公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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産経新聞前中国総局長 伊藤正    中国共産党が腐敗問題で揺れている。今年11月には第3回中央委総会(3中総会)を開き腐敗対策を討議するが、権力闘争も絡んで、有効な対策は打ち出せそうもない。昨年秋に成立したばかりの習近平(党総書記・国家主席)政権には、試練の秋になりそうだ。  ●習氏の指導力に限界  習政権が昨年末に開始した腐敗撲滅キャンペーンは、今年2月の「トラもハ...

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自民党参議院議員 山谷えり子    結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法の規定に対し、最高裁大法廷は9月4日に「違憲」とする判断をした。  菅義偉官房長官は「立法的手当ては当然だ。できる限り早く対応すべきだ」と述べ、谷垣禎一法相は「違憲判断を厳粛に受け止め、判断内容を精査したうえで必要な措置を取りたい。決定の趣旨を踏まえ、...

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国基研副理事長 田久保忠衛    シリアが世界中を敵に回すと言っていいような化学兵器をなぜ使用したのか、いささか疑問は残るが、オバマ米大統領はしかるべき調査の結果、シリアを攻撃する決断を下すのだろう。  しかし、その攻撃には、2003年のイラク攻撃の時に二人三脚で戦った英国もNATO(北大西洋条約機構)軍も参加しない。米国と共に行動すると約束しているフランスですら、世論には...

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国基研客員研究員・元チリ大使 色摩力夫    集団的自衛権は国際法の概念である。「わが国は集団的自衛権を有するが、憲法上その行使は許されない」という政府見解は、国内法(憲法)と国際法(国連憲章)とに関わる問題を取り上げながら、国内法の論理のみで推論している。しかし、その憲法自体が第98条2項で国際法の遵守に触れている以上、国際法との整合性にも配慮する必要があるだろう。  国...

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国基研理事 斎藤禎    靖国神社には、出撃前夜アリランを歌って沖縄に特攻出撃した朝鮮出身の光山文博陸軍大尉や、李登輝元台湾総統の実兄の李登欽海軍上等機関兵など、およそ5万人の朝鮮・台湾出身者が祀られている(秦郁彦著『靖国神社の祭神たち』)。ここで取り上げる洪思翊(本人は自らを日本読みで「こう・しよく」と呼んでいた)陸軍中将も、その1人である。  ●戦犯として処刑  ...

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国基研理事・東大名誉教授 平川祐弘    1945年の8月は多事だった。広島・長崎が原爆で壊滅、ソ連が侵攻、15日に終戦の玉音放送があった。このお盆の月にあらためて死者の慰霊について考えたい。  ●戦争認識の一致はあり得ぬ  世界世論の多数派は、太平洋戦争について日本を悪玉、米国を善玉としてきた。米国こそが悪玉だと言い張る日本人もいるが、国内的には声は大きくても、外に...

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国基研客員研究員・元麗澤大学教授 ロナルド・モース    安全保障・防衛関係に多くを投資する国は、相対的に強く、経済も繁栄することを歴史は示している。今日、その最たる例はイスラエルである。イスラエルの成功企業の90%は軍事的な研究開発の副産物である。日本でも1945年以前は、経済の原動力は軍備拡張とつながっていた。今日では、韓国、台湾、中国、ロシアなど日本の主要な競争相手はど...

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国基研事務局長代理・企画委員 石川弘修    国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)が7月29日、東京・平河町の都市センターホテルで開催した「日本再建の道」と題した月例研究会で登壇者の一人、麻生太郎副総理兼財務相が行った発言の片言隻句が捉えられ、メディア上で一人歩きしている。外国人を含め多くの方には、どういう状況で発言がなされたのか、討論会全体の流れが分からないとの声もあり、...

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国基研客員研究員・川村純彦研究所代表 川村純彦    7月26日、防衛省は「防衛計画の大綱」見直しに向けた「防衛力の在り方検討に関する中間報告」を発表した。今回の報告では、初めて実戦シナリオに基づき必要な防衛力が示され、自然災害を含む有事シナリオに沿って自衛隊の能力を評価した結果を基に、防衛力を一元的に整備する統合防衛戦略の策定も図られた。また、①警戒監視能力の強化②島嶼部攻...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 湯浅博    自民党の安倍晋三政権は発足から半年で参院選挙に圧勝し、ついに衆参のねじれ現象を解消した。安倍首相が自ら衆院解散を仕掛けない限り、向こう3年間は国政選挙がない。貴重なこの期間に、首相がどこまで持論の「強い日本」を取り戻せるかが焦点になる。参院選後に安倍政権が取り組むべき課題は多い。内政では経済成長戦略、消費税の増税、環太平洋戦略的...

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