2013年9月の記事一覧
【第214回】JR北の安全軽視は断じて許さない
国基研理事・元民社党委員長 塚本三郎 旧国鉄名古屋鉄道局職員として青年期を過ごした私は、やがて国会議員となって、国鉄の改革と民営化に熱心に取り組んだ。日本の鉄道が世界一安全であることを誇りに思うとともに、27兆円もの赤字が積み重なった国鉄のJR各社への分割・民営化で経営改善の道筋を付けた「一国会議員」としての自負心は失いたくない。 それだけに、JR北海道の脱線、出火...
【第213回】科学と理性に基づく原発政策を
国基研理事長 櫻井よしこ 原発に向き合う上で大事なのは、科学と理性に基づく姿勢である。民主党は科学を捨て去り、専ら感情を以て原発事故に対処し、およそすべての点で失敗した。自民党は民主党の犯した過ちを根本的に改めるべき立場にある。安倍晋三首相の発するメッセージも科学的かつ合理的であることが求められている。 東京電力福島第1原発の5号機及び6号機の廃炉要請という首相の9...
【第212回】中国の腐敗、根源は共産党独裁
産経新聞前中国総局長 伊藤正 中国共産党が腐敗問題で揺れている。今年11月には第3回中央委総会(3中総会)を開き腐敗対策を討議するが、権力闘争も絡んで、有効な対策は打ち出せそうもない。昨年秋に成立したばかりの習近平(党総書記・国家主席)政権には、試練の秋になりそうだ。 ●習氏の指導力に限界 習政権が昨年末に開始した腐敗撲滅キャンペーンは、今年2月の「トラもハ...
【第211回】守るべき日本社会の基礎単位「家族」
自民党参議院議員 山谷えり子 結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法の規定に対し、最高裁大法廷は9月4日に「違憲」とする判断をした。 菅義偉官房長官は「立法的手当ては当然だ。できる限り早く対応すべきだ」と述べ、谷垣禎一法相は「違憲判断を厳粛に受け止め、判断内容を精査したうえで必要な措置を取りたい。決定の趣旨を踏まえ、...
【第210回】シリア攻撃へ腰が引ける米政権
国基研副理事長 田久保忠衛 シリアが世界中を敵に回すと言っていいような化学兵器をなぜ使用したのか、いささか疑問は残るが、オバマ米大統領はしかるべき調査の結果、シリアを攻撃する決断を下すのだろう。 しかし、その攻撃には、2003年のイラク攻撃の時に二人三脚で戦った英国もNATO(北大西洋条約機構)軍も参加しない。米国と共に行動すると約束しているフランスですら、世論には...