公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研理事・政治評論家 屋山太郎    安倍晋三首相はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加する腹を固めたようである。昨年12月の総選挙前から自民党が言っていたのは「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉に参加しない」というものだ。そもそも例外のない取り決めなどあり得ない。先月の日米首脳会談で「例外はある」と認め合ったのは当たり前のことで、既に米国はオーストラリアとの協定...

続きを読む

産経新聞特別記者・国基研企画委員 湯浅博    日米首脳会談でみせた安倍外交が、「周到な準備」と「一気の決断」で、オバマ大統領から満額回答を引き出したことを高く評価する。安倍晋三首相の積極姿勢が日米同盟の「きずな復活」を強く印象づけ、対中抑止力を確かなものにした。  ●TPP参加へ環境整う  安倍首相にとっての難関は、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉...

続きを読む

 国基研企画委員・研究員 冨山泰    北朝鮮が2月12日に3度目の核実験を強行したことに対し、オバマ米大統領の演説や発言からは、北朝鮮の核武装を何としても阻止するという強い意志が伝わってこない。北朝鮮に核兵器を放棄させることを既にあきらめ、「核武装した北朝鮮」にどう対処するかに早くも関心が移ったのではないかと思えるほどだ。  ●米は北の核武装阻止を断念?  ホワイトハウ...

続きを読む

国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力     2月12日、北朝鮮が核実験を強行した。国連安保理決議に対する明白な違反であり、国際社会への許し難い挑発行為と言える。  北朝鮮はかつて核拡散防止条約(NPT)に加入し、核保有国から核技術の支援を受けた。その後、一方的にNPT脱退を宣言して核武装を進めた。NPTに最初から入っていないインドやパキスタンと異なる。北朝鮮のようにNP...

続きを読む

 川村純彦研究所代表・国基研客員研究員 川村純彦    尖閣諸島周辺の東シナ海における中国の攻勢は、実効支配の既成事実化を狙う中国公船の度重なる領海侵犯に加えて、領空侵犯から更に海上自衛隊護衛艦に対する射撃管制レーダーの照射へと、エスカレートを続けている。  東シナ海への米海軍の進入を拒否し、或いは外洋での接近を阻止することは、中国にとって南シナ海を聖域化して、米本土を狙えるミ...

続きを読む

 国基研副理事長 田久保忠衛    旧同盟通信の上海支局長時代に、蒋介石が張学良に監禁された西安事件の世界的大スクープをものにし、戦後は初代の国際文化会館理事長になった松本重治氏が「日中関係は日米関係なのだ」と言っていたのを思い出す。戦前から現在に至るまで、日米中3カ国には一貫して政治力学が働いている。中国だけ、米国だけ、日本だけを観察していては、風がどの方向に吹いているのか見当...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    1月16日に発生したアルジェリア人質事件の本質は、2001年に米国を襲ったアルカイダなどのテロ勢力が、10年余の間にアフリカに新たな拠点を築いて勢力を盛り返しているということだ。  ●アフリカが過激派の拠点に  「アラブの春」で民主化運動が広がり、北アフリカの独裁政権が倒れたが、民主的体制は樹立されていない。イスラム過激派やテロ勢力が混乱に...

続きを読む

初代内閣安全保障室長 佐々淳行    平成25年(2013年)の干支(えと)は「巳」(蛇)である。故安岡正篤氏の干支占いによると、天下大乱の年である。  20世紀を12年ごとに振り返ってみると、不気味にもこの占いが当たっていることは歴史が証明している。1905年=日露戦争(2年目)、1917年=ロシア革命、1929年=世界大恐慌、1941年=独ソ開戦、ゾルゲ事件、太平洋戦争開始...

続きを読む

国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    政府は「聖域なき関税撤廃」に反対するとの政権公約を理由に、依然、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加に曖昧な態度を取っている。交渉参加の目的は、中長期的な国益の確保である。では、政府の言う「聖域」とは具体的に何を意味するのか。その聖域を守ることは国益に適うのか。  ●既得権益の保護は国益に非ず  聖域として考えられてい...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ     安倍晋三首相を待ち受ける課題は、歴史認識、安全保障、経済停滞などどれも容易ではない。とりわけ歴史問題は中韓のみではなく、同盟国の米国をも念頭に置いた対処が必要だ。  ●無知を露呈した米紙社説  1月3日、ニューヨーク・タイムズ紙は社説で、安倍首相の産経紙上でのインタビュー発言を、ロイター電を基に激しく非難した。日本の過去の「侵略」を詫びた19...

続きを読む