今月の総合安全保障プロジェクトの月次報告会は、まず中川真紀・国基研研究員が中国軍の「2025年 中国軍の訓練総括」を、続いて、毛利亜樹・筑波大助教が「中国による海上民兵動員体制の実装」を、吉田正紀・元防衛大臣政策参与が「中国、台湾侵攻の徹底分析-習近平主席の軍事粛清の意味」について、最後に岩田清文・元陸上幕僚長が「日米、抑止戦略の連携」と題し、それぞれ報告した。

第1部は国会議員に向け、第2部は主要メディアに向け報告し、参加した議員、記者、企画委員らの質疑に応じた。以下、その概要を簡単に紹介する。
月次報告会議員向け(午前8時~9時30分)・メディア向け(午前11時30分~午後1時)
【報告概要】
上記報告の後、出席記者からの質問に答える形で補足説明も行われ、活気ある議論が展開された。質疑応答の一部を以下に紹介する。
【質疑応答】
Q: 中国が海上民兵を動員する目的について伺いたい。
A: 中国軍が太平洋に進出する際、海上民兵を東シナ海に展開して、日本側の出足を挫くつもりではないか。海上民兵の役割の一つは、中国の民間漁船に対して日本の公船(海自や海保)が嫌がらせをするという非対称な構図を作り、認知戦を展開することではないかと思われる。
Q: 一般の漁民が民兵となった場合に具体的には何ができるのか。
A: 国防動員というのは平時から戦時への転換で、民兵も軍事力として使われる。海上民兵の場合、平時は漁業活動に従事しているが、戦時となれば、例えば大量の漁船を整列させたり、養殖網を設置したりして、阻止戦を張ることも考えられる。
Q: 中国軍は今後どのような動きを見せるか教えて欲しい。
A: 2026年は2027年の前年であり重要な節目にあたる。例えばロケット軍であれば、内陸部にあるICBMサイロを実運用状態にする、あるいは模擬発射訓練を実施できるようにする、などが考えられる。また海軍であれば、空母福建の戦力化を早めることも想定される。さらに台湾侵攻時には必ず武装警察が治安維持のため必要になるので、今後の武装警察の訓練状況が注目される。
Q: 米国が日本に要求すると思われるGDP比5%を達成する方策を伺いたい。
A: まず、日本の貢献は5%以上の価値があると米国が納得する説明が求められる。また数値的には米国のアクセス経路にあたる軍民両用施設の整備・拡大など、カウントする方法を工夫すれば5%は達成できるのではないか。
この総合安全保障プロジェクトの月次報告会・記者向け報告会は、今後とも継続実施していく予定である。 (文責 国基研)