公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛    ドイツのメルケル首相の携帯電話が米国家安全保障局(NSA)によって盗聴された疑いが明るみに出たのは10月下旬だ。米国とドイツは同盟国だから、来年初めにも両国間でスパイ禁止協定を締結する方向に向かっていると伝えられる(フランクフルター・アルゲマイネ紙11月3日付)が、ドイツの世論が簡単に収まるか心配だ。  ドイツ公共テレビARDが11月7日に...

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国基研企画委員・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一    11月4日、「安倍政権発足10か月――集団的自衛権と日本の防衛」と題して、谷内正太郎(内閣官房参与)、佐藤正久(自民党参院議員、前防衛政務官)、渡辺周(民主党衆院議員・元防衛副大臣)、櫻井よしこ(国基研理事長)、田久保忠衛(同副理事長)各氏によるシンポジウム(国基研会員の集ひ)が行はれた。詳報は他に譲るとして、ここではエッセ...

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産経新聞前中国総局長 伊藤正    政権末期に不人気になった政治指導者がメディア批判をするのはよくあるが、発足から間もない中国の習近平政権は早くも厳しい言論統制を始めた。指導者としての自信の欠如、不安の裏返しであり、今後、統制は強まる見通しだ。  今年初め、広東省の有力週刊紙「南方週末」の社説が検閲を通過した後、差し替えられ、それに抗議する記者らがストに入る事件があった。習...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    第一次政権の任期内に靖国神社を参拝できなかったのは「痛恨の極み」という安倍晋三首相の言葉に嘘はないだろう。先人の鎮魂を政争や国際紛争の具にすべきでないという認識も正しい。それだけに、靖国神社の春と秋の例大祭に淡々と赴くという「自然な型」をつくる機を今年逸したのは重ねての痛恨事だった。今回の苦渋の不決断で生じた、自らの言葉の重み...

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国基研理事長 櫻井よしこ    間もなく靖国神社の秋の例大祭が執り行われる。参拝を長年の強い想いとしてきた安倍晋三首相にとって、眼下の国際情勢を分析すれば、参拝すべきときは今を措いてない。にも拘らず、首相参拝は今回も実現しないとの報道があり、最大の障壁はいまや中国でも韓国でもなく、米国だとの見方が専らである。  自民党幹部も語った。  「オバマ大統領は中国と問題を起こした...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言が加速している。菅義偉官房長官は「わが国は言論の自由(のある国)だから、いろいろな議論があっていい」と問題視しない姿勢だが、原発推進の最高責任者だった人の発言として許されるだろうか。  民主党のエネルギー政策を党代表時代に原発重視へ転換させた小沢一郎氏(現「生活の党」代表)や、非現実的な脱...

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国基研理事・元民社党委員長 塚本三郎    旧国鉄名古屋鉄道局職員として青年期を過ごした私は、やがて国会議員となって、国鉄の改革と民営化に熱心に取り組んだ。日本の鉄道が世界一安全であることを誇りに思うとともに、27兆円もの赤字が積み重なった国鉄のJR各社への分割・民営化で経営改善の道筋を付けた「一国会議員」としての自負心は失いたくない。  それだけに、JR北海道の脱線、出火...

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国基研理事長 櫻井よしこ    原発に向き合う上で大事なのは、科学と理性に基づく姿勢である。民主党は科学を捨て去り、専ら感情を以て原発事故に対処し、およそすべての点で失敗した。自民党は民主党の犯した過ちを根本的に改めるべき立場にある。安倍晋三首相の発するメッセージも科学的かつ合理的であることが求められている。  東京電力福島第1原発の5号機及び6号機の廃炉要請という首相の9...

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産経新聞前中国総局長 伊藤正    中国共産党が腐敗問題で揺れている。今年11月には第3回中央委総会(3中総会)を開き腐敗対策を討議するが、権力闘争も絡んで、有効な対策は打ち出せそうもない。昨年秋に成立したばかりの習近平(党総書記・国家主席)政権には、試練の秋になりそうだ。  ●習氏の指導力に限界  習政権が昨年末に開始した腐敗撲滅キャンペーンは、今年2月の「トラもハ...

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自民党参議院議員 山谷えり子    結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法の規定に対し、最高裁大法廷は9月4日に「違憲」とする判断をした。  菅義偉官房長官は「立法的手当ては当然だ。できる限り早く対応すべきだ」と述べ、谷垣禎一法相は「違憲判断を厳粛に受け止め、判断内容を精査したうえで必要な措置を取りたい。決定の趣旨を踏まえ、...

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