2026年 8月の記事一覧
政府は短波国際放送用の送信機増設を 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
私が代表を務める特定失踪者問題調査会では平成17(2005)年から北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」を運営している。当初は英国の送信会社に委託して送信していたが、平成19(2007)年10月末、当時の菅義偉総務相の尽力もあり、茨城県古河市にあるKDDI八俣送信所からの送信が始まった。放送時間は現在1日4時間半である。日本語と朝鮮語、さらに英語と中国語を含めて、家族の声や日本における拉致問題の動き、北朝...
根拠なき勧告には毅然とした対応を 長谷亮介(麗澤大学国際問題研究センター客員准教授)
韓国・釜山で開催された第48回国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7月23日、世界文化遺産に登録された新潟県の佐渡金山について、現地での解説や展示の改善を日本に求める決議を採択した。同委員会は日本に対し、採掘が行われた全ての時期を通じた「全体の歴史」を包括的に扱うよう勧告し、履行報告書を2027年12月1日までに提出するよう求めた。 強制労働の展示を目論む韓国 勧告では「全...
限界を見せたクアッド外相会合 近藤正規(国際基督教大学上級准教授)
7月22日から23日にかけてマニラで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合に合わせ、日米豪印4か国によるクアッド外相会合が22日に実施された。日本からは茂木敏充外相が出席し、インド太平洋情勢について協議した。 会合では「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進、ASEANの中心性への支持、海洋における法の支配の重要性が改めて確認された。しかしながら、これらは従来から繰り...
中国敗訴から10年、混迷極める南シナ海 黒澤聖二(元統合幕僚監部首席法務官)
10年前の7月12日、フィリピンと中国が争った南シナ海を巡る仲裁裁判で、独自の「九段線」を主張し、南シナ海全域に管轄権があると強弁した中国が惨敗した。この裁定は最終的で、紛争当事国を法的に拘束するはずだが、中国は「紙くず同然」と切り捨て、南シナ海で人工島拡大を強行した。その結果、周辺関係国も中国の暴挙を批判しつつ、自国の権益確保のため岩礁の埋め立てを競い合う事態を招いた。中国も加盟する国連海洋法条...
成功裏に終わった高市・モディ会談 近藤正規(国際基督教大学上級准教授)
7月2日、ニューデリーで行われた高市早苗首相とモディ首相の会談は、高市氏の首相就任後初のインド訪問という節目にふさわしく、日印関係を理念の共有から戦略協力の具体化の段階へと押し上げるものとなった。会談では、両首脳の個人的相性が良いことが感じられ、訪印は成功裏に終わった。 インドが期待する防衛技術移転 日印協力の第一の柱は、防衛協力の技術面における具体化である。高市首相が掲げる「進化した...
韓国不正選挙陰謀論を警戒せよ 西岡力(麗澤大学特任教授)
6月3日に韓国で行われた統一地方選挙で、多数の投票所で投票用紙が不足し、投票に支障が生じる前代未聞の不祥事が起きた。ただ、これは外部勢力が意図を持って選挙に介入した不正選挙ではなく、選挙管理委員会のずさんな管理による失態だった。事柄の本質を見誤ってはならない。 韓国では中国共産党が韓国の選挙開票過程に介入しているとする不正選挙陰謀論者が一定の勢力を維持しており、今回の不祥事を自分たちの主張を...
韓国統一地方選挙結果をどう見るか 西岡力(麗澤大学特任教授)
「極右審判、李在明(大統領)牽制、保守再建」。これが6月3日の韓国統一地方選挙に表れた選挙民の声だった。選挙結果は、日本の都道府県にあたる16の市・道の市長・知事選で、与党「共に民主党」が12、野党「国民の力」がソウル市長を含む4つを取った。当初は、与党が15取るという予想があった中、野党が踏ん張ったことになる。同時に行われた国会議員補欠選挙では与党が9、野党が4、保守系無所属が1だった。 ...
日比海洋境界交渉と日韓協定 黒澤聖二(元統合幕僚監部首席法務官)
わが国とフィリピンとの間に海洋の接点があることは、多くの日本人にとって馴染みがなかったのではないか。実際、わが国南西端の波照間島(沖縄県先島諸島)とフィリピンの北端ヤミ島の間に、両国の排他的経済水域(EEZ)が重複する海域が存在する。 6月1日、中国海警局が台湾東部海域で日比間の海洋境界画定交渉開始の発表に対抗して法執行活動を行ったと発表し、この件がにわかに脚光を浴びる形となった。 新...
