公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 2月29日に発表された北朝鮮の核問題に関する米朝合意は「正しい方向へのささやかな第一歩」(クリントン米国務長官)どころか、米国が再び同じ迷路に入り込み、日韓が引きずられる危険な一歩となる可能性が高い。詳細は省くが、北朝鮮が一時停止するという核活動のうち、ウラン濃縮施設は寧辺地域のものに限られ、プルトニウム関連施設は北側発表では含まれないなど、既に米...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 野田佳彦首相は、またも判断を誤つた。 衆議院議員選挙区画定審議会(区割審)の勧告が期限の2月25日までに提出されず、衆議院は「違法状態」になつた。藤村修官房長官は「解散権が縛られるといふ規定はどこにもない」(22日)と強がつてゐるが、かうした事態は前代未聞で、民主党の藤井裕久税制調査会長が断言したやうに「選挙は絶対できない。できるはずがない」(...

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国基研副理事長 田久保忠衛 中国の習近平副主席は5日間にわたった訪米を17日に締めくくり、「完全に成功した」と総括した。何をもって「成功」と述べたのかは定かではないが、オバマ政権発足直後の米国の「熱狂」は風と共に去ってしまって、米側の中国に対する「国際ルールを守れ」の声は一層強まるだろう。問題は世界第二の軍事力と経済力が周辺諸国に及び、知らず知らずのうちに中国になびく傾向が強まることで、私は...

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国基研副理事長 田久保忠衛 せめてもの慰めだったと言っておこう。レッサー・イービル(どちらも悪いが、まだましな方)はどちらかと問われれば、沖縄県宜野湾市長に前県会議員の佐喜真淳氏(47)が選ばれた方が元市長の伊波洋一氏(60)よりもよかったと答えないわけにはいかない。 沖縄の役割に無頓着 2年前の2009年11月10日に、私は東京・有楽町の日本外国特派員協会で伊波氏の記者会見に出席し...

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大樹総研特別研究員 松田学 消費税率の5%引き上げを巡り、解散・総選挙も囁ささやかれているが、それは今の日本に必要な最低レベルにも満たない措置であり、国政選挙の選択肢になるものか疑問である。 私たちの世代の責任 国民は、高齢世代と現役世代と将来世代から成る。その国民全体では、消費税増税は負担の増加にならない。高齢世代や現役世代が(赤字国債の償還に必要な負担の形で)将来世代に押し付けて...

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国基研副理事長 田久保忠衛 「弱者の恫喝」という点で北朝鮮とイランは同じだと思う。国際原子力機関(IAEA)が報告書を出して、イランの核開発が進んでいるとの具体例を世界に示したあと、米オバマ政権は昨年12月にイラン中央銀行を狙い撃ちにし、同行と取引をしている外国銀行は米市場から締め出すと発表し、次いで1月23日には欧州連合(EU)がイラン原油を輸入しない措置を取った。 普通の国家であれ...

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大樹総研特別研究員 松田学 環太平洋経済連携協定(TPP)賛成論者を売国奴と決め付ける「亡国論」が、ここまで日本を席巻する姿はやや異常である。正確な情報と事態への分析的な認識を持てば、例えば米国陰謀説が空想であることはすぐに分かる。 すでに日本は世界で最も開かれた国の一つであり、「開国」という言い方もやめるべきだ。TPPそれ自体が米国の対日輸出を大きく増やすものでもない。打撃を受けるの...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 「田中直紀防衛相」に唖然とした国民は少なくないと思ふ。唖然どころか、筆者は呆然とした。 奇妙奇天烈な防衛相人事 「社会保障と税の一体改革」を進めるために内閣改造を断行し、解散まで示唆し始めた野田佳彦首相だが、国防・安全保障の立て直しもそれに匹敵する、いや、それ以上に重大な政策課題である。前者については、岡田克也元外相を副総理格で入閣させること...

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 日印関係は順調なまま年を越した。インドのシン首相と野田佳彦首相は昨年12月28日にニューデリーで会談し、両国民の「絆」に基づき二国間関係と戦略的パートナーシップをさらに強化することを再確認した。 首脳会談で連携強化 両首脳は、二国間の経済協力と安全保障協力を深める幾つかの構想を発表した。双方は両国間の貿易を促進し、現在140億ドルにと...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 北朝鮮の独裁者金正日が死んでから今日で9日になる(北朝鮮が発表した17日死亡が正しいなら)。これまでのところ、三男の金正恩を筆頭葬儀委員とした諸行事は、順調に進んでいる。 特別放送で死亡を公表したこと、遺体をガラスケースに入れ公開したこと、死亡から11日後に永訣式(葬儀)、12日後に追悼大会を行うことなど、すべてが父の金日成死亡時と同じだ。 ...

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