公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    1月11日にワシントンで行われた日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2+2)の共同発表には「日本の南西諸島を含む地域において、日米の施設の共同使用を拡大し、共同演習・訓練を増加させることにコミットした 」とある。日本の閣僚がコミットした以上、米側はもう使えると判断したのだろう。直後の13日に米海兵隊が沖縄県の下地島空港(宮古島市...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    バイデン米大統領は13日の日米首脳会談で、反撃能力の保有を含む日本政府の抜本的な防衛力強化を高く評価した。会談冒頭、バイデン氏は「日本による防衛費の歴史的な増額や新たな国家安全保障戦略によって、我々は軍事同盟を現代化している」と語った。「現代化(modernize)」は最近の日米同盟のキーワードとなっている。日本の役割が増し、同...

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国基研理事長 櫻井よしこ    令和5年の日本と世界の課題は、台湾を第二のウクライナにさせないことだ。中国の台湾侵攻は必然的に日本侵攻になる。私たちは十分な軍事力と経済力で強い抑止力を構築しなければならない。同時に、日本はカーター米政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官だったブレジンスキー氏が日本を「米国の事実上の被保護国」と呼んだ状況を脱しなければならない。そのためには安全保障...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国発の新型コロナウイルス拡散の脅威が再び高まる中で、日本の水際対策強化に対する中国の報復措置は、二重の意味で不当である。第一に、中国の日本人へのビザ(査証)新規発給停止は、日本が中国からの入国者に入国時検査と陰性証明書提示を義務付けたことに対するもので、著しくバランスを欠く。第二に、中国の報復措置の対象は日本と韓国だけで、同様の水際対策を取...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    朝鮮半島で再び軍事的緊張が高まっている。2017年の緊張では核実験とミサイル発射で挑発を続けた金正恩総書記に対してトランプ米大統領が軍事的圧力をかけたが、今回は尹錫悦韓国大統領が一戦辞さずの覚悟を示している。緊張はどこまで高まるのか。関係者は、北朝鮮が今年中に南北境界線近くの延坪島などで局地戦を仕掛ける危険があると述べた。 ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    日銀は12月20日、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げた。円安の行き過ぎを直すためだが、アベノミクスの主柱である異次元金融緩和解体の始まりで来年には利上げに転じるとの憶測を招いた。財政の方は、岸田文雄政権が2年後以降の防衛増税を企図している。利上げと増税は、民間の景気回復期待を萎えさせ、来春闘での賃上...

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国基研副理事長 田久保忠衛    この1年間を振り返る役が回ってきたので、私見を交えた観察を申し述べたい。日本の国際情勢認識が国際情勢の変化と調子が合っていない点は、一貫して私が関心を寄せてきた問題だ。最近出版されて話題となったマルデンバウム米ジョンズ・ホプキンズ大学名誉教授の「The Four Ages of American Foreign Policy」(米外交の4時代)を...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    政府が「国家安全保障戦略」など安保3文書を公表した。これまでの安全保障政策を大きく転換するものと評価したい。とりわけ国の防衛は防衛省だけでなく省庁横断的に取り組み、国全体が担い手であることを打ち出している点は重要だ。  ただし総論ではそう言いながら、具体論に至るとそれと相反する防衛省の「自前主義」が露呈している。  ●新たな研...

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国基研評議員 岩田清文    日本の防衛政策上、戦後最大の転換と言える戦略3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)が、12月16日の閣議において決定された。増大する中国の脅威に対し政府が深刻な危機感を持った証左であり、大いに評価できる。  ●脅威対抗力を強化  特に、反撃能力の保有は相手を抑止できる力を自ら持ち、確実に国を守ろうとする意志の明確な表れだ。手...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    岸田文雄首相は防衛費増額の財源として1兆円程度を増税でまかなう方針を示した。日本を取り巻く安全保障環境が悪化している中で、「抑止力と対処力を抜本的に強化する」との岸田首相の姿勢は評価されるべきであるが、いきなり増税に頼ることには反対だ。首相には撤回を求めたい。  ●唐突な首相指示  増税に踏み切るなら、まず与党内の議論を...

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