理念中心から具体的協力へ―日米豪印 近藤正規(国際基督教大学上級准教授)
5月26日、ニューデリーで第11回クアッド(QUAD)外相会議が開催され、インドのS・ジャイシャンカル外相、米国のマルコ・ルビオ国務長官、日本の茂木敏充外相、オーストラリアのペニー・ウォン外相が出席した。 今回の会議の最大の特徴は、従来の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という理念中心の枠組みから、具体的な協力の制度化へと大きく舵を切った点にある。海洋安全保障、重要鉱物、港湾インフラ...
米中関係の「戦略的安定」とは何か 冨山泰(国基研企画委員兼研究員)
米中両国は、トランプ大統領と習近平国家主席による今月の北京における首脳会談で、「建設的な戦略的安定関係」(constructive relationship of strategic stability)を築くことで一致した。トランプ政権が1期目に中国を「戦略的競争相手」(strategic competitor)と位置付けていたことから一変した。戦略的競争から戦略的安定へのスローガンの変化が何を...
米海軍の逆封鎖は中国に効いている 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
米中首脳会談の評価として多くの識者やメディアは「中国優勢」と評価している。しかし、それは主として経済・外交面での評価で、軍事的にはホルムズ海峡付近における米海軍の逆封鎖は、エネルギーの多くを中東に頼っている中国に相当効いていると筆者は思料する。 中国人民解放軍はここ数年、台湾に対する海上封鎖の訓練を何回も行っているが、これに対して米海軍が中国のエネルギールートを逆封鎖すれば、それは中国にとっ...
対中政策の方向性欠いた首脳会談 冨山泰(国基研企画委員兼研究員)
トランプ米大統領のインド太平洋政策は、中国との一層の融和へ傾くのか、それとも米国の同盟・パートナー国との連携を強めていくのか。5月14~15日の北京における習近平中国国家主席との首脳会談後、米国の台湾向け武器売却を中国との取引材料に使うことを示唆したトランプ氏の発言は、トランプ外交が日本を含む地域の同盟国にとって好ましくない方向へ向かう可能性を浮き彫りにした。 危うい台湾政策 トランプ...
検察抗告の全面禁止回避は妥当 髙井康行(弁護士、元東京高検刑事部検事)
再審制度の改正、中でも、再審開始決定に対する検察官の抗告を全面的に禁止するべきか否かを巡って自民党内が大荒れだった。最終的には、法務省が検察官の抗告を原則的には禁止しつつ、再審開始決定に重大な事実誤認、法令違反が認められる場合に限って抗告を認める制度を提案し、自民党がこれを了承する方向で落ち着きそうな雰囲気となっている。結果的には落ち着くべきところに落ち着いたということだろう。 再審請求者に...
イラン戦争が招く地政学の衝突 湯浅博(国基研企画委員兼研究員)
トランプ米政権の対イラン戦争は、地域戦争の概念を超えて、戦略的要衝であるチョークポイント(海上交通が集中する隘路)を支配できるかが戦争と世界経済の行方を占うことになった。イランは経済動脈であるホルムズ海峡を遮断して、世界のエネルギー市場を「人質化」した。これに対して米国は、海峡の「逆封鎖」(イランの海上封鎖)でイラン経済を締め上げ、中東原油に依存する中国も揺さぶってイランを交渉に引きずり出す狙いも...
政府は準備のできた全原発を再稼働させよ 奈良林 直(北海道大学名誉教授)
イランの核兵器開発阻止を目的の一つとする米国とイスラエルの軍事攻撃に対し、イランがホルムズ海峡の事実上の封鎖などで反撃、石油や天然ガスの海上輸送に支障を来している。それに対してトランプ米大統領がイランを海上封鎖し、イランの石油輸出を止めたことで、事態はさらに悪化した。エネルギー源の多くを中東原油に頼る日本の脆弱性がイラン戦争で改めて露呈した。 石油・ガスの輸送回復に半年 4月17日の国...
憲法審査会の進捗を期待する 西 修(駒澤大学名誉教授)
衆参両院で憲法審査会が始動したのは、2011(平成23)年10月11日である。それから2025(令和7)年12月17日に終了した臨時国会まで、衆議院憲法審査会は166回、参議院憲法審査会は105回、合計271回開催された。また2011年度から2024年度までに計上された総経費は、衆議院で23億1122万円、参議院で16億5983万5000円、合計39億7105万5000円に及ぶ。はたしてこれだけの...
