公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研理事長 櫻井よしこ 空前絶後の東日本大震災の救援、復興作業に、菅直人首相は自衛隊24万人のうち10万人を派遣した。史上初めて予備自衛官6000人も投入済みだ。国難に全力投球で対処するのは当然だが、自衛隊の半数近くを東日本に集めたことが、北方領土や沖縄・南西諸島を含む日本全体の国防をおろそかにすることになってはならない。 とりわけ中国とロシアには要注意だ。両国は大震災に援助の手を差...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 巨大地震と巨大津波と複数基の原子力発電所事故。私たちはいま、日本1国を超え、人類の歴史始まって以来の大惨事に見舞われている。この試練に私たちはなんとしてでも打ち勝ち、大惨事を乗り越えていかなければならない。 開かれなかった安保会議 にも拘わらず、菅直人首相及び民主党政権の対処は狂気の沙汰である。地震発生からすでに丸10日が過ぎた3月21日現在も、菅首相は安全...

続きを読む

国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 有史以来、地球上の全ての地震の2割が日本で起きたとか、今回の大震災は千年に1度の大地震だなどといわれている。天災は避けることができないが、起きた後の対応は人間の領域だ。日本政府、いや日本国の真価が問われている。 称賛される国民の沈着さ 国内では部分停電の発表の仕方や、それに伴う交通機関の混乱などで、菅政権への批判が高まりつつある。一方、海外...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 外相の突然の交替劇で、少なくとも一時、出先の大使の重要性は増すだろう。丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事社長)が駐中国大使に任命された直後、北朝鮮政策に関する発言を見て、危ういと思った。 「拉致問題の解決だけでなく、日本と北朝鮮との国交回復とか、最終的な目的はそういうところにあるだろうから、それに向けた努力は引き続き必要だ」(SankeiBiz、20...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛 2月28日付の朝刊各紙は、前日に中国で行われた民主化を求める「中国ジャスミン革命」が封じ込められたと報じた。詳報は新聞に任せるが、2週間前に呼び掛けられた前回20日の集会に比べてはっきりしているのは、①20日の13都市が27日は27都市に拡大した ②当局による事前の取り締まりがますます強化されている―の2点だろう。 3月5日に全国人民代表大会(全人代)を控え...

続きを読む

国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 民主党の親小沢系と目される比例選出衆院議員16人が、「民主党政権交代に責任を持つ会」なるグループを結成し、衆院会派からの離脱を願ひ出た。「菅政権に正統性なし!」と威勢はいいものの、党籍はそのままで、一昨年の衆院選で掲げたマニフェスト実現に取り組むのださうな。 中山義活経済産業政務官や松原仁衆院議員らも「2009年マニフェストへの原点回帰」を要請...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛 日本国憲法を中心にした「戦後体制」は、国際環境の現実を前に音を立てて崩れつつあると思う。尖閣諸島沖における中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件で、われわれは日本外交が何の役にも立たないことを思い知らされた。 ところが、中国と歩調を合わせるかのように、ロシアが爪と牙を剥むき出しにしてきたのである。 北方領土周辺の軍備強化へ 前原誠司外相の2月10...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 サダト大統領(1981年、イスラム過激派により暗殺)以来、イスラエルとの平和共存路線を取り、イランのごとき神権政治とは一線を画してきた中東の大国エジプトの政治体制が揺れている。ムバラク政権打倒が、イランや北朝鮮と結ぶようなイスラム・ファシズム勢力の跳梁につながらず、健全な民主化に帰結するか、重要な局面が続いている。 その中で要注意なのが、反ム...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛 正確に記そう。ゲーツ米国防長官が北京に到着したのは1月11日だ。中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」試作機の試験飛行を示す情報が中国内のウェブサイトで流れた。同長官がこの日に行われた胡錦濤中国国家主席との会談でこれを持ち出したら、胡主席はこの情報を知らなかったようだ。米政府高官が同行記者団にそのように語った。 胡主席も知らなかった?試験飛行 帰国の途次、東...

続きを読む

国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 菅政権は昨年12月17日に決定した新防衛大綱に、「アフリカ、中東から東アジアに至る海上交通の安全確保等に共通の利害を有するインド」との「協力を強化する」と明記した。中国の危険な台頭をまがりなりにも意識した結果であろう。 ところが「有言実行」どころか、日本側から人為的に障害を作り出し、協力に積極的なインド側を失望させているのが現状だ。昨年末、国...

続きを読む