公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

太田文雄の記事一覧

国基研企画委員兼研究員 太田文雄    トランプ米大統領と習近平中国国家主席は27日、電話会談を行い、新型コロナウイルス対策で協力していくことで合意した。しかし、コロナウイルスという共通の脅威が存在しても、米中間では台湾や南シナ海をめぐって軍事的な対立が激しさを増している。当面の協力に目を奪われることなく、複眼的に米中関係を捉える必要がある。  ●台湾周辺で高まる軍事的緊張...

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 空席となっていた駐日米国大使に米ハドソン研究所所長のケネス・ワインスタイン氏が指名された。上院の承認を得て正式就任する。ハドソン研究所は国家基本問題研究所(国基研)の設立以来、シンクタンクの米国側カウンターパートとなってきた。氏の駐日大使指名を歓迎したい。  ●言論の自由に敏感な反応  国基研が設立して間もない2009年に正副理事長と企画委員2名の計4名でハドソン研究所を訪問、櫻井よしこ...

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 中国政府の発表によれば、このところ武漢ウイルスの感染患者数が激減し、ついに3月18日には湖北省で新規感染者はゼロになったという。この数値を信じる人は少ないと思うが、どうしてこのような結果となるのか、そのからくりを筆者の知人に送られてきた中国国内の医師の怒りのメールによって披露したい。  ●「陽性」基準を次々と変更  日本を含め、世界ではPCR(Polymerase Chain React...

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 中国の習近平国家主席が10日、新型コロナウイルス発生後初めて武漢を訪れ「中国政府が事態を収束させた」とのメッセージを発した。しかし、発生直後の隠蔽によって約2カ月も対応が遅れたことにより、これだけ全世界に蔓延させて迷惑をかけたことへの謝罪の言葉は一切なかった。  香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」(電子版)は13日、中国政府の非公開情報によると感染は11月17日には起きていた可...

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 今回の新型コロナウイルス対策で、日本政府が初動に失敗した最大の原因は、中国に忖度した発言ばかりしている国際機関の世界保健機構(WHO)を信じ過ぎたことである。  世界にウイルス患者が蔓延し始めた1月末の段階で、WHOのテドロス事務局長は緊急事態宣言を躊躇った。しかし、国際機関を信用していない米国や台湾、それにオーストラリアは、その時点で全ての中国人の入国を禁止した。現在WHOの調査チームが中国...

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 これまで新型コロナウイルスの震源地は、武漢の海鮮市場だとばかり思っていたが、最近の報道ではそうでないとする報道が多い。2月10日の「直言」では国基研の細川昌彦企画委員が、武漢が軍民融合を掲げる中国の産業政策「中国製造2025」の拠点であることを指摘した。筆者は、2015年末から習近平政権が行ってきた人民解放軍改編にとって武漢の意味合いについて紹介し、今回の新型コロナウイルスの発生源について考察し...

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 今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた人を隔離させる上で、諸外国の軍人と日本の自衛隊員に対する処遇の違いが目についた。  米国やブラジルでは、感染リスクを最小限に抑えるため乗客の帰国に当たってチャーター機を軍の基地に着陸させ、一時隔離についても軍の宿泊施設を使っている。日本でも、そうした措置が検討されたが、自衛隊の居住施設は大部屋でトイレ・浴...

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 新型コロナウイルスの世界的拡散は中国の「一帯一路」政策とも関係している。一帯一路政策は、労働力も現地の労働者を使って現地の経済を潤すことはせず、中国本土から囚人まで現地に派遣する等の方法をとっている。このため春節等で一度中国本土に帰った労働者達がウイルスを現地に持ち帰って、感染を拡大する結果にも陥っているという。  ●一帯一路の拠点にウイルスは拡散  12日の米紙ニューヨーク・タイムズ(...

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 我々が初等教育を受けた時、「非科学的な神話ではなく科学的な史実に基づいた歴史を」と先生から教わった。戦前の歴史教育が科学的な根拠に乏しい神話に基づいていることに対する戦後教育の反動であった。  しかし当時の人達が、古事記に代表されるような神話に基づいて思考していたことは事実である。時を経るにつれ、古事記の擬人化された表現の中に散りばめられた戦略・情報観が含まれていることを知るにつけ、建国記念日...

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 米イラン関係が厳しい中、自衛隊が中東に派遣される。このような情勢からテレビではイラン問題に関して多くの専門家が意見を述べているが、その中で決定的に欠落している点がある。それは、日本の喫緊の脅威となっている北朝鮮とイランは軍事技術の交流で極めて緊密で、イランは北から兵器を購入して外貨獲得に便宜を図り、日本に間接的に脅威を与えているという点である。  ●なぜ触れぬ北朝鮮との軍事協力  1月1...

