公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛 弱腰外交、弱腰外交と騒ぎ立てるのは気が引けるが、それにしても12月18日の野田佳彦首相と韓国の李明博大統領との会談では、慰安婦問題で押しまくられた印象を受ける。韓国側は「誠意ある措置がなければ第2、第3の(慰安婦)像が建つ」と述べたそうだ。 恫喝をピシャリはね返してこなかった自民党政権時代と同じく、たたかれ放題の「サンドバッグ」に甘んじて、世界の激流をどうし...

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国基研理事長 櫻井よしこ 野田内閣が女性宮家創設についての勉強会を発足させた。ご高齢の天皇・皇后両陛下のご負担軽減のためとして、女性宮家創設を推進する考えだと仄聞そくぶんする。 だが、女性宮家創設は皇室と日本が直面する問題の解決にはつながらない。むしろ、皇統の継承を男系天皇から女系天皇に一大転換させる結果を招き、将来に禍根を残すことを憂うるものだ。 「女系天皇」への転換も 皇室...

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元経済産業省通商交渉官・前仙台市長 梅原克彦 この1、2か月、私はいろいろな方に「梅原さんは以前、経済産業省で自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の交渉を担当していたのでしょう? それにワシントンの日本大使館にも勤務していたわけだし、普段から中国に対して毅然とした外交を主張し、日米関係を重視する立場からして、当然、環太平洋経済連携協定(TPP)推進派ですよね」と聞かれる。 「...

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国基研副理事長 田久保忠衛 米国とミャンマーの間で事態が急速に進展しているように思われる。 クリントン米国務長官は11月30日から12月2日までの3日間ミャンマーを訪問する。米国の国務長官がこの国を訪れるのはアイゼンハワー政権時のダレス長官以来だから、57年ぶりだ。 これに先立って米国ではミッチェル国防次官補代理(アジア・太平洋安全保障問題担当)がミャンマー特別代表・政策調整官(...

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国基研副理事長 田久保忠衛 ハワイを起点とし、豪州のキャンベラとダーウィン、インドネシアのバリ島を回ったオバマ米大統領の外交を総括すると、米国の意図は二つになる。第一は、イラク、アフガニスタンから手を抜く米国が、衰退したとか孤立主義に向かうといった批判を否定し、米国を中心とした新しい国際秩序をこれからアジアでつくるとの宣言だ。 第二は中国に対して採ってきた硬軟両様の政策(関与と保険)の...

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国基研副理事長 田久保忠衛 民主党政権で鳩山由紀夫、菅直人と二代続いた暗愚の首相の失政を補うことにはならないと思うが、野田佳彦首相が11月12日ハワイで開かれたオバマ米大統領との会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交流参加に向けて関係国と協議する旨を伝達したのは、方向として正しいと思う。 反対論の裏に嫌米感情 TPPに対する賛否の議論には大きく分けて3種類がある。一つは感情的な反...

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『農業経営者』副編集長 浅川芳裕 環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟すると「日本の農業は壊滅する」と言われる。一方、「国内総生産(GDP)の1.5%を占めるにすぎない農業のために他の98.5%を犠牲にするのか」との主張もある。しかし、TPP反対派の「農業壊滅論」も推進派の「農業犠牲論」も的外れだ。両論とも、農業と国民経済が一体であることを見逃している。 農業はいうまでもなく経済活動の...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 新市長は危険人物 10月26日行われた韓国ソウル市長選挙で、親北左派市民運動家である朴元淳候補が保守派の羅卿瑗候補(ハンナラ党)を破って当選した。 今回の選挙は、市議会の多数を占める左派が小中学校全員無償給食を強行しようとし、一律無償は社会主義的ばらまきだとして反対した呉世勲前市長が8月に実施した住民投票で敗北し辞任したことを受けて行われた...

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国基研理事・政治評論家 屋山太郎 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加しないよう与野党の政治家に圧力をかけているのは農協中央会だ。日本の貿易依存度(輸出入額を国内総生産=GDP=で割ったもの)は30%程度で、ドイツの72%に比べて極端に低い。自由貿易協定(FTA)を結んだ国だけをとると、日本の貿易依存度は16%に下がる。日本とマレーシアはFTAを結んでいるが、日本が農産品で譲らなかったため、...

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インド世界問題評議会研究部長 ビジャイ・サクジャ 中国と一部東南アジア諸国の南シナ海における領有権争いの余波が、日本の沿岸に到達した。日本政府は、国際法規の順守、航行の自由など海洋安全保障に関するルールを協議するため、東アジア首脳会議の下部機関として「海洋安保会議」(仮称)を設ける構想にアジア・太平洋諸国の支持を求める方針と伝えられる。 この構想は、南シナ海の紛争の多国間解決に反対し、...

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