公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

太田文雄の記事一覧

 3月19日から1週間、米国の海軍大学院(カリフォルニア州)、ミシガン大学、マイアミ大学、空軍大学(アラバマ州)で、「北東アジアの安全保障情勢:日本と同盟国への影響」と題して講演した。北朝鮮の挑発、中国の軍事的膨張、ロシア軍の極東における活動の活発化に対する対抗策として日米豪印の4カ国協力構想を説明したのであるが、全ての講演場所で出た質問は「(協力構想には)何故韓国が入らないのか?」であった。特に...

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 3月7日、国家基本問題研究所とインドのシンクタンクであるヴィヴェカナンダ国際財団との定期意見交換会が東京・永田町の国基研で行われた。日本側は日米印豪の4カ国協力に関して発表したが、インド側は中国の「一帯一路」に関する発表を行い、彼らがこの構想に相当な警戒感を抱いていることがあらためて明らかになった。  筆者は5日の「今週の直言」欄で、中国の「一帯一路」は、実は「六帯三路」であることを指摘した。...

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国基研企画委員 太田文雄    1日のBSフジの中国軍近代化に関する番組に、陸海空3自衛隊の元将官1人ずつが登場した。陸上自衛隊の元将官がBSフジの用意した中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の地図を補完して、陸路の「一帯」には①モンゴル~ロシア②中央アジア~西アジア③新ユーラシア・ランドブリッジ(横断鉄道)④インドシナ半島回廊⑤パキスタンのグアダル港に至る経済回廊...

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 平昌オリンピックを巡る北朝鮮の韓国取り込み戦術に対して、河野太郎外務大臣は「北朝鮮の微笑外交に目を奪われるな」と発言している。しかし、それは日本の対中国外交でも心がけるべきことだ。  そんなことを考えたのは、日本の安全保障を司る政府高官から最近、「中国の王毅外相が、ニコニコ笑って対応して来たよ」という話を聞いたからだ。  モンゴル出身で、一昨年、国基研日本研究賞を受賞した静岡大学教授の楊海英...

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 米国防総省が先ごろ公表した「核態勢の見直し(NPR)」について、国際政治学者の三浦瑠麗氏が、2月14日付の産経新聞「正論」で、「日本政府が今般の見直しを拡大抑止の強化だとして歓迎したのはおかしい」と書いている。  その理由として氏は、NPRの背景には「海外へのコミットメントに疲れた米国政治の本音が色濃く反映されている」と指摘し、「圧倒的な通常兵力による日本防衛への関与を下げたい米国政界の本音が...

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 13日の「ろんだん」で「中国の情報戦に鈍感すぎる日本」を書いたが、中国政府肝煎りの文化機関「孔子学院」や中国製の通信機器によるスパイ活動が疑われていることについて、米国内で警戒と批判が広がっている。 日本時間の14日に行われた米上院情報委員会において、マルコ・ルビオ上院議員が「孔子学院や、華為(Huawei=ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)といった中国メーカーの通信機器が米国内でスパイ活動を...

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 前回の米大統領選挙にも出馬した共和党のマルコ・ルビオ上院議員は5日、州内の4大学1高校に対し、中国政府肝煎りの文化機関「孔子学院」を閉鎖するように呼びかける書簡を送った。  また7日には、ルビオ議員とともに共和党のトム・コットン上院議員が連名で、人民解放軍系のIT企業である華為(Huawei=ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信機器を米政府が購入・リースすることを禁止する法案を提出した。本...

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国基研企画委員 太田文雄    トランプ米政権が昨年12月に公表した「国家安全保障戦略」(NSS)、今年1月の「国家防衛戦略」(NDS)、そして今月の「核態勢見直し」(NPR)という一連の戦略文書を総括してみると、トランプ大統領自身が署名したNSSの巻頭言を除けば、中長期的視野に立った極めて堅実な戦略体系になっていると言える。    ●NSS巻頭言の問題点  トランプ大...

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 米国防総省は2日、今後5~10年の新たな核政策の指針となる「核戦略体制の見直し」(Nuclear Posture Review-NPR-)を公表した。  2009年4月のプラハ演説で、「核なき世界を目指す」として、同年のノーベル平和賞を受賞したオバマ前米大統領は、2010年のNPRで「非核攻撃抑止における核兵器の役割を削減する」とし、「米国は海軍水上艦艇と汎用潜水艦からの核兵器を含め、太平洋地...

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 マティス米国防長官は19日、ワシントンで演説し、トランプ政権で初の「国家防衛戦略」を公表した。長官は「アメリカの国防の第一の関心事は今やテロではなく大国間の競争だ」と述べた。  演説は筆者の母校でもあるジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院で行われたが、これを聴いた友人は「鉄のカーテン崩壊以来、中国、ロシアに対する注意を振り向けてくれた」との感想メッセージを送ってくれた。  同日、国...