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 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎患者が、中国のみならず日本、韓国、台湾、米国でも確認されている。こうした感染症の対策として最も大切なことは「情報の透明性」である。中国での新型ウイルス肺炎蔓延をNHKの海外放送が報じた時、中国では画像が真っ暗になって消されてしまった。中国政府が記者会見を行ったのは、21日の習近平主席指示を受けて22日になって初めてである。  一党独裁の国...

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 19日で日米同盟が60周年の還暦を迎えた。50周年の2010年1月には、日米修好通商条約批准のために江戸幕府が派遣した訪米使節団が宿泊したワシントンDCのウイラードホテルで、米戦略・国際問題研究所(CSIS)主催の記念セミナーが行われ、筆者も参加した。  当時は、鳩山由紀夫首相の普天間飛行場移設先に関する「最低でも県外」発言や、インド洋で燃料補給活動に従事していた海上自衛隊の撤退などに対する米...

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 昨年、『核武装と知識人—内閣調査室でつくられた非核政策—』(岸俊光著)が勁草書房から出版された。現在の日本の核政策は、1964年の中国初の核実験を受け内閣調査室が識者を結集して纏め上げたとする内容である。  中でも、核政策の骨幹となったのは、内閣調査室の機関紙『調査月報』が1970年5月に巻頭論文として掲載した「日本の核政策に関する一考察」(以下内調論文とする)で、作成の中心は「カナマロ会」、...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    10日、河野太郎防衛相は海上自衛隊の護衛艦と哨戒機に中東海域への派遣命令を出した。  米イラン関係の緊張の高まりを受け、大半の野党は派遣に反対するが、日本の原油輸入量の約9割を依存する中東海上交通路の安全確保に日本が参画しなくて良いのかという疑問には答えない。  米国は中東への軍増派を決めた。日本が「安保ただ乗り」をしていれば、いつ再び...

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 『孫子の兵法』火攻篇第十二に「「主は怒りを以って師(戦争)を興すべからず。将は慍いきどおりを以って戦いを致すべからず。利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止まる。怒りは復た喜ぶべく、慍りは復た悦ぶべきも、亡国は復た存すべからず、死者は復た生くべからず。故に明主はこれを慎しみ、良将はこれを警む。此れ国を安んじ軍を全うするの道なり」とある。  トランプ大統領は、年末にイラクへのロケット弾攻撃で殺...

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 23日の中韓首脳会談で、韓国の文在寅大統領は中国の習近平国家主席に「香港やウイグルの問題は中国の内政」「(トランプ米政権を念頭に)保護主義や一国主義は世界を撹乱」「一帯一路への連携協力を模索する」と述べた。  文大統領の発言は、米国の方針とは一線を画し、中国に擦り寄る姿勢を鮮明としたものと言わざるを得ず、これが米国の同盟国かと耳を疑う。  文大統領は韓国で有名な人権弁護士だったというが、単な...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    11月23日、ローマ教皇フランシスコは日本へ向かう機中から中国、台湾、香港の指導者にメッセージを送った。香港ではキリスト教信者の一部が大規模デモの人道的解決へ向けて教皇の介入を求める署名活動を行っていたにもかかわらず、教皇は香港で抗議活動をする人達に言及しなかった。また、欧州国家のうちバチカンのみが外交関係を持つ台湾に対しても、儀礼的なメッ...

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 1週間ほど前、朱建栄東洋学園大学教授はBSフジの番組で香港での大学立て籠もりを、昭和44年1月の東大紛争における安田講堂封鎖解除事件と同一視する発言をした。  しかし、最も香港の民意が反映されるとして注目されていた今回の香港区議会選挙は、投票率が過去最高を記録するとともに、民主派が総議席の85%を獲得して圧勝した。安田講堂立て籠もりが、過激な極左学生集団による事件として全く国民から支持されなか...

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 韓国が日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)からの脱退を踏みとどまったが、親北・親中で日米とは距離を置く根本的な構造に変化はなく、文在寅政権が続く限り米韓同盟の弱体化という問題は解決しない。  米国は、在韓米軍の駐留経費分担の大幅増額を韓国に迫り、交渉を開始したが、交渉は80分で決裂した。在韓米軍はカーター政権で撤退が検討され、やはり親北の盧武鉉政権時代に米陸軍第2歩兵師団の1個旅団がイ...

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 香港で起きているデモについて中国外務省の華春瑩報道官は数ヶ月前、「明らかに外国勢力が背後で糸を引いている。米国は早く香港への魔手を引っ込めるよう忠告する」と述べた。これを受けるように12日の中国共産党機関紙「人民日報」系の「中国日報」(英語版)は、操られた人形が火炎瓶と血塗られたナイフを持って香港の将来を脅かしているとする風刺画を掲載した。また「デモ参加者達は金をもらっている」という偽情報もSN...

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