公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 中国と一部東南アジア諸国の南シナ海における領有権争いの余波が、日本の沿岸に到達した。日本政府は、国際法規の順守、航行の自由など海洋安全保障に関するルールを協議するため、東アジア首脳会議の下部機関として「海洋安保会議」(仮称)を設ける構想にアジア・太平洋諸国の支持を求める方針と伝えられる。 この構想は、南シナ海の紛争の多国間解決に反対し、...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 超円高あるいは歴史的な円高と言われ、日本経済への悪影響が懸念されている。従来の円高時と同様、輸出企業や関連の中小企業などから円高の是正を求める声が高まっている。しかし、本当に円高なのか。円安によって日本経済は再生できるのか。 今は円高とは言えない 名目為替レートで見て戦後最高値の円高となった最大の理由は,デフレの定着により諸外国にくらべて...

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衆議院議員 下村博文 ダライ・ラマ法王とチベット亡命政府の首相に会うため、インド北部のダラムサラに私と山谷えり子参議院議員、そして櫻井よしこさんら国基研のメンバーと行った。 ニューデリーから飛行機で1時間25分。その後、車で40分程かけてヒマラヤ山嶺中腹にあるダラムサラに到着し、すぐダライ・ラマ法王と会う。予定時間をはるかに超えて2時間近くも話をしてくれる。魅力的で明るく、ノーベル平和...

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 感銘受けた安倍氏の講演 安倍晋三元首相は、アジア・太平洋地域の将来の安定と安全について自身の見方を実に率直に表明することで、心に残る感銘をインドに与えた。このほどニューデリーを訪問した安倍氏は「海で出会う二つの民主主義―より良く安全なアジアのために」と題する講演で、民主主義国が海軍力などを提供し合い、海の秩序を守るという構想を示した。 ...

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京都大学大学院教授 藤井聡 「国家」というものは、栄えることもあれば亡ぶこともある。世界史の中では、超大国であった国が小国、貧国に落ちぶれる例は枚挙にいとまがない。 その一つがポルトガルだ。ポルトガルは18世紀に世界を〝支配〟するほどの強大な国力を誇っていた。しかし、そんなポルトガルの国力を一気に削いだのが「リスボン大地震」(1755年)という巨大地震であった。 死者は6万人に上...

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大樹総研特別研究員 松田学 「震災復興の負担を将来世代にツケ回してはならない。だから復興国債を今の世代で償還すべく復興増税を」―。もっともらしい理屈だが、ちょっと待ってほしい。 将来世代へのツケ回しを言うなら、高齢世代への社会保障給付で膨らんできた赤字国債の方ではないか。こちらはなんと60年償還。借り換えを続け、3世代にわたり負担をツケ付け回している。60年とは本来、将来世代に資産を残...

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国基研副理事長 田久保忠衛 自民党よりも程度の低い田舎芝居を二幕も観なければならない破目に陥り、三幕目が始まったばかりだから、心からの拍手ではなかろう。が、4日の新聞各紙に載った野田内閣の支持率は、日経が67%、読売が65%、共同通信が62%、朝日が53%で、新内閣はおおむね好感をもって迎えられているようだ。低姿勢で国民のために汗を流すと述べた首相が一般の国民に受けたのだろう。 政治家...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一   民主党の新代表、すなはち次の首相に野田佳彦財務相が選ばれた。 事前の予想では、小沢一郎、鳩山由紀夫といふ二人の元代表の支持を取り付けた海江田万里経済産業相が有利と見られてゐた。実際、海江田氏は一回目の投票で一位となり、野田氏に41票差をつけたが(海江田氏143票、野田氏102票)、決選投票では38票差で敗れた(野田氏215票、海江田氏177票...

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国基研企画委員・ジャーナリスト 石川弘修 ケビン・メア前米国務省日本部長が著した『決断できない日本』が19日、文春新書で発売された。対日外交に30年間携わったメア氏の観察は説得力がある。結論から先に言えば、現代の日本政治社会の病巣は、「誰も責任をとりたくないから決断ができない。その結果、重要な問題が先送りとなる」体質にあると、氏は指摘する。 3月11日、東日本大震災が起きた時、米側タス...

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北海道大学大学院工学研究院教授 奈良林直ただし 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、1号機から4号機まで4基の原子炉の事故が同時進行するという未曾有の事態となった。地震で外部電源が喪失した後、速やかに非常用ディーゼル発電機が起動し、緊急炉心冷却系が正常に作動し、原子炉の冷却が開始された。 しかし、高さ15mもの大津波の来襲により、タービン建屋の地下1階にあった非常用ディーゼル発電機が...

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