公益財団法人 国家基本問題研究所
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太田文雄の記事一覧

英国の情報局保安部(MI5)は、中国の中央統一戦線工作部の女性が、英国の議員に金銭を提供して英政治に影響力を与えるよう工作しているとの警告を出した。オーストラリアの情報機関も最近、中国の浸透工作について公表し、またクライブ・ハミルトン著の『Silent Invasion(邦題、目に見えぬ侵略-中国のオーストラリア支配計画)』は有名である。 中国の戦わずして勝つ『Political Warfa...

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元外務官僚の兼原信克氏が昨年出版した『安全保障のリアル』を年末年始の休み中に読んでみた。現在の安全保障に関する洞察については全面的に賛同するものの、戦前の歴史記述で、敗戦の全責任を旧日本軍に負わせている点は不同意である。筆者が、かつて在米日本大使館で防衛班長の任にあった時の政務班長で後に在米日本大使となった人物の認識も、また一昨年亡くなった元外務官僚の岡本行夫氏の論調も、同様の認識に根ざしていた。...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    7日、日本と米国の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(いわゆる「2+2」)がオンライン方式で行われた。6日には自衛隊とオーストラリア軍が相手国を訪問する際の法的地位などを定めた日豪円滑化協定が締結された。この二つの軍事的な意義について考察してみたい。  ●極超音速対抗技術を共同研究  日米両国は2+2で、中国、ロシア、北...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    12月15日、米上院は2022会計年度(21年10月~22年9月)の国防予算の大枠を決める国防権限法案を可決した。また24日には、日本の令和4年度予算案が閣議決定された。両国の防衛(国防)予算の中で、対中抑止という観点から注目すべき点を論じてみたい。  ●リムパックは日台軍事交流の媒体に  米国防権限法案では、来年行われる米海軍主催...

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16日にフィリピン大学法学センター(University of the Philippines Law Center)で日米比による南シナ海での船対船遭遇戦(Ship-to-Ship Encounters in the South China Sea)に関するテレビ会議が行われた。 日本からは筆者が、米国からは海軍大学で国際法を教えているジェーイムズ・クラスカ教授が、フィリピンからは元海軍少...

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3年前に筆者が講演したことがある米空軍大学の中にある中国航空宇宙研究所が、『中国ロケット軍編成』と題する報告書を11月末に出版した。 中国ロケット軍は人民解放軍傘下にあって、弾道ミサイル及び地上発射長距離巡航ミサイルを運用する独立軍種である。核抑止、核反撃、通常ミサイル精密打撃をその任務とする。改名されるまでは「第二砲兵」と呼称されていた。 中国のロケット軍は第61基地から第69基地ま...

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11月26日に防衛研究所が『中国安全保障レポート』を公表した。この中で、筆者が特に注目したのは図2-6(37頁)に示された人民解放軍の戦略支援軍編成である。これは2018年に、米国防大学が出版した『China’s Strategic Support Force: A Force for a New Era(中国の戦略支援軍:新しい時代の軍)』に示された編成図の和訳であるが、中国の戦略支援軍が宇宙の...

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中国海軍の測量艦が19日、鹿児島県屋久島付近で領海侵犯した。10月後半には、中国海軍とロシア海軍の艦艇計10隻が隊列を組み、津軽海峡や大隅海峡を通過して日本列島をほぼ一周する威圧的な行動を見せたばかりである。ロシア艦艇はその後も対馬海峡から日本海へ抜けている。 メディアの多くは、領海侵犯や日本に対する示威行為のみを脅威として報道しているが、それだけではない。実は日本と外国とを結ぶインターネッ...

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米議会の諮問機関「米中経済・安全保障調査委員会」の年次報告書が17日公表され、その中で、中国による台湾侵攻能力は「初期的(initial)な能力を保有しているか、それに近づいている」と記述されている。 また本年6月、米国防大学出版部から出された「国境を越える中国軍(The PLA Beyond Borders)」の第2章では、人民解放軍が台湾侵攻に必要とする海・空からの兵員輸送力や後方支援能...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    17日に米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の年次報告書が公表された。その中で、日本にとって極めて重要な記述の一つは「パートナー国が米国の中距離戦力の受け入れに乗り気であることを調べるための対話」を提唱しているくだりである。台湾の安全確保のため、米軍がインド太平洋に数多くの対艦巡航ミサイルと対艦弾道ミサイルを展開するための予算を付...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    バイデン米政権が来年早々公表する「核態勢見直し」(NPR)に核先制不使用を盛り込むことの是非について、同盟国への打診が行われていると報道されている。同盟国の日本としては、米国による核先制不使用宣言を絶対に認めるべきでない。  核先制不使用宣言は、中国、ロシア、北朝鮮が核兵器と同じ大量破壊兵器である化学・生物兵器を使用しないようにするための...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    3日に米国防総省が「中国の軍事・安全保障動向に関する報告書2021」を公表した。日本のメディアは一斉に、この中の「2030年までに中国は少なくとも1000発の核弾頭保有を目指している」という点を報道しているが、何故中国が核弾頭の増勢を目指しているのかについての分析が不足しているように思われる。  ●攻撃目標は都市から軍事施設へ  ニ...