終戦後の掃海に「もがみ」型護衛艦派遣を 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
中東を管轄する米中央軍司令部は11日、アーレイ・バーク級駆逐艦である「フランク・E・ピーターソン」と「マイケル・マーフィー」の2隻(母港はハワイのパールハーバー)がホルムズ海峡における機雷の完全除去任務の一環として同海峡を通過したと発表した。水中ドローンも追ってこの任務に加わるとしている。中央軍司令官のクーパー海軍大将は「(ホルムズ海峡に)新しい通航路を確立するプロセスを開始した」と強調した。 ...
米中に通底する対日認識に注意せよ 荒木信子(朝鮮半島研究者)
3月20日、訪米中の高市早苗首相が同席する場で、トランプ米大統領は日本人記者から米・イスラエル軍によるイラン奇襲について問われたのに対し「不意打ちのことは、日本が一番よく知っているだろう。どうして日本は真珠湾のことを(米国に)知らせなかったのか」と答えた。大統領が日本軍の真珠湾奇襲を突然持ち出した真意は不明だが、大統領とは別に、真珠湾攻撃をいまだに批判する高官がトランプ政権に存在することは、日本と...
木村かほるさんの安否確認を北に求めよ 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
3月26日付産経新聞(東京版)は1面トップで、特定失踪者(北朝鮮に拉致された可能性の排除できない失踪者)木村かほるさんについての目撃証言を報じた。目撃したのは李日奎(リ・イルギュ)元北朝鮮キューバ大使館参事である。 李氏は日本で『私が見た金正恩』(産経新聞出版)という著書も出しており、その本の中に北朝鮮とキューバ大使館で目撃した日本人について書いている。私も同書を読んで李氏に問い合わせたのだ...
「自衛隊明記」だけではできない船舶防護 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
中東情勢の緊迫化に伴い、英仏が中東に空母を派遣して自国船舶の防護に乗り出したのに、日本は自国の船舶防護のために海上自衛隊の艦艇をすぐに派遣できない。理由は、諸外国の軍と異なり、警察予備隊から発展した自衛隊では警察法体系に基づき、許容される行動を列挙するポジティブリストになっているからだ。行動が原則自由で例外的に禁止・制限される諸外国軍と同様のネガティブリストの法体系であれば、即派遣できる。 ...
米国の見事な情報活動と不安な兵站 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
2月28日、米軍及びイスラエル軍はイランへの攻撃を開始した。軍事的な観点から、米国とイスラエルのインテリジェンス(情報活動)における成功がこれから国家情報局を創設する日本に与える教訓と、トランプ大統領の今後の「大規模攻撃」により、将来起こり得る台湾海峡危機での弾薬不足というロジスティック(兵站)面の不安について、元防衛庁情報本部長にして、かつロジスティックを担当する統幕4室長を経験した者として述べ...
戦略核で余裕の米国、均衡に苦労する中露 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
5日に米露間の戦略核軍縮条約である新START条約が失効した。当初プーチン露大統領が1年間の延長を提案しトランプ米大統領も前向きであったが、最終的には破棄に至った。トランプ大統領は同日、「将来にわたり持続可能で、改良され、現代的な条約」の策定に取り組むべきだ、と主張した。その背景には中国が加入しない戦略核軍縮交渉は無意味であると考えている節がある。 米ICBMの弾頭を3発に 米国の唯一...
米国のマドゥロ氏拘束と「法の支配」 黒澤聖二(元統合幕僚監部首席法務官)
1月3日未明に米軍特殊部隊により実行された対ベネズエラ電撃作戦は、世界中の耳目を引いた。その作戦により拘束されたマドゥロ大統領夫妻は、米ニューヨーク州へ移送の後、連邦地裁で訴追された。罪状は、麻薬テロ、コカイン輸入の共謀や、機関銃と破壊装置の所持などとされる。 一連の米国の行為については当初、国際法違反、或いは法の支配を毀損する行為だという報道を目にしたが、具体的な説明は少なく、日本国内では...
米国に不可欠な日本の軍事的価値 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
1月30日、英国のキア・スターマー首相が中国を訪問して習近平国家主席と会談した。それに先立つ同月中旬、カナダのマーク・カーニー首相も訪中、続いてダボス会議では名指しこそしなかったものの、トランプ米政権の独善的行動を厳しく批判した。米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による電波情報共有の枠組み、ファイブ・アイズの重要メンバーが米国との関係を冷却化している現状に対し、米国の軍関...
