今月の総合安全保障プロジェクト月次報告会は、まず中川真紀・国基研研究員が「中国ロケット軍の動向(射爆場についての分析)」を、続いて吉田正紀・元防衛大臣政策参与が「米中首脳会談が与える日本への示唆」を、岩田清文・元陸上幕僚長が、「長引くイラン戦争とその教訓」について、それぞれ報告した。
第1部は国会議員に向け、第2部は主要メディアに向け報告し、参加した議員、記者、企画委員らの質疑に応じた。以下、その概要を簡単に紹介する。
【月次報告】
国会議員向け(午前8時~9時30分)、メディア向け(午前11時30分~午後1時)
報告会では、参加した議員あるいは記者からの質問に答える形で補足説明が行われ、活気ある議論が展開された。質疑応答の一部を以下に紹介する。
【質疑応答】
Q: 米国のミサイル在庫量には不安を感じるが、イランの残存ミサイルは正確に把握できているか。同様に中国の保有するミサイルの見積もりはどうか。
A: イランの場合、地下施設に貯蔵しており、情報を得る手段が限られるため、正確な在庫数は不明である。中国のミサイル数は発射機の数などから推定するしかないので実数は不明である。
Q: 仮に台湾海峡で戦闘が開始された場合、ミサイルの提供に関してロシアは中国を支援するか。
A: ICBMのロシアとの共同訓練の実績から情報提供はすでに実施している。ロシアに余力があれば、ミサイルの提供は可能と考えるが、実行するかは不明である。いずれにしても、中露朝の連携には注意を要する。
Q: 対中戦略の文脈で米国が経済面で日本に譲歩を迫ることはあるか。
A: 日本のもつ利点は地理的立地である。豪州やフィリピンを含めた第一列島線の防衛力を日本が主導して強化することで、仮に譲歩を迫られてもそれなりに押し返せるものと思料する。
Q: 9月に予定される習近平氏訪米は米国でどのように受け止められているか。
A: 前回の訪米の直後に中国は南シナ海を支配したように、今回も疑いの目をもって見ている。米議会の多数の対中強硬派の動きは注目できる。イラン戦争の帰趨も影響するかもしれない。
Q: 中国ロケット軍はUAVによる攻撃訓練を実施しているとの報告だが、彼らに投射能力(運搬手段)はあるか。
A: 能力的には十分あり、すでに台湾周辺で実動演習も実施している。
この総合安全保障プロジェクトの月次報告会・記者向け報告会は、今後とも継続実施していく予定である。 (文責 国基研)