公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員 太田文雄    3月末にフィリピンのマニラで行われた「南シナ海国際会議」でプレゼンテーションを行うように招待された。会議の最後に主催者たちにより、中国の南シナ海での埋め立ての中止・遅延を要求する「南シナ海共同宣言」が採択され、ベトナムとフィリピンが中国の南シナ海進出に対して脅威感を共有し、結束しようとしている姿を目の当たりにした。  一方で、ほぼ同時に行われたボ...

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国基研副理事長 田久保忠衛      日本では同意してくれる人は多くないと覚悟しているが、戦略的要衝である紅海の出入り口に位置するイエメンにサウジアラビアが攻撃を加え、アラブ連盟11カ国がサウジ支援態勢を固めたニュースは、この上なく大きいと思う。イスラム教スンニ派のサウジが敵視しているイエメンの組織はイランが背景にいるシーア派武装勢力「フーシ」で、中東においてイランとサウジの代理戦...

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国基研研究員兼企画委員 冨山泰    中国が主導して年内に設立を目指している「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に、日本政府からも参加の可能性を探る動きが出ているようだ。とんでもないことである。AIIBの構想は、アジアから米国を排除してこの地域で優越する立場を築こうとする中国の長期戦略の一環として打ち出されたものであり、これに出資国として参加することは、中国の地域覇権掌握に力を...

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北海道大学名誉教授 木村汎    鳩山由紀夫元首相は3月11~12日、ロシア政府からビザを取得して、クリミアに入った。日本政府はウクライナのクリミア自治共和国のロシアへの併合を承認していないので、元首相による訪問はわが国の外交的な立場を侵犯する行為に他ならない。しかも、鳩山元首相は滞在中、クリミアが「ウクライナの憲法に則って、民主的、平和裡にロシアへと編入された」ことを力説した。...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    「どこであれ政治指導者が、かつての敵をけなして安っぽい喝采を得るのは簡単だが、そうした挑発は麻痺を生むだけで進歩は生まない」という、慰安婦問題を例に挙げてのウェンディ・シャーマン米国務次官の発言(2月27日)を、朴槿恵大統領への批判と捉え、韓国のメディアや政界が強く反発した。  ●示唆的な中国御用学者のコラム  一方、中国...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    韓国の朴槿恵大統領が3月1日、恒例の独立運動式典の演説で、「日本が勇気を持って率直に歴史的事実を認め」、元慰安婦たちの「名誉回復」のための措置を取るよう(何百回目かの)要求を行った。しかし、困窮から苦界に身を沈めた女性たちに同情こそすれ、彼女たちを侮蔑するような日本人は、少なくとも私の周りにはいない。すなわち、貶めてもいない「名誉...

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国基研理事長 櫻井よしこ    日本西端の国境の島、沖縄県与那国島で2月22日、自衛隊配備を巡って行われた住民投票は、85.2%の高い投票率を記録した。受け入れ派が632票、反対派が445票となり、予想を超える187票の「大差」で受け入れ派が勝利した。  配備推進派には、圧勝したからには自信を持って工事を進めればよいとの声もある。しかし、そんな次元で片づく問題ではない。今回の住...

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国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    2月5日、米歴史学者19名が「学問の自由に対する脅威」を盾に、米国の高校世界史教科書(マグロウヒル社)に対する日本政府の訂正申し入れに反対する声明を出した。なぜか声明の全文は公開されていないので、韓国メディアの報道に基づいて問題点を明らかにしたい。  ●韓国メディアのデマ宣伝  まず事実関係の明白な誤りについて指摘しておきたい。共...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    2011年9月、国基研代表団が安倍晋三現首相を含む超党派議員団と訪印した際、ある元インド政府高官が発した言葉が印象に残っている。「憲法9条は日本の病気、非同盟主義はインドの病気だ。高まる中国の脅威に対抗するため、それぞれが病気を克服せねばならない」。けだし金言であろう。  ●テロ事件と国会の論議  イスラム過激派による邦人...

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国基研企画委員 太田文雄    今年に入って、イスラム過激派による欧州のテロ事件と日本人人質事件が発生した。これらの事件を通じて感じるのは、普通の国にはあって日本にはないインテリジェンス(諜報)組織の必要性である。  インテリジェンス源は大別するとヒューミント(HUMINT=人的情報)、シギント(SIGINT=信号情報)、ジオイント(GEOINT=地理・空間情報)、オシント(O...

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