公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 「今週の直言」の記事

2023年10月の記事一覧

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    10月26日、韓国最高裁判所は朴裕河・世宗大学名誉教授の著書『帝国の慰安婦』の記述は「学問的主張ないし意見表明」であって名誉毀損罪で処罰される「事実の摘示」と見ることは困難だとして、罰金1000万ウォン(約110万円)を宣告した2審判決を無罪趣旨で破棄し、高裁に差し戻した。学問の自由の観点から歓迎したい。  ●学問の自...

続きを読む

国基研企画委員兼評議員・福井県立大学名誉教授 島田洋一    最高裁が10月25日、一定の条件の下で性別変更を認めた現行の性同一性障害特例法のうち、生殖腺(内性器である精巣又は卵巣)の「不機能化」を条件に定めた3条1項4号は違憲という決定を下した。  「性同一性障害者に対し、強度な身体的侵襲である生殖腺除去手術を受けることを甘受するか、又は性自認に従った法令上の性別の取扱いを受...

続きを読む

国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    これが岸田政権の終わりの始まりなのか。自民党の世耕弘成参院幹事長が10月25日の参院本会議代表質問で、「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待する『リーダーとしての姿』が示せていないことに尽きる」と述べ、岸田文雄首相の指導者としての資質に公然と疑問符を突き付けた。  ●党幹部が異例の苦言  世耕氏は冒頭でこそ「首相支...

続きを読む

国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    政府が近くまとめる新たな経済対策の原案はその柱として、「供給力の強化」と「国民への還元」を掲げている。前者は対策の軸足を需要拡大から供給力の拡大に移すことを意味する。確かに総需要が潜在的供給力に近づいており、需給ギャップは縮小しつつあるが、デフレの後遺症が続く中で依然として低成長が続いており、過去に実現した低い国内総生産(GDP)を...

続きを読む

産経新聞台北支局長 矢板明夫    「スパイ行為」を行ったとして今年3月に北京で中国当局に拘束された日本の大手製薬会社の50代の男性幹部が今月中旬、正式に逮捕された。これから起訴され、非公開の裁判が行われるとみられるが、有罪判決が下される可能性が極めて高い。  この幹部は北京に20年以上駐在した経験があり、中国の貧しい地域に定期的に薬品を寄付するなど、思いやりのある人物だ。筆者...

続きを読む

国基研企画委員・元防衛庁情報本部長 太田文雄    10月19日に米国防総省が中国軍事力に関する年次報告書を公表した。メディアは「2023年5月の時点で中国は500発以上の核弾頭を保有し、2030年までに1000発を超える」と、予測を遥かに上回るペースで核戦力の強化が進んでいることに着目したが、仔細に読んでみると、注目すべき記述はそれにとどまらない。  ●中国近海から米本土...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛    パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが、民主主義国家イスラエルに対して卑劣な大規模の奇襲攻撃を行った事件だ、と正確に理解する必要があると思う。  ●ハマスの背後にイランと中露  ハマスが事前にイランと協議し、承認を得て実行に移された、と一米紙が事件翌日に報道して世界を驚かせたが、その後サリバン米大統領補佐官は「広い...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    ついに政府が世界平和家庭連合(旧統一協会)の解散命令を東京地裁に請求した。私は昨年10月31日付の本欄で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。…なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているか...

続きを読む

国基研理事・東海大学教授 山田吉彦    日本の海洋安全保障にとって最も重要な施策は、領土、領海、領空を守る確固たる意志を示すことである。  中国による尖閣諸島への侵出は止まるところを知らない。中国は7月、尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に、海洋観測用と思われるブイを設置した。政府はその事実を確認したものの、2カ月間国民に知らせなかった。9月19日になって急遽公表し...

続きを読む

国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    「テロ」を「テロ」と呼ばない岸田文雄首相は国家指導者として失格ではないか。そう思わざるを得ない「X」(旧ツイッター)への首相の投稿があった。イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル襲撃を「強く非難する」としたが、「テロ」の表現を避けた。イスラエルの反撃でパレスチナ自治区ガザ地区でも多数の死傷者が出ていることに言及し、「深刻に憂...

続きを読む

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    10月2日、首相官邸で日本学術会議新会員の辞令が交付され、学術会議の新体制が決まった。新会長に選ばれた光石衛まもる・東京大学名誉教授(機械工学)は、菅義偉前首相が任命を拒否した6人について「改めて任命を求めていく」と語っており、左翼イデオロギーによる学術会議支配が今も続いていることが分かる。学術会議の反原発、反軍事思想の弊害が顕著に...

続きを読む

国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    自民党の若手議員グループ「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は近く、時限付きでの消費税減税を提案する。岸田文雄首相は実現に向け指導力を発揮すべきだ。  1997年以降、3回の消費税増税こそは四半世紀以上もの間の慢性デフレをもたらしてきた元凶である。平成バブル崩壊不況の余波でデフレ圧力が高まった中、橋本龍太郎政権は1997年4月...

続きを読む

国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    政権発足から4日で丸2年を迎えた岸田文雄首相は記者団に「一つ一つに真正面から向き合い、決断し実行する。こうしたことを続けてきた2年間だった」と振り返った。昨年12月の「国家安全保障戦略」など安保3文書を閣議決定したこと、防衛費を令和9年度に国内総生産(GDP)比2%に増額すると決めたことなどは評価できる。だが、政府内から聞こえて...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 湯浅博    米議会の未曾有の混乱は、「帝国の復活」を夢見るロシアと中国の独裁国家を勇気づけている。米下院はつなぎ予算からウクライナ支援を除外したうえ、米国史上初めて議長を解任してしまった。米議会の機能不全とウクライナ支援の凍結は、欧州だけでなく、日本などアジアの同盟国をも不安に陥れる。中国が「米国弱し」と誤算して、台湾攻撃を仕掛ける懸念が急速に高まるから...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛    米議会は2023会計年度末の9月30日深夜、11月半ばまでのつなぎ予算を可決し、バイデン大統領が署名した。政府機関の一部閉鎖が回避されたので、米国民の大方は一安心だろう。しかし、バイデン政権が議会に要請していたウクライナ向け追加援助240億ドル(約3兆6000億円)は削除されてしまった。共和党強硬派の意向を汲くんだマッカーシー下院議長(共和)の判...

続きを読む