公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2020年2月の記事一覧

 米民主党の大統領候補選びが佳境に入ってきた。その内、急進左派の候補は、バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両上院議員に絞られた。勢いがあるのは78才ながら、前回2016年の大統領選でも予備選でヒラリー・クリントン元国務長官の心胆寒からしめたサンダース候補である。  ●早々に独走態勢入りも  ウォーレン候補はエリート臭が強く、弁護士時代に大企業を顧客に財を成したうえ、白人でありなが...

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 「温暖化は止まっていない」と指摘した2月6日付の「ろんだん」に対し、同10日付で筑波大学の田中博教授から「再反論」をいただいた。ところが、それは私が指摘したハイエイタス(温度上昇停滞期)以降の最近数年間の急激な温度上昇に対する反論になっていない。過去のデータに基づく解説文の域を出ておらず、それらの点を改めて指摘しておきたい。  田中氏は、一昨年、昨年の北半球の猛暑ならぬ酷暑、昨年のアマゾン、ア...

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 2月16日、尖閣諸島周辺の接続水域で中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。巡視船は、領海に近づかないよう警告したが、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは15日連続だという。  この間、新型コロナウイルスの感染は拡大し、その防止に向けた日本の支援に対してネット上では中国人の感謝の書き込みが少なからず見られた。また、2月末には外交担当トップの楊潔篪中国共産党政治局員が...

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 軍事情報に強い韓国のジャーナリスト金泌在氏が2月6日、自身が主宰するネットテレビで伝えたところによると「北朝鮮で新型コロナウイルスによる肺炎のため40人が死亡した」という。北朝鮮当局はウイルスの感染者はいないと発表しているが、それは信じられない。韓国では複数の脱北者らが北朝鮮内の感染者数や死亡者数をそれぞれのルートで北の内部からつかみ、競って公表している。  2月16日現在、北朝鮮との国境に面...

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 新型コロナウイルスの世界的拡散は中国の「一帯一路」政策とも関係している。一帯一路政策は、労働力も現地の労働者を使って現地の経済を潤すことはせず、中国本土から囚人まで現地に派遣する等の方法をとっている。このため春節等で一度中国本土に帰った労働者達がウイルスを現地に持ち帰って、感染を拡大する結果にも陥っているという。  ●一帯一路の拠点にウイルスは拡散  12日の米紙ニューヨーク・タイムズ(...

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 第5世代移動通信システム(5G)構築に中国の華為技術(ファーウェイ)を参入させるか否か、欧州で議論が続いている。こうした中、英国のジョンソン政権は華為の部分的参入を容認する方針を打ち出し、華為排除を求めている米国やこれに同調している日本を驚かせた。欧州連合(EU)から離脱し、これから苦難の道を歩む英国にしてみれば、経済上、今の時点で中国との関係悪化の引き金を引くのは得策ではないと判断したのだろう...

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 我々が初等教育を受けた時、「非科学的な神話ではなく科学的な史実に基づいた歴史を」と先生から教わった。戦前の歴史教育が科学的な根拠に乏しい神話に基づいていることに対する戦後教育の反動であった。  しかし当時の人達が、古事記に代表されるような神話に基づいて思考していたことは事実である。時を経るにつれ、古事記の擬人化された表現の中に散りばめられた戦略・情報観が含まれていることを知るにつけ、建国記念日...

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 2月5日の「ろんだん」で、アラスカ大学の赤祖父俊一氏との連名で温暖化ハイエイタス(一時停止)を背景に「地球温暖化は殆ど止まっている」と書いたところ、翌6日の本欄で東京工業大学の奈良林直氏から「地球温暖化は止まっていない」とのタイトルで反論記事が掲載された。本稿はそれに対する再反論の主張である。  世界の年平均気温は100年で約0.7度の割合で上昇しているが、その上昇速度が2000年以降の15年...

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 国基研の月例研究会などでもご登壇されておられる米アラスカ大学国際北極圏研究センター初代所長の赤祖父俊一氏らが2月5日の「ろんだん」で「地球温暖化は殆ど止まっている」と書いている。赤祖父氏は2018年9月10日の今週の直言【第542回】でも同趣旨のご主張をされているが、どうも違うと感じている。一昨年、昨年の北半球の猛暑を超えた酷暑や、昨年のアマゾン、アフリカ、オーストラリアの猛暑と干ばつ、それによ...

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 地球温暖化防止運動が暴走している。実は炭酸ガスの放出量は依然として急増しているが、地球温暖化は2000年頃から殆ど止まっている。コンピューターの計算によれば2000年から20年の間に0.1~1.5度上昇することになっている(2100年までは0.5~7.5度の上昇)。こんな矛盾と不確定さに満ちた予測をもとに地球温暖化は、依然として世界の大問題とされているのである。  ●気象学者に「気候」は...

