【第247回】曖昧な政府の対応が慰安婦問題を招いた
歴史の真実を求める世界連合会総裁 目良浩一 慰安婦問題は、今や米国やカナダ、オーストラリアなどを舞台に、日本国を貶める重要な武器として、韓国によって使われているが、最近では中国系の人々もそれに加担してきている。中国系の組織が主体となって韓国系の組織を動かしていると見た方が正しいかもしれない。私は米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求める訴訟を今...
【第246回】中国の野望を封じる包囲網形成を
国基研企画委員・産経新聞特別記者 湯浅博 南シナ海に「9段線」と呼ばれる境界線を勝手に引き、沿岸国から島々を分捕る振る舞いは、まるで19世紀の帝国主義のそれである。フィリピンから強引に島を奪取した中国が、今度はベトナムと争うパラセル諸島で、石油掘削装置(リグ)の設置を強行した。リグを護衛するために、7隻の軍艦を含む80隻という異常な数の艦船を動員している。元来、争いごと...
【第245回】日本の国家目標を世界に伝える憲法要綱英訳版
国基研企画委員・産経新聞特別記者 湯浅博 憲法を国民の手に取り戻すことを狙いに、産経新聞が「国民の憲法」要綱(起草委員長・田久保忠衞国基研副理事長)を世に問うて1年が過ぎた。今度はその英訳版を出して、なぜ、いまの日本に新しい憲法が必要なのかを内外に訴えている。「性奴隷」や「戦争神社」など日本を貶める言葉が中韓に使われる現状に対し、この英訳版で「日本がいかなる国を目指して...
【第244回】米の対アジア二重路線を警戒せよ
国基研副理事長 田久保忠衛 日本のマスメディアは盛んに「オバマ訪日」が成功したがどうかを論じているが、二国間関係だけで国際問題を論じる視野狭窄症はもういい加減に改めないといけない。 オバマ米大統領は、中国と領土問題を抱える日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4カ国を訪れたのであり、その目的は、シリアやウクライナの問題にかまけて怠っているとみられていたアジアに対するリ...
【第243回】オバマ大統領は大国の指導者として確固たる態度を
国基研理事長 櫻井よしこ 今週、国賓として来日するオバマ大統領には、群を抜く大国の指導者としての責任ある振る舞いを期待したい。 今回のアジア歴訪は昨年10月、インドネシアでのAPEC首脳会議を欠席したことで生じた空白を埋め合わせる、いわば失地回復外交である。歴訪国はすべて中国と領土領海問題を抱えている。それだけに最初の訪問国日本で、自由主義陣営の雄として、アメリカの...
【第242回】「基本」が見えない政府のエネルギー基本計画
国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 政府は4月11日、中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」をようやく閣議決定した。この計画は当初、昨年秋に発表されるはずだったが、幾度となく先延ばしされた揚げ句、その内容も極めて曖昧となった。腰の据わらない政府の姿勢がそのまま内容に表れ、このままでは将来の国益を損なうことが危惧される。 ●妥協で矛盾だ...
【第241回】歴史通になって対日歴史戦争に勝とう
国基研理事長 櫻井よしこ 中国の習近平国家主席は本気である。朴槿恵韓国大統領による朝鮮独立運動家・安重根の記念碑建設の働き掛けで始まった中韓共闘の対日歴史戦争は、3月23日、オランダのハーグで習主席が朴大統領に新たな抗日記念碑の完成が間近であることを告げるなど、中国主導に転換した観がある。 いまや習主席自身が対日非難の先頭に立ち、3月28日、ドイツで、日本の軍国主義...
【第240回】核のオプションは放棄できない
国基研企画委員・産経新聞特別記者 湯浅博 西太平洋の海洋覇権を狙う中国が、対米核戦略がらみで南シナ海を聖域化することが現実味を帯びてきた。米太平洋軍のロックリア司令官が3月25日の上院軍事委員会の公聴会で、中国は射程7500キロ以上の長距離弾道ミサイルを搭載した潜水艦を年内に完成させるとの見通しを明らかにしたからだ。 米議会の諮問機関である米中経済安全保障調査委員会...
【第239回】尖閣はアジアのクリミアになるか
国基研副理事長 田久保忠衛 北大西洋条約機構(NATO)の初代事務総長だったヘースティングズ・L・イズメイ卿の言葉「NATOの目的はソ連を排除し、米国を引き込み、ドイツを抑えることだ」は有名だ。19世紀の帝国主義的発想により、軍事制圧下のクリミア(ウクライナ南部)で形だけの住民投票を行い、ウクライナから領土を取り上げたロシアのプーチン大統領に対して、米欧それに日本が住民...
【第238回】戦略的思考を欠いた元外相の講演
国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一 前原誠司元外相(衆院議員、民主党)が3月12日、ワシントンで「日本の外交経済政策-安倍政権評価」と題する講演を行った。中韓が国際的規模で反日情報戦を展開する中、現職の閣僚はもとより、過去に政策決定の中枢にあり機密情報に接する立場にもあった政治家の言動には、与野党を問わず特に戦略性が求められる。前原氏の場合はどうだったか、分析し...