山上信吾・外務省経済局長は、6月26日、職務多忙な中を国基研企画委員会にゲストスピーカーとして来所した。山上氏は外務省経済局刊行『我が国の経済外交2020』をもとに最近の経済外交について語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換をした。
新型コロナ感染拡大への対策強化や景気低迷などを背景に、最近の世界では食品にまで輸出規制をかけるなど保護主義的傾向が出現。対するわが国は、自由貿易を推進する旗手として、ポストコロナ時代の経済回復へ向けた取り組みが必要
2本柱・・・上記手段としてWTO改革とEPA(経済連携協定)の推進が車の両輪
WTO改革・・・電子商取引を含む新しいルール作りの加速化、各国の通報により透明性を確保する制度の強化、紛争解決制度の改革など、コロナ前よりも強化された内容の改革を一層進める必要
EPA推進・・・東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、TPP(環太平洋パートナーシップ)、日英間の経済パートナーシップ交渉などの推進
その他・・・多岐にわたるわが国の経済外交
【略歴】
1962年、東京都出身、1984年、東京大学法学部卒、外務省入省、北米局北米第2課長、国際法局条約課長、茨城県警警務部長、在英日本大使館公使、国際法局参事官、審議官、2015年には日本国際問題研究所所長代行、2017年、国際情報統括官を歴任し、2018年から現職。
(文責 国基研)