公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言が加速している。菅義偉官房長官は「わが国は言論の自由(のある国)だから、いろいろな議論があっていい」と問題視しない姿勢だが、原発推進の最高責任者だった人の発言として許されるだろうか。  民主党のエネルギー政策を党代表時代に原発重視へ転換させた小沢一郎氏(現「生活の党」代表)や、非現実的な脱...

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国基研理事・元民社党委員長 塚本三郎    旧国鉄名古屋鉄道局職員として青年期を過ごした私は、やがて国会議員となって、国鉄の改革と民営化に熱心に取り組んだ。日本の鉄道が世界一安全であることを誇りに思うとともに、27兆円もの赤字が積み重なった国鉄のJR各社への分割・民営化で経営改善の道筋を付けた「一国会議員」としての自負心は失いたくない。  それだけに、JR北海道の脱線、出火...

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国基研理事長 櫻井よしこ    原発に向き合う上で大事なのは、科学と理性に基づく姿勢である。民主党は科学を捨て去り、専ら感情を以て原発事故に対処し、およそすべての点で失敗した。自民党は民主党の犯した過ちを根本的に改めるべき立場にある。安倍晋三首相の発するメッセージも科学的かつ合理的であることが求められている。  東京電力福島第1原発の5号機及び6号機の廃炉要請という首相の9...

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産経新聞前中国総局長 伊藤正    中国共産党が腐敗問題で揺れている。今年11月には第3回中央委総会(3中総会)を開き腐敗対策を討議するが、権力闘争も絡んで、有効な対策は打ち出せそうもない。昨年秋に成立したばかりの習近平(党総書記・国家主席)政権には、試練の秋になりそうだ。  ●習氏の指導力に限界  習政権が昨年末に開始した腐敗撲滅キャンペーンは、今年2月の「トラもハ...

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自民党参議院議員 山谷えり子    結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法の規定に対し、最高裁大法廷は9月4日に「違憲」とする判断をした。  菅義偉官房長官は「立法的手当ては当然だ。できる限り早く対応すべきだ」と述べ、谷垣禎一法相は「違憲判断を厳粛に受け止め、判断内容を精査したうえで必要な措置を取りたい。決定の趣旨を踏まえ、...

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国基研副理事長 田久保忠衛    シリアが世界中を敵に回すと言っていいような化学兵器をなぜ使用したのか、いささか疑問は残るが、オバマ米大統領はしかるべき調査の結果、シリアを攻撃する決断を下すのだろう。  しかし、その攻撃には、2003年のイラク攻撃の時に二人三脚で戦った英国もNATO(北大西洋条約機構)軍も参加しない。米国と共に行動すると約束しているフランスですら、世論には...

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国基研客員研究員・元チリ大使 色摩力夫    集団的自衛権は国際法の概念である。「わが国は集団的自衛権を有するが、憲法上その行使は許されない」という政府見解は、国内法(憲法)と国際法(国連憲章)とに関わる問題を取り上げながら、国内法の論理のみで推論している。しかし、その憲法自体が第98条2項で国際法の遵守に触れている以上、国際法との整合性にも配慮する必要があるだろう。  国...

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国基研理事 斎藤禎    靖国神社には、出撃前夜アリランを歌って沖縄に特攻出撃した朝鮮出身の光山文博陸軍大尉や、李登輝元台湾総統の実兄の李登欽海軍上等機関兵など、およそ5万人の朝鮮・台湾出身者が祀られている(秦郁彦著『靖国神社の祭神たち』)。ここで取り上げる洪思翊(本人は自らを日本読みで「こう・しよく」と呼んでいた)陸軍中将も、その1人である。  ●戦犯として処刑  ...

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国基研理事・東大名誉教授 平川祐弘    1945年の8月は多事だった。広島・長崎が原爆で壊滅、ソ連が侵攻、15日に終戦の玉音放送があった。このお盆の月にあらためて死者の慰霊について考えたい。  ●戦争認識の一致はあり得ぬ  世界世論の多数派は、太平洋戦争について日本を悪玉、米国を善玉としてきた。米国こそが悪玉だと言い張る日本人もいるが、国内的には声は大きくても、外に...

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国基研客員研究員・元麗澤大学教授 ロナルド・モース    安全保障・防衛関係に多くを投資する国は、相対的に強く、経済も繁栄することを歴史は示している。今日、その最たる例はイスラエルである。イスラエルの成功企業の90%は軍事的な研究開発の副産物である。日本でも1945年以前は、経済の原動力は軍備拡張とつながっていた。今日では、韓国、台湾、中国、ロシアなど日本の主要な競争相手はど...

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