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国基研企画委員 太田文雄    中国人民解放軍海軍の潜水艦が11日に沖縄県尖閣諸島の大正島周辺の接続水域を潜行したまま航行した。フリゲート艦も随伴した。最近の中国は広域経済圏構想「一帯一路」に日本を取り込みたいためか微笑外交を重ねてきたが、一方で尖閣の領有を企図した軍事行動を活発化していることに我々は目をつむるべきではない。  今回の航行目的の一つは、日本の潜水艦探知能力を...

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 海上自衛隊の空母保有は長年の願望であった。筆者が知る限り1980年代からその願望があったが、2つの制約要素があった。1つは憲法上の制約、もう1つは米国(米海軍)の反対であった。  後者に関して言えば、現在の「ひゅうが」型が構想された1990年代に、米海軍には「はるな」型ヘリコプター搭載艦の後継として、災害対策にも使用するため搭載ヘリ数を増加させると説明していた。  ●攻撃型空母には該当せ...

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 トランプ米政権下の国家安全保障戦略(National Security Strategy-NSS-)が18日、公表された。大統領の巻頭言で先ず気付かされたのは経済最優先の姿勢である。優先順位は「経済」を第一に、「軍の再建」「国境防衛」「主権保護」が続き、これまでのNSSが優先的に掲げて来た「自由・民主主義」や「人権」といった価値観は5番目に列せられている。  巻頭言では、ならず者国家としての北...

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 防衛省が離島防衛などに巡航ミサイルを導入する方針に対して、早速野党は「専守防衛に違反する」として反対を唱えている。しかし、長射程巡航ミサイルを保有せずに、占領された島嶼を奪回しようとしたり、イージス艦の防護に当たったりするのは自衛隊員に「特攻作戦」を強いることに等しい。その同じ野党は2年前の安全保障関連法案の国会議論では、自衛隊活動拡大に伴う自衛隊員の安全確保の観点から反対した。矛盾してはいない...

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 国家基本問題研究所と台湾安全保障協会の両シンクタンクによる第2回日台交流会議が12月7日、台北で行なわれ、筆者も参加した。  今回は、本年10月に米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」から出版された『The Chinese Invasion Threat(中国侵略の脅威)』について意見交換を行なった。  同書によれば、「2020年までに中国は台湾侵攻の準備を終える」とされ、産経新聞が本...

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 小野寺五典防衛相が8日の記者会見で、長距離巡航ミサイル導入の関連予算を平成30年度予算案に計上する方針を正式に表明した。筆者は本欄や『今週の直言』で何度も導入の必要性を訴えてきたので、「ようやく」という感想である。ただ、現在の議論に欠落していると思われる点があるのでそれを指摘したい。  ●目標捜索、インテリジェンスは?  通常、こうした作戦の流れは、先ず捜索して目標を特定、攻撃し、その後...

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国基研企画委員 太田文雄    11月29日、北朝鮮の国営報道は「米本土全域を攻撃できる新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星15号の発射実験に成功した」とし、「我々が目標としたミサイル兵器体系開発の完結段階に到達した」と報じた。しかし、今回の発射は通常より高く打ち上げるロフテッド軌道で行われており、通常軌道での発射実験はまだであることから「完結段階に到達」と結論づけるのは早い...

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 北朝鮮の兵士が板門店から韓国に亡命し、国連軍は22日、監視カメラの画像を公表した。  報道によれば、兵士は亡命の際に銃撃され韓国側の手当てで一命は取り止めたが、一連の救命手術で、兵士の消化器官からは数十匹の寄生虫が摘出された。長いものでは30cm近くもあったという。  北朝鮮軍でもエリートを配しているとされる板門店の警備兵ですら、過酷な衛生状態に置かれていると推測される。北朝鮮の衛生状況は、...

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 北朝鮮をめぐる緊張が続く中、12日から日本海で3個米空母機動部隊と海空自衛隊による4日間の共同演習が始まった。戦争になれば双方ばかりか、日韓両国も甚大な被害を被ることになるから、その可能性は低いと推測する人達が多い。しかし、戦争は「誤算」「錯誤」そして「勢い」によって生起することがままある。約百年前、サラエボの銃弾一発によってその後4年にわたる戦争と数千万人の犠牲者を一体誰が予測したであろうか。...

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 米上院は2016年12月、ポートマン-マーフィー(Portman-Murphy)・カウンタープロパガンダ法(プロパガンダ対策法)を可決した。この法律はオハイオ州共和党のポートマンとコネチカット州民主党のマーフィーの両上院議員が超党派で提出した。ロシアや中国、そしてイスラム国が流布する偽情報に対抗するため、海外関与センター(Global Engagement Center)を国務省内に設立。国防総...

