公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

有元隆志の記事一覧

産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人 有元隆志    中国の習近平国家主席の国賓としての来日が延期となった。武漢ウイルスの終息の見通しが立っていない中で当然のことである。日本政府担当者は延期決定後、筆者に次のように語った。少々長くなるが引用する。  「中国の人権問題はわれわれも問題視している。昨年末の首脳会談で安倍晋三首相は習主席に香港や新疆ウイグル自治区における人権状況...

続きを読む

産経新聞正論調査室長 有元隆志    ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任された。同盟関係を重視し、北朝鮮による日本人拉致事件に理解が深かった人物だけに、日本にとって痛手だ。しかし、国家安全保障会議(NSC)の内幕を描いた『ランニング・ザ・ワールド』の著者デービッド・ロスコプ氏がニュースサイト「デーリー・ビースト」に「(ボルトン補佐官の2018年3月の)就任時から...

続きを読む

 塚田一郎国交副大臣に続き、桜田義孝五輪担当相が失言の責任をとり辞任した。いずれも政治家としての資質を疑わせる辞任劇である。桜田氏は岩手県出身の高橋比奈子衆院議員(比例東北)のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と挨拶し、塚田氏は「下関北九州道路」の整備をめぐり安倍晋三首相らの意向を「忖度した」と発言した。  辞任の形をとったものの、2人とも事実上の更迭である。ともにその場を盛り上げる...

続きを読む

産経新聞正論調査室長 有元隆志    米国の大統領は再選されるとレームダック(死に体)化が始まり、2期目半ばの中間選挙を過ぎるとそれが加速する。自民党総裁に3選され、今の規定では4選がない安倍晋三首相の場合はどうか。総裁選前にある側近が首相に、レームダックにならないためにも任期途中で退陣する可能性を聞いた。首相は「最後までやり抜く」と言い切ったという。  ●「戦後日本外交の...

続きを読む

 中国の「韓非子」に「守株」がある。ある日、農夫は一匹の兎が切り株に激突して死んだのを見て、耕すことを止めて、再び兎が切り株にぶつかるのをいつまでも待っていた。つまり進歩のないことを表す故事だ。自民党の岸田文雄政調会長が率いる岸田派(宏池会)がまとめた政策骨子「宏池会が見据える未来」の安全保障政策は、この「守株」と同じだといえるだろう。  ●政策のどこが「リアル」か  政策骨子では「Hum...

続きを読む