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10月25、26日に言論NPOなどが主催する日中対話が行われた。筆者は、今回の対話には参加していないが、2年前に参加したことがある。この時は、中国側の参加者は人民解放軍軍人と、同軍と極めて関係が深い中国国際戦略研究基金会の張沱生教授であった。 言論NPO代表の工藤泰志氏は、対話の目的を日中の信頼醸成においている。筆者も1992年にスタンフォード大学の国際安全保障・軍備管理研究所で経験した日米...

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衆院選は31日の投開票を目前に、各党の訴えが一段とヒートアップしているが、共産党の志位和夫委員長の外交・安全保障政策を聞いていると納得がいかないことが多い。   テレビの司会者が、拡張政策をとる中国に対してどう立ち向かうかについて問うと、志位氏は、国際法違反であると責め、国際世論に訴えて拡張を止めるべきだと答えている。 しかし、権威ある常設仲裁裁判所が、中国の南シナ海での埋め立てに関して...

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防衛省は18日、中国とロシアの駆逐艦など計10隻が津軽海峡を通過したと発表した。領海への侵入はなかったというが、中露の艦艇が同海峡を同時に航行するのが確認されたのは初めてである。 同省統合幕僚監部によると、同日午前8時頃、中国艦とロシア艦各5隻が北海道・奥尻島の南西約110キロの海上で発見され、10隻はその後、東に進み、太平洋に抜けた後、大隅海峡を西行して東シナ海に入った。 ロシア極東...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    北朝鮮は19日、大気圏内で変則軌道を描く弾道ミサイルを潜水艦から試験発射した。先月28日には極超音速兵器(Hypersonic Glide Vehicle=HGV)とみられる火星8型ミサイルを陸上から発射している。  変則飛行が特性のHGVは、弾道ミサイル防衛網を突破できるいわゆるゲームチェンジャーとして、ロシアが1990年代後半から開発...

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北朝鮮がミサイルを発射する度に、官房長官は「情報の収集・分析に万全を期す」「北朝鮮に対しては厳重に抗議する」と、北にとってみれば〝蛙の面に水〟の声明しか出さない。報道も金正恩が立ち会っていたのかとか、専門家の意見として何故この時期に発射したのかといった北の政治的意図等を分析するのに忙しく、最も肝心な「これらのミサイルにどう対処すべきか」といった議論が全くなされないのはどうしたことか。 迎撃難...

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河野太郎自民党総裁選挙候補は、外務大臣時代に米英豪加ニュージーランドからなる秘密情報共有枠組みである「ファイブアイズ」に加入したいと述べ、BSフジのテレビ番組でも同様の発言をしていた。司会者に「秘密保護法も出来ていない現状で入れるのか」と問われ、「6年前に施行された特定秘密保護法制定で近づきつつある」と回答していた。 しかし、外交・防衛に携わる政府関係者の秘密漏洩罰則強化が目的であった特定秘...

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アフガンからの邦人等救出作戦からほぼ1カ月が経過した。この作戦については、当時から多くの有識者や国会議員らが、失敗であり、原因の究明が必要だと強く主張していたにもかかわらず、いまだに政府から検証の概要すら出てこないのはどうしたことか。 同じように救出作戦に失敗したオランダでは、外務・防衛の両大臣が遅延かつ混乱した作戦の責任をとって辞任する事態に至っている。 よもや政府は自民党総裁選にか...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    米国、英国、オーストラリアは15日、米英両国が豪州の原子力潜水艦建造に技術協力することを柱とする安全保障の新たな枠組みを創設したと発表した。3国の国名をつなげてAUKUS(オーカス)と名付けられたこの枠組みに日本が入れないのは、原潜を建造する意志が日本にないからである。  同日、韓国は潜水艦から弾道ミサイルの発射実験に成功した。日本には潜...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    10日に河野太郎氏が自民党総裁選挙への立候補を表明し、候補者は岸田文雄氏、高市早苗氏を含めた3人となった。これまでになく厳しい安全保障環境の下で、3候補の国家安全保障に取り組む姿勢や政策について評価してみたい。  ●イージス・アショアを葬った河野氏  昨年6月、当時の河野防衛相は秋田県と山口県の2カ所で進められていた陸上配備型弾道ミ...

