「米中貿易摩擦の影響と最近の中国事情」 富坂聰・国基研企画委員
国家基本問題研究所企画委員の富坂聰・拓殖大学教授は8月23日(金)、同研究所で開かれた企画委員会において、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員に対し、最近の中国情勢について語り、その後意見交換した。 ●米中貿易摩擦 米中貿易摩擦の影響が日本経済にも及び始めている実態が指摘された。例えば、日本電産の会長が「尋常ではない変化」と表現したように、日本の上場企業の多くに、昨年末から大きな減収減...
「中国経済と米中ハイテク冷戦の行方(続)」 津上俊哉・津上工作室代表
8月2日、国基研企画委員会は、ゲストスピーカーとして、現代中国研究家の津上俊哉氏を招き、「中国経済と米中ハイテク冷戦の行方(続)」と題し、前回(本年2月)来所以来の変化要因を含め中国経済を概観しつつ米中貿易摩擦などについても言及、櫻井理事長をはじめ企画委員らと意見交換した。 津上氏は、前回2月の来所から半年を経過し、中国経済の上半期の経済状況を総括した。新旧二つの経済が同居する中国で...
「対日占領政策と神社神道」 大原康男・國學院大學名誉教授
国基研の理事も務める大原康男・國學院大學名誉教授は、7月26日、定例の企画委員会におけるゲスト講師として、戦後、祭祀を中心とした神社神道が多大な影響を被った進駐軍の対日占領政策の一つ「神道指令」について語り、参会者と意見を交換した。 GHQの基本方針「降伏後ニ於ケル米国ノ初期対日方針」(1945.9.6)によると、その目的は日本の脅威とその排除にあった。具体的には、軍事的には陸海軍の...
「天皇と国民主権~国体関連で」 小堀桂一郎・東京大学名誉教授
小堀桂一郎東京大学名誉教授は、7月19日、定例の企画委員会におけるゲストスピーカーとして、天皇と国民主権について語った。特に、本年6月に復刻版が出版された法哲学者尾高朝雄著『国民主権と天皇制』をとりあげ、象徴天皇制が国民主権とは矛盾しないという尾高理論について詳しい解説を加え、参会者と意見を交換した。 小堀教授は、まず尾高氏の著作について語る前に、執筆当時の昭和22年は決定的に情報が...
第6回「国基研 日本研究賞」授賞式・記念講演会を開催
国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は、外国人による優れた日本研究を顕彰、奨励する第6回「国基研 日本研究賞」の受賞記念講演会および授賞式を、7月10日(水)東京の内幸町にあるイイノホールで開催した。 授賞式の様子 奨励賞は、神戸大学大学院法学研究科 簑原俊洋教授及び拓殖大学国際日本文化研究所 ペマ・ギャルポ教授の著作に、また特別賞には現代史家 秦郁彦氏の英訳本に授与した...
「欧米からみた神道 ~ ラフカディオ・ハーンがとらえた先祖崇拝の意味」 牧野陽子 成城大学教授
成城大学の牧野陽子教授は、7月12日、定例の企画委員会におけるゲストスピーカーとして、明治期にわが国の伝統や文化を理解し海外に紹介したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の業績について語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換した。 明治期に来日した欧米人が、日本のことを研究する上で最初に取り組んだのは、神道の研究であったという。なぜなら、彼らは国の歴史・文化の基礎は宗教にあると...
「赤化する韓国に未来はあるか」 李度珩(イ・ドヒョン)・前『韓国論壇』社長
李度珩氏は、7月5日、定例の企画委員会におけるゲストスピーカーとして、韓国の国内事情などについて語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換した。 まず氏が語ったのは、2017年6月28日の文在寅大統領。初訪米の際、最初に大統領が向かったのは、バージニア州の海兵隊基地にある長津湖(チャンジンホ)の戦いの碑への慰霊だった。朝鮮戦争において米国史上で最悪の敗戦の一つに数えられる戦闘...
「世界を揺るがす通商問題」 山下一仁・キャノングローバル戦略研究所 研究主幹
通商問題や農業問題の第一人者、山下一仁氏は、6月28日、定例の企画委員会にゲスト・スピーカーとして来所した。山下氏は、世界を揺るがす通商問題と題して、ブレグジット、米中貿易戦争、日米交渉、農業問題など幅広く語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換をした。 まずブレグジットの問題について。EUはそもそも関税同盟や単一市場により、域内の税関検問所を不要としてきたが、英国が完全に...
第6回「国基研 日本研究賞」受賞者決定
国家基本問題研究所は、第6回「国基研 日本研究賞」の受賞者を下記のとおり決定いたしました。 日本研究奨励賞 ペマ・ギャルポ (拓殖大学国際日本文化研究所教授) 「犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る 侵略に気づいていない日本人」 (ハート出版、2018) ...
「ウクライナの教訓と日本の危機」 グレンコ・アンドリー氏
日本で活動しているロシア問題の専門家、グレンコ・アンドリー氏(ウクライナ出身)は、6月7日、定例の企画委員会にゲスト・スピーカーとして来所した。アンドリー氏は、ロシアが2014年にウクライナを侵略した経験から得た教訓をもとに、ロシアという国の本性や、我が国の対露警戒心の薄さなどについて語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見交換をした。 まず氏が指摘するのは、5年前のウクライナ...