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 台湾人を漢族とする誤解は、識者の間でも少なくない。台湾人の多くもそう信じている人が少なからずいるからややこしい。でも誤解は正しておかねばならない。  私がそれを承知したのは、1980年代末か、晩くとも1990年代の初期である。彭明敏先生が林媽利医師を連れて私が泊っていたホテルに訪ねて来られて仰るには、「台湾人の大半は漢族ではなく、マレー・ポリネシア系の原住民の子孫ですよ。私は自分の中に原住民の...

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旧正月である1月25日、金正日の妹で2013年12月に処刑された張成沢の妻である金慶姫が姿を見せた。北朝鮮の公式媒体は26日、金慶姫が金正恩や与正らといっしょに平壌で旧正月の記念公演に出席したとして、写真や動画を報道した。彼女の姿が公開されるのは6年ぶりだ。 実は私(西岡)は数年前、情報源から金慶姫は張成沢処刑に強く抗議し、金正恩を叱責し続けたので、金正恩によって毒殺されたという内部情報を入...

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 1月17日、広島高裁(森一岳裁判長)が、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認める仮処分決定を下した。この判断の論理的欠陥については、櫻井よしこ氏や奈良林直氏の優れた論考があり、そちらに譲りたい。ただ、どれほど論理で説いても、これらの裁判官は態度を改めないだろう。結論ありきの確信犯だからである。  民主的手続き(議会の多数決)で実現できないことを、裁判官が権力乱用によって実現する。司法の皮を...

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 米イラン関係が厳しい中、自衛隊が中東に派遣される。このような情勢からテレビではイラン問題に関して多くの専門家が意見を述べているが、その中で決定的に欠落している点がある。それは、日本の喫緊の脅威となっている北朝鮮とイランは軍事技術の交流で極めて緊密で、イランは北から兵器を購入して外貨獲得に便宜を図り、日本に間接的に脅威を与えているという点である。  ●なぜ触れぬ北朝鮮との軍事協力  1月1...

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 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎患者が、中国のみならず日本、韓国、台湾、米国でも確認されている。こうした感染症の対策として最も大切なことは「情報の透明性」である。中国での新型ウイルス肺炎蔓延をNHKの海外放送が報じた時、中国では画像が真っ暗になって消されてしまった。中国政府が記者会見を行ったのは、21日の習近平主席指示を受けて22日になって初めてである。  一党独裁の国...

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 全面戦争に至る寸前に小康を保つことができたのは、そこに「悲劇の代償」があったからではないのか。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が年明けの3日、イラクのバクダッド空港でアメリカ軍の無人機攻撃で殺害され、国際社会はアメリカとイランの報復戦争の行方に固唾をのんだ。  イランのミサイルによる報復攻撃に、アメリカ軍が反撃を自制して戦争を回避しようとしたのは確かだ。だが、それ以上に抑制機能が働いたのは、...

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 ロシアのプーチン大統領が発表した権力機構再編のための憲法改正提案は、唐突かつ意表を突くもので、ロシアのメディアは「1月革命」「1月テーゼ」などと報じた。大統領は既に憲法改正の関連法案を議会に提出しており、春にも議会承認を経て国民投票を行う方向だ。その場合、プーチン大統領辞任を含め、早期に新体制に移行する可能性がある。  ●鄧小平型の院政狙いか  改憲案の目玉は、大統領の権限が縮小され、上...

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 19日で日米同盟が60周年の還暦を迎えた。50周年の2010年1月には、日米修好通商条約批准のために江戸幕府が派遣した訪米使節団が宿泊したワシントンDCのウイラードホテルで、米戦略・国際問題研究所(CSIS)主催の記念セミナーが行われ、筆者も参加した。  当時は、鳩山由紀夫首相の普天間飛行場移設先に関する「最低でも県外」発言や、インド洋で燃料補給活動に従事していた海上自衛隊の撤退などに対する米...

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 昨年、『核武装と知識人—内閣調査室でつくられた非核政策—』(岸俊光著)が勁草書房から出版された。現在の日本の核政策は、1964年の中国初の核実験を受け内閣調査室が識者を結集して纏め上げたとする内容である。  中でも、核政策の骨幹となったのは、内閣調査室の機関紙『調査月報』が1970年5月に巻頭論文として掲載した「日本の核政策に関する一考察」(以下内調論文とする)で、作成の中心は「カナマロ会」、...

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 中東から東アジアにかけて世界のパワーバランスが大きく揺れている。反米で利害が一致する中国、ロシア、イランの3カ国が昨年暮れの4日間、中東のオマーン湾沖で展開した初の合同軍事演習は、西側主要国に少なからぬ衝撃を与えた。  ここ数年来、中露の軍事協力は格段に進んでいたことは明らかだ。これに核開発の野望をもつイランが加わったことで、「悪の枢軸」が再編されたかのような論評も出てきた。米軍がイラン革命防...

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