2015年2月の記事一覧
【第287回】常軌を逸した与那国住民投票
国基研理事長 櫻井よしこ 日本西端の国境の島、沖縄県与那国島で2月22日、自衛隊配備を巡って行われた住民投票は、85.2%の高い投票率を記録した。受け入れ派が632票、反対派が445票となり、予想を超える187票の「大差」で受け入れ派が勝利した。 配備推進派には、圧勝したからには自信を持って工事を進めればよいとの声もある。しかし、そんな次元で片づく問題ではない。今回の住...
【第286回】米歴史教科書の訂正拒否を批判する
国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗 2月5日、米歴史学者19名が「学問の自由に対する脅威」を盾に、米国の高校世界史教科書(マグロウヒル社)に対する日本政府の訂正申し入れに反対する声明を出した。なぜか声明の全文は公開されていないので、韓国メディアの報道に基づいて問題点を明らかにしたい。 ●韓国メディアのデマ宣伝 まず事実関係の明白な誤りについて指摘しておきたい。共...
【第285回】密接に結び付く憲法論議と歴史情報戦
国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 2011年9月、国基研代表団が安倍晋三現首相を含む超党派議員団と訪印した際、ある元インド政府高官が発した言葉が印象に残っている。「憲法9条は日本の病気、非同盟主義はインドの病気だ。高まる中国の脅威に対抗するため、それぞれが病気を克服せねばならない」。けだし金言であろう。 ●テロ事件と国会の論議 イスラム過激派による邦人...
【第284回】諜報組織の創設を
国基研企画委員 太田文雄 今年に入って、イスラム過激派による欧州のテロ事件と日本人人質事件が発生した。これらの事件を通じて感じるのは、普通の国にはあって日本にはないインテリジェンス(諜報)組織の必要性である。 インテリジェンス源は大別するとヒューミント(HUMINT=人的情報)、シギント(SIGINT=信号情報)、ジオイント(GEOINT=地理・空間情報)、オシント(O...