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 中国国営通信、新華社の英文ウェブサイトは8月29日付で「米国の主要シンクタンク、ランド研究所が中国政策研究のため300万ドルを受領」とする記事を掲載した。  昨年1月には、同研究所の分析官が「尖閣をめぐる日中戦となれば日本は5日で敗北する」との衝撃的なシミュレーション結果を発表して話題を呼んだ。ほぼ同じ頃、ハドソン研究所の研究員2人も、よく似た内容のレポートを公表している。  この直後、「言...

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 北朝鮮は「核爆発によるEMP(電子パルス)攻撃能力を手にした」と威嚇、我が国の対策が問われている。  ●北のEMP攻撃で甚大な被害も  元来、EMPは落雷によって電子機器が使えなくなる状況と同じである。EMP防護のためのスペックを、保有している電子機器に加えるとなると莫大なコストが必要になるが、簡単な防護方法は落雷同様、コンピューターの電源を抜く、あるいは携帯の電源をOFFにすれば良いだ...

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国基研企画委員 太田文雄    平成30年度予算案の概算要求で、防衛予算の要求額が過去最大の5兆2551億円となった。しかし、防衛省概算要求資料の過去の推移グラフを見ると、防衛予算は平成15年度から24年度まで10年連続して減少し、平成25年度から微増に転じてやっと平成14年度のレベルに戻ったにすぎない。早速、中国外務省は「高い警戒に値する」と表明したが、1989年以降、数年前ま...

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 北朝鮮は29日早朝、西岸から中距離弾道ミサイルを発射、ミサイルは北海道上空を通過して太平洋上に分離して落下した。数日前には短射程の弾道ミサイルを数発、日本海に向けて発射したばかりだ。危険極まりない挑発行為であり、断じて許すことはできない。  北朝鮮は8月上旬、中距離弾道ミサイル「火星12号」4発をグアム島周辺に包囲射撃すると予告、これに対してトランプ大統領は「世界が見たこともないような炎と怒り...

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 6月、伊豆半島沖のフィッツジェラルドに引き続き、今月21日には、マラッカ海峡で米イージス駆逐艦ジョン・S・マケインが衝突事故を起こし、多くの死傷者、行方不明者が出た。死傷した米海軍水兵には心からのお悔やみ、お見舞いを申し上げたい。行方不明者についても一刻も早い救出を望みたい。  一連の事故の原因については、サイバー攻撃の可能性も指摘されている。両艦とも最新のイージス艦であるが、航法についてはハ...

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 NHKが8月13日に放映したドキュメンタリー番組『NHKスペシャル731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』について、中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」系のタブロイド紙「環球時報」は、8月16日から3日連続で取り上げるという異例の報道ぶりだった。特に16日の報道では、NHKと書かれた背広を着た人物が曇ったガラス戸を綺麗に拭っているイラスト画まで使っている。  731部隊は細菌戦研究を...

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 昨年7月26日付の本欄で、「ウクライナは虐められているだけの国か?」と題して、ウクライナから中国に莫大な兵器輸出が行われていることを書いた。その中で筆者は、一昨年7月に東京で開かれた国際会議で、その事実を当時のウクライナ第一副外相、ナタリア・ガリバレンコ女史に問い質したところ彼女は「知らない」と回答を拒んだことも併せて紹介した。今回、国際戦略問題研究所(IISS)の専門家が北朝鮮の新型ICBMエ...

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 北朝鮮が、グアム島周辺の海上を狙って弾道ミサイル(火星12号)4発を同時発射する計画を検討中だと発表してから、上空通過するとされた中国・四国地方に、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC-3)が4基、日本海には海上自衛隊のイージス艦がそれぞれ配備された。島根・広島・愛媛・高知4県の知事は13日、政府に発射への対応強化を緊急要請するため、相次いで上京した。国民は、弾道ミサイル防衛が期待通りの...

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国基研企画委員 太田文雄    平成29年版の防衛白書が公表された。読んでみて、第一部の「わが国を取り巻く安全保障環境」と第二部の「わが国の安全保障・防衛政策と日米同盟」が乖離しているという印象を受けた。  ●グレーゾーンへの備えは十分か  第一部では第1章の「概観」で「(純然たる平時でも有事でもない)グレーゾーンの事態が増加・長期化」と明記され、第2章第4節の「ロシ...

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 「郷間」と「内間」とは『孫子の兵法』用間篇第十三に出てくる5つの種類の「間」(間諜:Secret Agent)の最初の2つである。「郷間」とは現地に土着して情報を齎もたらす間諜、「内間」とは相手側に内通している間諜である。  ●『孫子の兵法』にみる「間諜」の具体例  日本は中国国内の土地・建物を取得することができないにも拘らず、日本では中国資本による国土の買収が続いている。7日から8日に...

