2013年2月の記事一覧
【第182回】首脳会談を弾みに果断な実行を
産経新聞特別記者・国基研企画委員 湯浅博 日米首脳会談でみせた安倍外交が、「周到な準備」と「一気の決断」で、オバマ大統領から満額回答を引き出したことを高く評価する。安倍晋三首相の積極姿勢が日米同盟の「きずな復活」を強く印象づけ、対中抑止力を確かなものにした。 ●TPP参加へ環境整う 安倍首相にとっての難関は、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉...
【第181回】 「日本にも核オプションあり」と言ったらよい
国基研企画委員・研究員 冨山泰 北朝鮮が2月12日に3度目の核実験を強行したことに対し、オバマ米大統領の演説や発言からは、北朝鮮の核武装を何としても阻止するという強い意志が伝わってこない。北朝鮮に核兵器を放棄させることを既にあきらめ、「核武装した北朝鮮」にどう対処するかに早くも関心が移ったのではないかと思えるほどだ。 ●米は北の核武装阻止を断念? ホワイトハウ...
【第180回・特別版】 北朝鮮の核武装を許してはならない
国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 2月12日、北朝鮮が核実験を強行した。国連安保理決議に対する明白な違反であり、国際社会への許し難い挑発行為と言える。 北朝鮮はかつて核拡散防止条約(NPT)に加入し、核保有国から核技術の支援を受けた。その後、一方的にNPT脱退を宣言して核武装を進めた。NPTに最初から入っていないインドやパキスタンと異なる。北朝鮮のようにNP...
【第179回】 日本は国土防衛の強い意志を示せ
川村純彦研究所代表・国基研客員研究員 川村純彦 尖閣諸島周辺の東シナ海における中国の攻勢は、実効支配の既成事実化を狙う中国公船の度重なる領海侵犯に加えて、領空侵犯から更に海上自衛隊護衛艦に対する射撃管制レーダーの照射へと、エスカレートを続けている。 東シナ海への米海軍の進入を拒否し、或いは外洋での接近を阻止することは、中国にとって南シナ海を聖域化して、米本土を狙えるミ...
【第178回】 米中間で日本も覚悟の時期に
国基研副理事長 田久保忠衛 旧同盟通信の上海支局長時代に、蒋介石が張学良に監禁された西安事件の世界的大スクープをものにし、戦後は初代の国際文化会館理事長になった松本重治氏が「日中関係は日米関係なのだ」と言っていたのを思い出す。戦前から現在に至るまで、日米中3カ国には一貫して政治力学が働いている。中国だけ、米国だけ、日本だけを観察していては、風がどの方向に吹いているのか見当...