公益財団法人 国家基本問題研究所
http://jinf.jp/

国基研ろんだん

島田洋一の記事一覧

 5月22日付の国基研「今週の直言」に「『トランプ弾劾』一色の報道に異議あり」と題する一文を書いた。  以下、スペースの関係で割愛した部分を若干補っておきたい。上記「直言」と併せ読んで頂けると幸いである。  コミー連邦捜査局(FBI)長官の解任は、トランプ大統領の独断ではなく、司法省からも解任を求める意見書が出されている。直言で触れたとおりである。  セッションズ司法長官が、トランプ選対の顧...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    NHKや朝日新聞など日本の大手メディアの報道では、ロシアの米大統領選介入疑惑やそれに関連した捜査妨害でトランプ米大統領が国民の信を失い、弾劾への流れが出来つつあるかのような印象操作が目立つ。しかも独自取材に基づかず、米国の3大テレビ網やCNN、ニューヨーク・タイムズといった主流メディア(ほとんどが民主党支持)の報道を、より単純化し...

続きを読む

 安倍晋三首相が5月8日、衆議院予算委員会において、「国防軍や公共の福祉、基本的人権の尊重といった自民党憲法改正草案の3点は取り下げるのか」という長妻昭議員(民進)の質問に対し、「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてあるので、熟読してもらってもいい」と答え、物議を醸した。  憲法論議を政争の具にすべきではない。素直に読んでみようと思って、インターネット上を探したが、見つからない...

続きを読む

 米トランプ政権が、オバマ政権が進めてきた二酸化炭素(CO2)排出規制の撤廃、地球温暖化対策費(国連への拠出金、大学・NGOへの公的研究扶助、途上国への財政支援等々)の全面見直しを打ち出している。その背後には、「人間活動に起因するCO2の増加が温暖化を生む」という説への懐疑がある。これは米保守派において広く共有された発想で、テッド・クルーズ、マルコ・ルビオといった他の共和党有力候補が大統領になって...

続きを読む

 インド有数の戦略家ブラーマ・チェラニー氏が、ジャパン・タイムズ(3月20日付)で対北朝鮮政策の見直しを提言していると教えられ、読んでみた。氏は国基研とも関係が深く、特にその中国論は鋭いが、この北朝鮮論には、首を傾げざるを得なかった。  ●新味なきチェラニー氏の新戦略  チェラニー氏はまず、米国による最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備は、北朝鮮や中国における攻...

