公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 今年は、朝鮮戦争の開始から60年に当たり、マッカーシー米上院議員による「赤狩り」旋風の開始60周年でもある。35年間の日韓併合より、北朝鮮およびそれを支える中国共産党との対峙期間の方が長く、しかも現在進行形だ。この基本認識を欠いた菅直人氏の首相談話のようなものが出てくる限り、マッカーシーの今日的意義は消えない。 菅首相が直視すべき自身の過去 ...

続きを読む

民主党衆議院議員 笠浩史 私は、民主党の文部科学部門会議の座長、衆議院文科委員会の与党筆頭理事として、「ねじれ国会」を大いなる好機ととらえたい。 教育に党派の対立は必要ないし、「人づくりなくして国づくりなし」の信念の下、国の将来を憂える、与野党問わず多くの議員と日本の教育のあるべき姿を議論し、教育再生に努めることは急務である。国家戦略の中心に、国際的な競争に勝ち抜く人材育成を据えるべき...

続きを読む

自民党参議院議員 義家弘介 改正教育基本法に基づき、学校教育法や教育職員免許法などの関係法令の改正や教育振興基本計画の策定など、教育再生の取り組みが進められてきた。自由民主党が考える「新教育三法」は、その重要な一環である「教育の政治的中立」を確保するためのものである。 違法な政治活動に刑事罰を 第一は、「教育公務員特例法」(教特法)の改正である。教育公務員の政治的行為については、第1...

続きを読む

国基研企画委員 潮匡人 25日から28日まで、日本海上で米韓合同軍事演習が実施される。23日、防衛省海上幕僚監部は、この演習に、海幕防衛部の一佐ら海上自衛官4人をオブザーバーとして参加させると発表した。この意味について考えたい。 なぜ「オブザーバー」なのか 今回の参加は「北朝鮮に対して日米韓の緊密な連携をアピールする狙いがある」(23日付毎日夕刊)という。海上自衛官は米空母「ジョージ...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 民主党を大敗させた参議院議員選挙は、同党の病根である左派系労組の影響力を、とりわけ参議院において強める結果になった。 民意は左派の拒絶 今回の参院選の特色は、選挙区と比例区で相反する結果が出たことだ。選挙区では自民優勢、民主劣勢が顕著で、自民の39議席に対して民主は28議席にとどまった。神奈川選挙区で現職の法相、参院議員を4期つとめた千葉景子氏が落選したのは...

続きを読む

国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 民主党の獲得議席は44。改選議席を10も減らした。政権交代から1年足らずで、事実上不信任を突き付けられたと見るべきだろう。平成15年の「民由合併」以来、比例選挙では2100万票以上を獲得してきたが、今回それを大きく割り込んだ(1845万票)。実際に政権を担当させてみて、「未知への期待」が萎えてしまったということだ。「民主党バブル」は弾けつつある。 一...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛 菅直人首相はいかなる思想の持ち主か。それを解明する材料は、6月11日の所信表明演説だろう。そこで彼は、松下圭一法政大学名誉教授と故永井陽之助青山学院大学名誉教授の2人を「恩師」として挙げている。松下氏は、戦後日本の論壇を支配した感のあったいわゆる進歩的文化人中の大御所的存在、丸山真男東大教授の直接の教え子だし、永井氏は、丸山ゼミ生ではなかったが少なからぬ影響を受け...

続きを読む

国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 菅首相は、先週の主要8か国(G8)首脳会議(サミット)で、消費税率の引き上げに触れなかっただけでなく、消費税という単語にすら言及しなかったと報じられた。わが国の経済・財政状況には、参院選へのそうした方便として政策論議を操る余裕はない。選挙戦術で政策を論じるのを慎み、2009年総選挙の民主党マニフェストを総括した上で、政策の根拠について、政権政党と...

続きを読む

国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 おそらく清水の舞台から飛び降りるくらゐの覚悟だつたに違ひない。自民党は参院選のマニフェストに消費税率 10%引き上げを明記した。民主党の出方如何によつては、この消費税増税問題が争点となる筈だつた。さうなれば自民党は民主党に対して「財源無きバラマキ」と批判し、攻勢を強めることができただらう。 ところが民主党はスルリとこの問題を回避した。マニフェストに「...

続きを読む

副理事長 田久保忠衛 今世紀にアジアで主要なプレーヤーになる国は中国、インド、日本の三カ国であることに異論はなかろう。キッシンジャー元米国務長官は、さらに一カ国を加えるとなると、インドネシアだと言っている。そこで目を付けなければならない点は二つある。一つは、四カ国の中で日本だけは世界の常識である「軍隊」を持っていないことだ。システムが戦前の軍隊と違うし、自ら進んで戦えないような規制を次から次...

続きを読む