公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛 民主党政権で鳩山由紀夫、菅直人と二代続いた暗愚の首相の失政を補うことにはならないと思うが、野田佳彦首相が11月12日ハワイで開かれたオバマ米大統領との会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交流参加に向けて関係国と協議する旨を伝達したのは、方向として正しいと思う。 反対論の裏に嫌米感情 TPPに対する賛否の議論には大きく分けて3種類がある。一つは感情的な反...

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『農業経営者』副編集長 浅川芳裕 環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟すると「日本の農業は壊滅する」と言われる。一方、「国内総生産(GDP)の1.5%を占めるにすぎない農業のために他の98.5%を犠牲にするのか」との主張もある。しかし、TPP反対派の「農業壊滅論」も推進派の「農業犠牲論」も的外れだ。両論とも、農業と国民経済が一体であることを見逃している。 農業はいうまでもなく経済活動の...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 新市長は危険人物 10月26日行われた韓国ソウル市長選挙で、親北左派市民運動家である朴元淳候補が保守派の羅卿瑗候補(ハンナラ党)を破って当選した。 今回の選挙は、市議会の多数を占める左派が小中学校全員無償給食を強行しようとし、一律無償は社会主義的ばらまきだとして反対した呉世勲前市長が8月に実施した住民投票で敗北し辞任したことを受けて行われた...

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国基研理事・政治評論家 屋山太郎 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加しないよう与野党の政治家に圧力をかけているのは農協中央会だ。日本の貿易依存度(輸出入額を国内総生産=GDP=で割ったもの)は30%程度で、ドイツの72%に比べて極端に低い。自由貿易協定(FTA)を結んだ国だけをとると、日本の貿易依存度は16%に下がる。日本とマレーシアはFTAを結んでいるが、日本が農産品で譲らなかったため、...

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 中国と一部東南アジア諸国の南シナ海における領有権争いの余波が、日本の沿岸に到達した。日本政府は、国際法規の順守、航行の自由など海洋安全保障に関するルールを協議するため、東アジア首脳会議の下部機関として「海洋安保会議」(仮称)を設ける構想にアジア・太平洋諸国の支持を求める方針と伝えられる。 この構想は、南シナ海の紛争の多国間解決に反対し、...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 超円高あるいは歴史的な円高と言われ、日本経済への悪影響が懸念されている。従来の円高時と同様、輸出企業や関連の中小企業などから円高の是正を求める声が高まっている。しかし、本当に円高なのか。円安によって日本経済は再生できるのか。 今は円高とは言えない 名目為替レートで見て戦後最高値の円高となった最大の理由は,デフレの定着により諸外国にくらべて...

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衆議院議員 下村博文 ダライ・ラマ法王とチベット亡命政府の首相に会うため、インド北部のダラムサラに私と山谷えり子参議院議員、そして櫻井よしこさんら国基研のメンバーと行った。 ニューデリーから飛行機で1時間25分。その後、車で40分程かけてヒマラヤ山嶺中腹にあるダラムサラに到着し、すぐダライ・ラマ法王と会う。予定時間をはるかに超えて2時間近くも話をしてくれる。魅力的で明るく、ノーベル平和...

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 感銘受けた安倍氏の講演 安倍晋三元首相は、アジア・太平洋地域の将来の安定と安全について自身の見方を実に率直に表明することで、心に残る感銘をインドに与えた。このほどニューデリーを訪問した安倍氏は「海で出会う二つの民主主義―より良く安全なアジアのために」と題する講演で、民主主義国が海軍力などを提供し合い、海の秩序を守るという構想を示した。 ...

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京都大学大学院教授 藤井聡 「国家」というものは、栄えることもあれば亡ぶこともある。世界史の中では、超大国であった国が小国、貧国に落ちぶれる例は枚挙にいとまがない。 その一つがポルトガルだ。ポルトガルは18世紀に世界を〝支配〟するほどの強大な国力を誇っていた。しかし、そんなポルトガルの国力を一気に削いだのが「リスボン大地震」(1755年)という巨大地震であった。 死者は6万人に上...

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大樹総研特別研究員 松田学 「震災復興の負担を将来世代にツケ回してはならない。だから復興国債を今の世代で償還すべく復興増税を」―。もっともらしい理屈だが、ちょっと待ってほしい。 将来世代へのツケ回しを言うなら、高齢世代への社会保障給付で膨らんできた赤字国債の方ではないか。こちらはなんと60年償還。借り換えを続け、3世代にわたり負担をツケ付け回している。60年とは本来、将来世代に資産を残...

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