公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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安全保障問題研究会会長 袴田茂樹 尖閣沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件で、中国は経済的手段も動員して日本に圧力をかけ、日本政府はあっけなく屈服した。尖閣を中国領と言うのは歴史の捏造だが、日本も「国内法に従って粛々と対応する」と声明した以上、強烈な「チキンレース」が始まったことを自覚すべきだった。しかし、主権とか国家に関するまともな認識が欠如している日本政府は、そのことさえ認識してい...

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ジャーナリスト 石川弘修 中国の民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与決定に対し、菅政権の反応は遅く、及び腰ばかりが目立った。 ノルウェー・ノーベル賞委員会が8日に発表すると、欧米諸国は慎重ながらも素早く歓迎の声明を発表、米国のオバマ大統領は中国政府に対し、懲役11年の刑で服役中の劉氏の早期釈放を訴えた。台湾の馬英九総統でさえ「中国の人権向上にとって歴史的な意義を有する」と祝福した...

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国基研理事・事務局長 高池勝彦 小沢一郎氏の資金管理団体陸山会の金銭疑惑について、検察審査会は10月4日、前回の4月27日に続いて2度目の「起訴相当」の議決を行つた。 検察審査会制度は、占領軍の勧めにより、「公訴権の行使に民意を反映させてその適正を図る」ために、昭和23年から実施されてゐる。 しかし、従来は、起訴すべしとの議決があつても、検察官が無視すればそれまでで、形骸化してゐ...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 30年ぶりの党正式会議 朝鮮労働党代表者会が9月28日開催された。多くのマスコミが「44年ぶり」の代表者会開催と書いていたが、これは全く意味のない数字だ。 1980年に第6回党大会があったから、今回の代表者会は、「30年ぶり」の党正式会議ということになる。代表者会に続いて労働党中央委員会総会が開催され、政治局、書記局、党中央軍事委員会などの...

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国基研理事長 櫻井よしこ 尖閣諸島周辺のわが国領海侵犯事件の第一段階は、「市民連合」対「国家」の闘いだった。国家観なき菅直人民主党政権と、領土拡大にひた走る帝国主義国家、中国共産党政権との対立である。 領海侵犯事件を公務執行妨害に問い、刑事事件として扱おうとした日本とは対照的に、中国は、船長の即時無条件釈放を要求し、「中国の領土領海」における日本の如何なる監視行動も許さないと発表したこ...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 「有言実行内閣」との触れ込みで発足した菅改造内閣だが、何を実行しようとしてゐるのか、よく分からない。まづ、政略的に中途半端だ。世間では「小沢外し」とか「脱小沢」とか騒がれてゐる。 確かに「挙党一致」といふには偏りが目立つけれども、さりとて本気で小沢グループと袂たもとを分かち、政界再編に踏み出さうとする布陣にも見えない。 菅直人首相及びその...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 民主党が教育内容不問を了承 民主党は7、8日の2日間、朝鮮学校を「高校の授業料無償化」の対象として国費で支援すべきかどうかを論議し、「教育内容は問わず、学校の形式などで判断する」という基準を了承した。 教育基本法第2条は、教育の目標の一つとして「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」を挙げているが、朝鮮学校の教育はそれ...

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国基研理事・弁護士 高池勝彦 民主党の代表選挙が9月1日告示され、14日が開票だといふ。この選挙には、党所属の国会議員、地方議員だけではなく、一般党員やサポーターも参加して全体の約4分の1の票(ポイント)が与へられるといふ。 民主党の規約によると、党員およびサポーターは、党費または会費を納めた「在外邦人および在日外国人を含む」と規定されてゐる。 在日外国人にも投票権 民主党は、...

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国基研理事・政治評論家 屋山 太郎 日本を潰す小沢氏出馬 民主党は菅直人、小沢一郎両氏が激突し、党分裂の様相を呈している。小沢氏は「菅内閣の無策ぶりでは日本が潰れる」と代表選出馬を決意したそうだが、小沢氏の決意こそ、日本を潰すものではないか。 鳩山由紀夫、小沢両氏は3カ月前、参院選敗北必至まで追い込まれ、「政治とカネ」の責任を取って代表(首相)と幹事長をそれぞれ辞任した。カネについて...

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国基研企画委員・主任研究員 冨山泰 オバマ米政権は対中関係改善を優先するあまり、中国の軍備拡大への対処をおろそかにしかねないという懸念は、中国の軍事動向に関する米国防総省の最新の報告書を読む限り、ほぼ払拭されたと思う。16日に発表された年次報告書は、中国の軍近代化に対する警戒心を思いのほか強く打ち出した。 「ヘッジ」戦略を実質的に継続 米国はブッシュ前政権時代に、「エンゲージ」(関与...

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