【第41回】李政権の自滅で終わった韓国地方選
国基研客員研究員・統一日報論説委員 洪熒ホンヒョン 鳩山由紀夫首相が辞任を発表した6月2日、韓国でも「政変」があった。李明博政権への中間評価とも言える統一地方選挙で、与党のハンナラ党が惨敗したのだ。もう少しで、ソウル市長のポストまで野党の韓明淑・元首相に明け渡すところだった。政党が選挙で負けるのはよくあることだから、与党の敗北自体は「政変」と言えない。では、なぜ「政変」と言ったのか。常識的に...
【第40回】「反民主・救国戦線」の行動計画(アジェンダ)を
国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 民主党が「マニフェスト」(政権公約)を安易につくり、安易に反故ほごにしたせゐで、この言葉に負のイメージが付いてしまつた。で、今度は「アジェンダ」(行動計画)が流行の兆しを見せてゐるのださうな。また横文字といふのは気に入らないが、政党や政治家が、その政策や行動に関する真剣な約束を求められてゐるといふ本質に変はりはない。 「みんなの党」は疑似民主党? ...
【第39回】動かぬ証拠で追い詰められた金正日政権―韓国艦魚雷攻撃
国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 またしても金正日の嘘は暴かれた。韓国政府は20日、「哨戒艦天安の爆沈は北朝鮮の魚雷攻撃によるもの」とする調査結果を公表した。北朝鮮は即座に「でっち上げ」との声明を出した。しかし、中国を含むどの国も、また韓国内の親北左派ですら、北朝鮮の弁明を支持していない。 回収された決定的証拠 決定的な物証として、魚雷のスクリューとモーター部分がほぼ原形を...
【第38回】異常な国の異常なマスコミ 田久保忠衛
国基研副理事長 田久保忠衛 朝鮮半島、千島諸島、琉球諸島を含む日本、台湾、フィリピン、インドネシア、オーストラリア(いわゆる第一列島線)を「逆万里の長城」と名付けたのは、米海軍大学で中国海軍の動向を研究しているジェームズ・ホームズ、トシ・ヨシハラの両専門家らしい。ニュー・アメリカン安全保障研究所の上級研究員ロバート・D・カプラン氏が、フォーリン・アフェアーズ誌5~6月号に書いたトップ論文「大...
【第37回】鳩山政権は中国バブル崩壊に備えよ―ギリシャ危機の教訓
産経新聞編集委員 田村秀男 「100年に一度の大津波」(グリーンスパン前米連邦準備制度理事会議長)から世界の金融市場が立ち直りかけていた矢先の「ギリシャ・ショック」である。世界金融危機はまだ収束には程遠い。 日本はここで何をすべきだろうか。ギリシャの問題は財政危機が発端なのだから、先進国中最高水準の政府債務を持つ日本は早く財政均衡化の道筋を示すのは当然としても、もっと喫緊の課題がある。...
【第36回】いまこそ憲法論議の深化を
国基研理事・駒澤大学教授 西 修 まもなく日本国憲法が施行されてから63年目の5月3日を迎える。5月18日には、憲法改正国民投票法が施行される。この日は、国会による憲法改正の発議が解禁される日でもある。しかしながら、憲法改正原案を審査すべき憲法審査会がいまだに衆参両院に設置されていない。参議院民主党は、4月27日の常任役員会で憲法審査会規程の制定を今夏の参議院選挙後に先延ばしすることを決定し...
【第35回】韓国哨戒艦撃沈で分かった李政権の本質
国基研客員研究員・統一日報論説委員 洪熒ホン ヒョン 韓半島(朝鮮半島)西部の海上休戦ラインである北方限界線(NLL)を哨戒中だった韓国海軍の天安号が3月26日にNLL南側の白翎島付近で撃沈されてから1カ月が過ぎた。この事件で韓国軍の47人が死亡または行方不明となり、捜索作業に参加した民間人からも9人の犠牲者が出た。軍艦が武力攻撃を受けるのは宣戦布告の事由に当たる。北側の攻撃なら停戦協定の破...
【第34回】「新党」への国民の期待とその課題
国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 平沼赳夫氏が与謝野馨氏らと組んで設立した新党「たちあがれ日本」に対する冷笑的なコメントや腰の退ひけた対応が目につく。自分も疾とうに70歳を超えた人が「立ち上がるにはギプスと杖つえが2、3本いるのとちやいますか」(谷川秀善自民党参議院幹事長)などと嘲あざけるのは見苦しい。 無視できない2割の評価 読売新聞の世論調査によると、新党に対して「期待する」と...
【第33回】北朝鮮による攻撃の可能性強まる―韓国軍艦爆発
国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 3月26日午後9時22分、北朝鮮に近い黄海上の白翎島近くで韓国海軍哨戒艦天安号(1200トン)が爆発し、船体が真っ二つに割れ、沈没した。乗組員104人のうち46人が行方不明となり、悪天候の中の捜索活動で軍、民間人に死者が出て、家族らの要請で捜索活動は中断した。船体引き上げ作業が進まない中、原因を巡って激しい論戦が続き、北朝鮮潜水艇や半潜水艇の魚雷か...
【第32回】「親子別姓」反対運動を提唱する
衆議院議員 松浪健太 「選択的夫婦別姓反対」というスローガンを掲げたとき、その反対運動は半ば以上、敗北している。法務省をはじめとする推進派が、わざわざ「選択的」という言葉を夫婦別姓に冠する意図は何か。「選択的」と聞く度に、人々の深層心理には「選べるんだから、個人の自由ではないか」という囁ささやきが届き、それ以上深く考えることを阻害する。反対派までが「選択的」という言葉を使うことは、相手の土俵...