帰還事業裁判の判決が意味するもの 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
川崎栄子さんら脱北帰国者が北朝鮮政府を相手取って起こしていた帰還事業とその後の北朝鮮における人権侵害に関する訴訟について、東京地裁は1月26日、原告4人の訴えを認め、総額8800万円の支払いを命じる判決を下した。私も地裁で傍聴していたが、歴史的な判決と言えるだろう。 北朝鮮に賠償支払い命令く 「帰還事業」とは昭和34(1959)年から59(1984)年までの間に合計9万3000人余りの...
慰安婦問題で続く嘘との戦い 西岡力(麗澤大学特任教授)
1月6日、李在明韓国大統領がX(旧ツイッター)に、韓国内外の慰安婦像の撤去を求める活動家、金柄憲・慰安婦法廃止国民行動代表を名指しして「こんな愚かな…。死者名誉毀損です」と非難する書き込みをした。すると、すぐ警察庁が特別チームを編成して金氏らへの捜査を強化し、金氏の家宅捜索を行った。 大統領の投稿で警察動く 金氏は『反日種族主義』執筆者の李宇衍氏らと、2019年12月からソウルの旧日本...
インテリジェンス組織に関する一考察 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
高市早苗内閣になってからインテリジェンス組織に関する議論が活発化している。そうした中、20日(火)の産経新聞「正論」欄で、元内閣衛星情報センター次長の茂田忠良氏が、防衛省情報本部から電波部を分離して同省内に国家シギント(電波情報)機関を創設すべきだと主張した。また先月、国基研にゲストスピーカーとして招かれた前公安調査庁第二部長の平石積明氏は新しい国家情報局について、ヒューミント(人的情報)を中心に...
防衛相の「五つ星」は世界の物笑い 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
11日、小泉進次郎防衛相は陸上自衛隊習志野演習場において、陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練始めを視察した。その時の写真を見ると、小泉氏は五つ星を付けた訓練服を着用している。 [caption id="attachment_46491" align="aligncenter" width="600"] 写真は Youtube 第一空挺団公式チャンネル 「令和8年 降下訓練始め(NYJIP26)...
既視感ある米の軍事行動 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
米トランプ政権は3日、ベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領夫妻を拘束した。先月トランプ政権が発表した「国家安全保障戦略」にある西半球重視政策のモンロー主義を具現化したものと見る向きが多い。しかし、米国が勢力圏と見なす中南米に国際法違反の軍事作戦を実行するのは、今に始まったことではない事と、モンロー主義は孤立政策ではなく、欧州(東)への憂いをなくして西に向かう政策であった事を指摘したい。 ノリエ...
我が国は兵器級プルトニウムの在庫ゼロ 奈良林 直(北海道大学名誉教授)
首相官邸幹部がオフレコを前提に「日本は核保有すべきだ」と記者団に語ったことをマスコミが報道して大騒ぎになったが、我が国が独自に核開発をすることは不可能に近いことを周知しておきたい。 保有プルトニウムは非兵器級 我が国の原子力発電所で発電に使われた使用済み核燃料は、英国、フランスで再処理され、保管されているが、これは兵器には使えない非兵器級のプルトニウムである。1年半後に営業運転が始まる...
米国覇権の終焉と日本の新たな役割 岩田清文(元陸上幕僚長)
12月4日に公表された米国の国家安全保障戦略(NSS)は、その名称とは裏腹に外交政策の基本方針を示した文書である。その性格については、先週の「今週の直言」(第1320回)「今週の直言」(第1320回)ですでに指摘したとおりだ。 トランプ第1次政権下のNSS2017は、中国とロシアを「現状変更勢力」、北朝鮮を「ならず者国家」と断じ、明確な対立構図を打ち出していた。ところが、今回のNSS2025...
防衛力強化を「軍拡」と言うNHK 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
11月29日のNHK朝のニュースは、ロシアのウクライナ侵略に対抗するために欧州諸国が徴兵制を復活する様子を取り上げた。ここで徴兵制を女性にまで拡大したデンマークに関し、世論調査で賛成53%に対して反対が32%であった事を報じたまでは良かったが、赤木野々花アナウンサーは、女性だけに限ると反対は39%あるのに、それを無視して「軍拡」に走るのは納得できないとコメント、井上二郎アナウンサーも、「そうですね...