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自衛隊が8月下旬、オランダのフリゲート艦を含む英空母「クイーン・エリザベス」打撃群、米強襲揚陸艦「アメリカ」と共に、沖縄南方海上において共同訓練を行った。公開された映像では、CH-47JA「チヌーク」輸送ヘリコプターやAH-64D「アパッチ」戦闘ヘリコプター、そして米軍の輸送機「オスプレイ」が、クロス・デッキと呼称する他艦への発着訓練を行った。この意義は大きい。 英国が東アジア回帰を加速 ...

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アフガニスタンに邦人等(日本政府に協力した現地人スタッフや家族を含む)の救出に向かった4機の自衛隊機は、現時点で1名の邦人と十数人のアフガン人しか救出できていない。31日には米軍が撤収する。テロの危険性が高まる中、これ以上の救出は無理だろう。日本とほぼ同時期の24日に現地入りした韓国空軍機は、韓国に対する協力者をも含め約390名を27日までに仁川空港へと運び出している。輸送日数と時差を考慮すれば2...

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 米軍撤退に伴いアフガニスタン政府軍は崩壊しタリバンに乗っ取られた。バイデン大統領は「アフガン人自身が戦う意思なき戦争で米軍は戦って死ぬべきでない」と述べた。 日本も2002年と2012年に東京でアフガン支援国会合を開催し、68億ドル以上の援助を実施した。筆者も情報本部長時代にアフガンを管轄する米中央軍司令部(フロリダ州タンパ)を訪問し、日本政府が行っている武装解除・動員解除・社会復帰(DD...

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 8日の英紙デイリーエクスプレスは、英空母「クイーン・エリザベス」を追尾していた中国の商級原子力潜水艦2隻が同空母打撃群によって探知されたと報じた。同紙は、英海軍関係者の話として「中国の潜水艦能力は急速に成長していて過小評価できないが、米英が冷戦時代に経験した戦闘経験がない」と紹介している。確かに中国には1979年の中越戦争があるが、陸戦であり海戦の実戦経験はない。 隠密性が命の潜水艦 ...

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 7月末に新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に中国が新たに110基の核ミサイル用地下発射施設を建設しているとの報道があった。その一カ月前には甘粛省玉門で核ミサイル用地下発射施設約120基が建設されているとの報道があったばかりである。そして8月12日には米空軍大学の専門家が、内モンゴル自治区のオルドス地方で大陸間弾道ミサイル(ICBM)用と見られる地下施設が29カ所建設されていると発表した。こうした凄まじ...

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 7月13日に公表された令和3年版防衛白書の記述で「イージス・アショアについては、2020年6月、配備に関するプロセスを停止した。同年12月、厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境により柔軟かつ効果的に対応していくため、イージス・システム搭載艦2隻の整備を閣議決定した」と書かれている。 イージス・システム搭載艦2隻の整備が「柔軟かつ効果的な対応」であるかについては大いに疑問がある。 ...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    7月13日に令和3年の防衛白書が公表された。白書は中国について「わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」としているが、北朝鮮に関しては「わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」とした。なぜ中国を北朝鮮と同様に「脅威」としないのか。  ●同盟国との共通戦略計画に障害  脅威は軍事攻撃の能力と意図で構成されるが、北朝鮮は日...

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 7月3日に発生した熱海の土砂災害に際しては、警察・消防・海保・自衛隊が救難活動を行った。彼らは、生存者を背負って救出する任務を帯びている。しかし、こうした危機管理や安全保障の責に任ずる人達に対する新型コロナウイルスのワクチン接種は、優先的に行われていない。熱海の土砂災害に関しては、多くのメディアがワイドショーで取り上げていたが、この件を指摘した識者は寡聞にして知らない。大雨による水害はこれから未...

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 政府の総合海洋政策本部参与会議(座長・田中明彦政策研究大学院大学長)は6月29日、現在の厳しい東シナ海の状況に対処するためには海上保安庁の巡視船や航空機の増強が必要だとする意見書を菅義偉総理に提出した。 しかし、増強の「強」には賛同するとしても、軍の機能、組織、訓練を禁じた現下の海保法25条の下での「増」は、税金の無駄使いだ。 海保法25条の限界 筆者は7月1日に某自民党国会議...