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 28日深夜、北朝鮮が再び大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。ミサイルは、いずれもこれまでで最大最長の時間、高度、距離を飛翔し、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した。これまでICBMとは認めていなかった中露も認めざるを得なくなるであろう。  軍事的に見れば、深夜でも発射できる全天候型の実戦的能力を示威したことになる。北朝鮮にとってみれば、前回7月4日の発射だけでは大気圏再突入...

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 中国とロシアの両海軍は22日、バルト海で合同軍事演習の開幕式を行なった。演習は第1部と2部に分かれており、今回は第1部。第2部は9月中旬に日本海とオホーツク海で行われるというから穏やかではない。  これまで中国共産党は、まず主敵を定め、それに協力できる国・勢力と「統一戦線」を組み、主敵が衰退した後に、統一戦線を組んできた相手を攻撃するという歴史を重ねてきた。  ●主敵の敵と組んで戦わせ疲...

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 22日、電磁式カタパルト(射出機)を装備した最新鋭の米原子力空母「ジェラルド・R・フォード」が就役した。電磁式カタパルトは、これまでの蒸気式カタパルトに比して航空機の発艦出撃回数が大幅に改善される。  一方で4月26日、中国海軍は空母の2番艦を進水させた。旧ソ連製の1番艦「遼寧」と比べると、レーダーには機械的ではなく電子的に回転し、広範囲をカバーする高性能の「フェーズド・アレー・レーダー」を装...

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 7月2日に中国海軍の調査船が、通常と異なるルートで津軽海峡の我が国領海に侵入したのに続き、15日には中国海警局の船が、対馬海峡東水道の領海に2回にわたって一時侵入した。17日、この同じ海警の公船2隻が、今度は津軽海峡の領海に2回にわたって一時侵入した。一連の領海侵入は何らかの明白な意図の元に行われていると見るべきだろう。  国際海洋法条約では他国の排他的経済水域(EEZ)では勿論のこと、領海内...

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 産経新聞などの報道によると、北朝鮮や中国の漁船が、日本の排他的経済水域(EEZ)である日本海の大和堆やまとたいで違法操業を続け、取締りの水産庁船に対し、北朝鮮漁船が小銃の銃口まで向けたという。  筆者は青森県大湊を母港とする護衛艦の艦長に任じていた時、佐世保に向かう際には常に大和堆で漁船を避けつつ航行に苦労した体験から、この辺が好漁場となっていることを認識している。  武器を携行して国から報...

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 7月11日、ドイツのアデナウアー財団と米テンプル大学が共催した「2017年のアジアとヨーロッパにおける安全保障チャレンジ」会議が都内のホテルで開かれ、筆者は「孫子の兵法に基づく中国の海上ハイブリッド戦」の講演を行った。  ハイブリッド戦とは、住民の自決権などを名目に民兵を装った特殊部隊を駆使し、正規軍によらず領土拡大の成果を得ていく作戦形態を指す。ともすると、ウクライナ紛争のようにロシアの専売...

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 敢えて7月4日の米独立記念日に合わせて北朝鮮は高高度で打ち上げるロフテッド軌道により大陸間弾道弾(ICBM)を発射、成功させた。  6月19日付の「ろんだん」で筆者は次のように指摘した。 「北朝鮮は4月15日に行なった軍事パレードで新しく登場させた弾道ミサイル5種類のうち、既にKN-17は4月29日に、火星12号は5月15日に、北極星2号は5月21日に、それぞれ発射・成功させた。残る2種類は...

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 6月28日、内閣府と青山学院大学が共催する「国際平和協力法25周年記念公開シンポジウム」に参加した。  元国連事務次長の明石康氏の「グローバルな枠組みの中でこそ初めて平和が享受できる」という主張は、一般論としては納得できるものの、南スーダンのように指導者間の内紛で治安が悪化している場所に何故貴重な自衛官の生命の危険を晒してまで派遣しなければならないのか理解できない。  ●派遣人員の3倍は...

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国基研企画委員 太田文雄    6月20日、米下院軍事委戦略戦力小委員会は2018年度国防授権法案の最終原案で、ロシアが2月に欧州へ配備した巡航ミサイルSSC8を中距離核戦力(INF)条約違反と認定、1987年に米ソが射程500〜5500キロのミサイルを全廃した同条約からの離脱を大統領に勧告するとともに、地上移動発射式巡航ミサイルの開発と導入を進言した。  米国ではロシアの軍事...

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 5月30日に北朝鮮は対艦弾道ミサイルを発射して朝鮮中央通信は「7メートルの精度で目標に命中させた」と報じた。中国の対艦弾道ミサイルであるDF-21Dですら平均誤差半径(Circular Error Probability-CEP-)が30〜40メートルとされているのに、独自の航法衛星を保有していない北朝鮮がそんな精度に達するはずはない、と眉唾ものだと思っていた。  ところが、香港を拠点とする日...

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