続きを読む

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の日報に「戦闘」の文字があったことに絡み、稲田朋美防衛相が2月8日の衆院予算委員会で、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と説明したことを一部野党が不適切と追及し、辞任要求にまで発展した。  PKOは、紛争当事者間に停戦合意が成立していることが、日本...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    9月11日は、世界に衝撃を与えた米同時多発テロから15周年に当たった。国際テロ組織アルカイダによるこのテロの犠牲者に日本人24人も含まれているから、日本で政府主催の追悼行事や国会のテロ対策集中審議などがあってしかるべきだった。  日本人が海外のテロの犠牲になる事件は後を絶たない。2015年に別のテロ組織「イスラム国」(IS)によ...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    8月15日、バイデン米副大統領がトランプ共和党大統領候補を揶揄やゆして、「核兵器を持てない日本の憲法を我々が書いたことを彼は理解していないのか」と発言したことが、日本で話題となった。  例えば、岡田克也民進党代表は「(日本の)国会でも議論して(現憲法を)作った。米国が書いたというのは、副大統領としてはかなり不適切な発言だ」と述べ...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    「アメリカを再び偉大にしよう」を最初に米大統領選挙のスローガンに用いたのは、1980年の共和党候補ロナルド・レーガン氏であった。リベラル派はレーガン氏を単細胞で危険な人物と批判したが、今では「自由世界のリーダー」にふさわしい理念と意志を持った政治家との評価が固まった観がある。  しかし、同じスローガンを唱えるドナルド・トランプ氏...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    米大統領が主要閣僚をホワイトハウスに招集し、増税を含む経済政策について日本の首相ブレーンから教えを請い、その姿をメディアに大きく報じさせるなどというのは、およそあり得ない光景だろう。ところが日本ではそうではない。  5月19日、オバマ政権下で経済諮問委員長を務めたクリスティーナ・ローマー教授(カリフォルニア大学バークレー校)の夫...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    誤解の余地がないよう最初に断っておくが、米共和党大統領候補として今や本命視されるドナルド・トランプ氏は政治家として全く評価できない。不快極まりない暴言も多い。しかし、その発言中、正論と言うべき部分については、日本としてしっかり受け止め、然るべき対応を取るべきだろう。  トランプ氏は3月26日のニューヨーク・タイムズ紙とのインタビ...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一     夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法違反かを問う訴訟で、最高裁判所大法廷が11月4日、当事者双方の意見を聞く弁論を開き結審した。年内にも判決を言い渡す見通しという。同規定の是非にはここでは立ち入らない。注意したいのは、原告側が「改正の動きを見せない国会には期待できず、最高裁が救済してほしい」と強調している点である。国連の女子差...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    9月3日、中国政府主催の「抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年」軍事パレードが北京で行われる。かつて自由と民主化を求める多くの若者の血を吸った天安門広場で、他ならぬ人民解放軍が軍靴を響かせる様子を観閲することは、ユダヤ人強制収容所のあったアウシュビッツでネオナチが行進するのを黙って見過ごすのに似ている。ロシアと韓国を除く主要...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    集団的自衛権の行使に道を開こうとする安倍晋三首相の姿勢は間違いなく正しいが、連立与党内の妥協や国会対策上の考慮から、自衛権行使における重要要素を毀損しかねない答弁が幾つか見られる。そして、その「誤り」を問題としない国会の状況も異様と言わねばならない。  ●敵基地攻撃は永遠に米国頼みか  6月1日、集団的自衛権の行使によって...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    安倍首相は米紙ワシントン・ポスト2015年3月26日付のインタビュー以来、旧日本軍の慰安婦について、「人身売買の犠牲となって筆舌に尽くしがたい思いをした方々のことを思うと、今も胸が痛む」との言い方を用いている。この「人身売買」はhuman traffickingと英訳されている。human traffickingについては、国連総...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    自衛隊の支援団体が出す機関紙「隊友」最新号(4月15日付、第732号)に載った記事を読んで、唖然とした。北大西洋条約機構(NATO)事務総長特別代表(女性、平和、安全保障担当)補佐官の肩書を持つ栗田千寿2等陸佐の連載コラムである。NATO本部(ブリュッセル)のオフィスに来訪したスリランカ人の法律家ラディカ・クマラスワミ氏との面談の...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    「どこであれ政治指導者が、かつての敵をけなして安っぽい喝采を得るのは簡単だが、そうした挑発は麻痺を生むだけで進歩は生まない」という、慰安婦問題を例に挙げてのウェンディ・シャーマン米国務次官の発言(2月27日)を、朴槿恵大統領への批判と捉え、韓国のメディアや政界が強く反発した。  ●示唆的な中国御用学者のコラム  一方、中国...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    韓国の朴槿恵大統領が3月1日、恒例の独立運動式典の演説で、「日本が勇気を持って率直に歴史的事実を認め」、元慰安婦たちの「名誉回復」のための措置を取るよう(何百回目かの)要求を行った。しかし、困窮から苦界に身を沈めた女性たちに同情こそすれ、彼女たちを侮蔑するような日本人は、少なくとも私の周りにはいない。すなわち、貶めてもいない「名誉...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    2011年9月、国基研代表団が安倍晋三現首相を含む超党派議員団と訪印した際、ある元インド政府高官が発した言葉が印象に残っている。「憲法9条は日本の病気、非同盟主義はインドの病気だ。高まる中国の脅威に対抗するため、それぞれが病気を克服せねばならない」。けだし金言であろう。  ●テロ事件と国会の論議  イスラム過激派による邦人...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    1月17日、安倍晋三首相がエジプトを訪れ、シシ大統領と首脳会談を行った。「世界で起きている過激主義の流れを止めねばならない」と述べた首相に対し、大統領も「治安、安全保障に関わる問題であり、しっかり対応していきたい」と応じた。日本側は、国境管理強化やインフラ整備などを中心に経済支援を約束している。よいタイミングだったと思う。 ...

続きを読む