公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    11月中旬、所用で北京を訪問した機会に、中国人民抗日戦争記念館を見学した。そこで耐え難い不快感と中国共産党政府に対する怒りを覚えた。  抗日戦争記念館の展示は今年7月、「戦争勝利70年」を記念して全面改装された。私が不快感と怒りを覚えたのは、展示の終わり近くにあったガラス張りの床だった。ガラスの下に日本軍将兵から奪った銃、日...

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国基研企画委員 太田文雄    「11月11日と12日に中国海軍のドンディアオ(東調)級情報収集艦が尖閣諸島南方海域を東西に反復航行した」と防衛省が公表した。今年7月に政府は東シナ海で中国が建設中の多くの海上プラットフォームの写真を公表したが(第317回「今週の直言」平成27年7月27日)、昨年末には中国が東シナ海に面する浙江省の南麂(なんき)列島を軍事基地化しているとの報道...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一     夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法違反かを問う訴訟で、最高裁判所大法廷が11月4日、当事者双方の意見を聞く弁論を開き結審した。年内にも判決を言い渡す見通しという。同規定の是非にはここでは立ち入らない。注意したいのは、原告側が「改正の動きを見せない国会には期待できず、最高裁が救済してほしい」と強調している点である。国連の女子差...

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国基研企画委員 太田文雄    南シナ海の中国人工島12カイリ以内に米海軍のイージス艦ラッセンが進入した。中国は反発しており、米艦艇の行動を口実に人工島の軍事化加速を要求する官製メディアもある。しかし、米艦艇の行動如何に拘らず、中国が南シナ海に主権を及ばせて防空識別圏を設定し、人工島を軍事利用することは既定路線であると考えられる。国際社会がそれを放置すれば、中国の南シナ海領有...

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国基研理事・駒澤大学名誉教授 西 修    自民党憲法改正推進本部長が、船田元はじめ衆院議員から森英介衆院議員(元法相)に交替した。当然といえる。平和安全法制の国会審議をあれほどまでに混乱せしめた本部長の責任は免れない。もっとも、私としては、本部長だけではなく、補佐機能をも含めて、自民党全体の責任が問われなければならないのではないかと考える。  やや厳しい評価を下せば、今回の混...

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国基研副理事長 田久保忠衛    日本人に国際情勢の分析で大局観に欠ける傾向があるのは、戦後も変わらない。だからこそ安倍晋三首相は機会あるごとに「地球を俯瞰する外交」を口にしているのだろう。  今の国際社会におけるトラブルはオバマ米大統領の不作為に原因があると断定しておこう。それがシリアの内戦につながり、「イスラム国」(IS)を生んだ。弱腰のオバマ政権はイラクに軍事顧問を送...

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国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    10月4日~6日、アラブ首長国連邦の首都アブダビで開催されたユネスコ記憶遺産国際諮問委員会で、中国が登録申請した「従軍慰安婦」史料は不登録となったものの、「南京大虐殺」史料は登録と決定されてしまった。日本外交が取り返しのつかない大失態を犯した原因は一体何か。中国の申請から決定に至る経緯と日本側の対応を検証するとともに、日本が緊急に取り組む...

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前衆議院議員 杉田水脈(みお)    7月27日に国連欧州本部で行われた女子差別撤廃委員会プレセッション(準備会合)に出席するため、スイスのジュネーブを訪れた。NGO「なでしこアクション」の山本優美子代表と共に日本の保守系団体の代表として初めて発言の機会を得た。  我々に与えられた発言時間は各2分。内容が重ならないようにあらかじめ調整してスピーチに臨んだ。  ●国連欧州本...

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国基研企画委員 太田文雄    9月30日にロシアのボレイ級戦略弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)「アレクサンドル・ネフスキー」がカムチャツカ半島東部に到着したと同日の米有力インターネット新聞インターナショナル・ビジネス・タイムズがロシアのイタル・タス通信を引用して報じた。  これまで、ロシアの北海艦隊には新型弾道ミサイルのブラバを搭載するボレイ級SSBNが配備されていた...

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国基研研究員兼企画委員 冨山泰    9月24~25日にホワイトハウスで行われた米中首脳会談は、時に国際ルールを無視して米国主導の世界秩序に挑戦する中国に対し、オバマ米政権の打つ手が当面限られていることを浮き彫りにした。  ●サイバー攻撃への制裁先送り  首脳会談の最大テーマの一つだったサイバー攻撃の問題で、米中両国とも、商売上の利益のためサイバー攻撃で米国の企業秘密を盗...

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