2015年1月の記事一覧
【第283回】「人命第一」でテロに対抗できるか
国基研副理事長 田久保忠衛 1977年に発生した日本赤軍の日航機ハイジャック事件で、福田赳夫首相は「人命は地球より重い」との迷台詞をはいて600万ドルを支払ったうえに、犯人たちを国際社会に放ってしまった。イスラム過激派組織の「イスラム国」とみられるグループが日本人二人を人質に取った事件はいま進行中だが、「人命第一」を唱える日本中の大合唱は四十年前の状況と全く変わっていない...
【第282回】仏テロ事件の本質を見誤るな
国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 1月17日、安倍晋三首相がエジプトを訪れ、シシ大統領と首脳会談を行った。「世界で起きている過激主義の流れを止めねばならない」と述べた首相に対し、大統領も「治安、安全保障に関わる問題であり、しっかり対応していきたい」と応じた。日本側は、国境管理強化やインフラ整備などを中心に経済支援を約束している。よいタイミングだったと思う。 ...
【第281回】情報戦勝利へ国際広報が急務
国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗 昨年末、慰安婦問題の調査のため渡米し、全米8か所の慰安婦碑・像の調査を完了するとともに、高校の歴史教科書と授業について3名の高校生とその母親からヒアリングを行った(1月8日付産経新聞「『40万人犠牲』米高校試験に」参照)。その内容をニューヨーク総領事に面会して伝えるとともに、対応策などについて意見交換をした。 ●米教科書に捏造写真...
【第280回】米中と対等な関係を築く1年に
国基研理事長 櫻井よしこ 戦後70年の今年を、強い思いを抱いて日本の展望を開く1年としたい。 早春から初夏にかけて、純国産ステルス戦闘機の実証機「心神」及び中型の民間航空機「MRJ」が日本の空を美しい姿で飛ぶはずだ。戦後7年間、航空機を造ることを禁じられ、その後もさまざまな制約を受けてきた日本の航空産業が、いまようやく羽ばたこうとしている。そのことに日本再生の一事例を見...