多数。平成28年、第17回「正論新風賞」受賞。
(文責 国基研)

20.02.07