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 昨今、日本のメディアを賑わしているのは新型コロナウイルスの感染対策と東京五輪・パラリンピックの開催であるが、コロナ危機に適切に対応できなかった最大の理由は国産ワクチンの開発が遅れたことである。オリンピックを中止すべきとする論調には国家の威信という意識が欠如している。 コロナ渦でも突きつけられた 今年の年頭に「はやぶさ2」のカプセルがオーストラリアに着陸したが、これが中国に着陸したとし...

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 6月第三日曜日である20日は父の日であった。しかし我々が成人するまで父の日はなく、逆に母の日は米南北戦争を機にできていた。戦場では「お母さん」と叫んで戦死する兵士が殆どで、「お父さん」と叫んで死ぬ兵士は稀である。言葉を母国語と言って父国語と言わないのは何故か。我々は母によって生み成され、母によって人となる。子供に与える影響力は母親の方が圧倒的に大きいからである。 林檎と蜜柑比べる無意味 ...

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 NHKは6月18日朝のニュースで外交・安全保障担当の増田剛解説委員が、東京六本木にある在日米軍ヘリポート基地(俗称ハーディー・バラックス)について、騒音と事故の可能性から撤去に世論を誘導する番組を流していた。 専門家の意見として東京大学の藤原帰一教授の基地撤去推奨論のみ登場させ、騒音に悩まされる市民の声を動員して、世論を基地撤去の方向に誘導しようとする意図が見え見えであった。番組の最後には...

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 先週行われた菅義偉総理と野党党首による党首討論は、コロナやオリンピックに議論が集中し、安全保障問題を語る党首は居なかった。そうした中でも中国海警は頻繁に我が国固有の領土である尖閣諸島(沖縄県)の領海を侵犯し、台湾海峡での軍事的緊張も中国側の挑発行動によって日に日に高まっている。 米インド太平洋軍のデービッドソン前司令官は、今後6年以内に中国が台湾に武力侵攻する可能性を上院軍事委員会の公聴会...

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 1900年に起こった中国の「扶清滅洋」(清朝をたすけ、西洋人を撲滅する)を叫ぶ義和団の排外主義運動を、清国の西太后が支持し、同年6月に欧米列強に宣戦布告した。これに対し日露英仏米独伊墺/洪(蘭)の8カ国が軍を派遣して鎮圧した。 中国の南・東シナ海での傍若無人ぶりに米英仏独蘭が海軍艦艇を派遣、あるいは派遣すると表明している今日、当時との類似性を感じざるをえない。 日英「準同盟」で復活も...

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 バイデン米大統領は5月28日、政権発足後初となる2022会計年度予算教書を議会に提出した。削減が懸念されていた国防総省予算は前年度比1.6%の増の7150億ドル(約79兆円)が計上された。中でも、中国をにらんだインド太平洋地域での米軍の抑止力強化のための「太平洋抑止構想」(PDI)向けに約51億ドルが要求されている。前年度の約22億ドルから倍以上の増額である。PDIは日本にとっても重要な意味を持...

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 4月の日米首脳会談後の共同声明で、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」ことが盛り込まれた。そのことについて、日本が米中間の武力紛争に巻き込まれるかのような論調が出回っているが、台湾問題は決して他人事ではなく日本の安全保障そのものである。 「明日の台湾」は「明後日の沖縄」 「他人事ではない」理由の第一は、マラッカ海峡から日本に至る大切な海上交通...

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 3月25日に北朝鮮が日本海に発射した弾道ミサイルは、本年1月14日夜の軍事パレードに初めて登場したロシア製イスカンデルの改良型ミサイルと思われる。この時期、発射に踏み切った理由を色々と政治的に推測する向きがあるが、軍事的には、開発した兵器の発射試験を早く行って、その作動をテストしたかったからと見るのが普通だ。 最善策は発射前後の迎撃 25日夜のBS-TBS「報道1930」でコメンテー...

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 現在の国分良成防衛大学校校長の後任に、国際政治学者で米国を専門とする久保文明氏が就任すると報じられている。筆者は、これまで毎年、米サンフランシスコで行われてきた日米安全保障対話を始め、様々な学会やセミナーで久保氏と同席したことがあり、彼の米国政治分析には一定の敬意を払っている。 それでも、これまで約60に及ぶ士官学校を訪問し、その結果を纏めた『世界の士官学校』を執筆した者として敢えて述べれ...

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 16日に日米安全保障協議委員会、いわゆる「2+2」が都内で行われた。1990年に日米の外務、防衛両省の閣僚級で行う現在の枠組みが出来てから今回で約20回目の開催であるが、そのうち筆者は在米日本大使館の防衛駐在官時代、4回出席している。 1996年は沖縄の普天間飛行場移設問題があって、9月にワシントンで、また12月には東京でと計2回行われた。後者では出席のため米国から一時帰国した。1997年...

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