公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 サダト大統領(1981年、イスラム過激派により暗殺)以来、イスラエルとの平和共存路線を取り、イランのごとき神権政治とは一線を画してきた中東の大国エジプトの政治体制が揺れている。ムバラク政権打倒が、イランや北朝鮮と結ぶようなイスラム・ファシズム勢力の跳梁につながらず、健全な民主化に帰結するか、重要な局面が続いている。 その中で要注意なのが、反ム...

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国基研副理事長 田久保忠衛 正確に記そう。ゲーツ米国防長官が北京に到着したのは1月11日だ。中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」試作機の試験飛行を示す情報が中国内のウェブサイトで流れた。同長官がこの日に行われた胡錦濤中国国家主席との会談でこれを持ち出したら、胡主席はこの情報を知らなかったようだ。米政府高官が同行記者団にそのように語った。 胡主席も知らなかった?試験飛行 帰国の途次、東...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 菅政権は昨年12月17日に決定した新防衛大綱に、「アフリカ、中東から東アジアに至る海上交通の安全確保等に共通の利害を有するインド」との「協力を強化する」と明記した。中国の危険な台頭をまがりなりにも意識した結果であろう。 ところが「有言実行」どころか、日本側から人為的に障害を作り出し、協力に積極的なインド側を失望させているのが現状だ。昨年末、国...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 今回の内閣改造及び党役員人事の中身は、①仙谷由人、馬淵澄夫の両〝問責大臣〟及び反日デモ参加を反省しない岡崎トミ子国家公安委員長の更迭、②しばらく前まで「民主党が日本経済を破壊する 」と広言してゐた与謝野馨氏の閣内取り込み、の二つである。あとはそれに付随する〝玉突き人事〟でしかない。さうさう、〝玉突き〟の余波で、参院議長を務めた江田五月氏が法相に就任す...

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国基研副理事長 田久保忠衛 昨年12月に国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の訪印団の一員としてニューデリーを訪れた私の関心は、インドが安全保障上、何を「脅威」と考えているかを確かめることであった。 シブシャンカル・メノン首相補佐官(国家安全保障担当)やガウタム・バンバワリ外務省東アジア局長ら政府当局者は、温家宝中国首相の訪印と重なったこともあって直接「脅威」を口にしなかったが、研究...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 政府が24日に閣議決定した平成23年度予算案は、相変わらず根本的な問題への取り組みを回避した結果、借金を先送りし、数字の辻褄つじつま合わせに終始した。経済成長を促す実効的な政策は殆ほとんど見当たらず、バラマキ政策の拡大による社会保障関係費の肥大のみが突出した政策は、すでに破綻の危険水域に入った国家財政を一層の危機に陥れる。日本経済の再生には、経済...

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インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー アジアの緊張高めた声高の主張 急速に台頭するアジアは世界の地政学的変化の中心となった。今や、アジア諸国の政策と挑戦が国際的な経済環境と安全保障環境の形成に一役買っている。しかし、2010年は、中国が近隣諸国との領土紛争を拡大して緊張を高め、声高の主張をした年として記憶されるだろう。もっと言えば、2010年は、中国指導部が拡張する中国への恐怖...

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国基研副理事長 田久保忠衛 米「フォーリン・アフェアーズ」誌(11月~12月号)は有力な論者による論文を数多く掲載して光彩を放った。わけても、今の日本人が興味を示す中国に関する論評は警戒論と楽観論の二つを紹介して、あとは読者の判断に委ねている。 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で中国がいかに理不尽な対応をしたかに怒っているわれわれにとって、警戒論は援軍になるが楽観論は説得力に乏しい。にも...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 政府は、政治的な思惑から環太平洋戦略的経済連携協定(Trans Pacific Partnership、TPP)への参加を逡巡している。そうした日本は、今月6日から始まるTPPの交渉会合へのオブザーバー参加も認められなかった。TPPへの参加こそが既得権構造を打破し、正常な農産物市場を再構築し、日本の農業、ひいては日本経済を再生させる鍵を握っている...

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国基研副理事長 田久保忠衛 沖縄県知事選挙は接戦と言われてきたが、仲井真弘多知事が意外な大差で勝った。沖縄県民には焦点のはっきりしない選挙ではあったけれども、国際情勢の中でいま日本がどのような立場に置かれているのかが分かっているからこの結果になったのだろう、と思う。危機を切り抜けた判断に改めて敬意を表したい。 真の争点は安保条約の是非 大方のマスメディアならびに沖縄タイムス、琉球新報...

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