佐渡の朝鮮人戦時労働「強制」説否定される 長谷亮介(麗澤大学国際問題研究センター客員准教授・歴史認識問題研究会研究員)
11月29日に東京にて、筆者が所属する歴史認識問題研究会(歴認研)の公開研究会「佐渡金山朝鮮人労働の真相-147人の証言から―」が開催された。『反日種族主義』(2019年)の共著者の一人である韓国の李宇衍(イ・ウヨン)博士が登壇し、戦時中(1939年~1945年)に新潟県の佐渡島で働いた朝鮮人労働者の真相に迫った。 佐渡金山の世界遺産登録申請が公表されて以降、韓国政府や一部の日本人は朝鮮人を...
石垣島の核シェルター準備を視察した 奈良林 直(北海道大学名誉教授)
「存立危機事態」をめぐる立憲民主党議員らによる国会での執拗な質疑に対する高市早苗首相の国民の命と財産、領空・領海を護る毅然とした答弁を高く評価したい。ロシアのウクライナ侵攻に伴う核使用の恫喝、中国の核戦力増強、北朝鮮の多数のミサイル発射、それに伴うJ アラート警報や日本政府による非難声明が繰り返されるなかで、我が国の有事の避難施設(いわゆる核シェルター)の普及率はほぼゼロである。スイスやノルウェー...
高市政権の「農政復古」 山下一仁(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
自民党と日本維新の会は連立政権合意で、飲食料品を消費税の対象から除外することに含みを残した。しかし、今、物価対策が最重要課題だと言われているのに、消費者を最も苦しめているコメ問題については言及がなかった。日本維新の会は従来、農家に補助金を出してコメ生産を減少させ米価を上げる減反政策の廃止を唱えていたのに、これを引っ込めた。逆に、高市早苗首相は減反を推進する農林族議員の鈴木憲和氏を農水相に任命した。...
憲法9条解釈と文民条項導入との不可離性再論 西修(国基研理事・駒澤大学名誉教授)
日本維新の会が9月18日、憲法9条2項の削除を盛り込んだ政策提言を発表した。その前提には、同条項は「自衛のためでも戦力を保持することができない」と解釈していることがある。このような解釈が一般に流布していると考えてよいだろう。はたしてそのような解釈は妥当だろうか。結論から先に言えば、9条の解釈は字句の問題ではなく、歴史的事実の認識の問題なのである。 芦田修正の意味と極東委員会の反応 私は...
高市氏に期待するリアリズム外交 湯浅博(国基研企画委員兼研究員)
自民党の高市早苗総裁が混迷の末に新政権を発足させると、いきなりトランプ米大統領来日の試練が待ち受けている。高市政権の誕生は、外交に尻込みした石破茂政権の宿痾を断ち切り、日本の国際的影響力を復活させる戦略的好機を迎える。筆者が期待するのは、米ソ冷戦時代にサッチャー英首相が反共政策でレーガン米大統領の尻を叩き続けたひそみに倣い、トランプ大統領を賢く、かつ狡猾に対中、対露抑止へと誘導するリアリズム外交で...
トマホーク供与中止は既定路線かTACOか 織田邦男(麗澤大学特別教授、元空将)
ドナルド・トランプ米大統領は「交渉(deal)の達人」を自称するが、強い相手には容易に譲歩しがちなことから、「TACO」(Trump Always Chickens Out=トランプはいつも最後にはしり込みする)と揶揄されている。 今年8月、アラスカで行われた米ロ首脳会談の後、トランプ氏はこれまでの主張を一転させ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、「領土奪還も可能」との見...
文民統制には制服組の信頼も大切 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
10月10日に石破茂首相は「戦後80年所感」を出した。その中で首相は、先の大戦が何故避けられなかったのかに関して「文民統制」が機能しなかったことや、世論を煽ったメディアに政治の意思決定が引きずられた点等を挙げた。 筆者は平成13年から17年まで防衛庁情報本部長に任じ、平成14年から16年までの2年間、防衛庁長官だった石破氏に仕えた。その実体験に基づき、統制される側の制服組の立場として、統制す...
北朝鮮は日朝関係を動かしたい―李イルギュ著『私が見た金正恩』書評 西岡力(「救う会」会長、麗澤大学特任教授)
10月10日、北朝鮮の首都平壌で「朝鮮労働党創立80周年慶祝閲兵式」(軍事パレード)が行われた。パレードは激しい雨の中で深夜に行われた。先月3日、中国の北京で行われた「抗日戦争勝利」記念軍事パレードでは、主席壇に習近平中国共産党総書記、プーチン・ロシア大統領と並んで金正恩朝鮮労働党総書記が立って、中ロ朝の連帯を誇示したかに見えた。ところが、10日の主席壇では習近平、プーチン両氏の姿はなく、金正恩総...

