公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    1月17日、安倍晋三首相がエジプトを訪れ、シシ大統領と首脳会談を行った。「世界で起きている過激主義の流れを止めねばならない」と述べた首相に対し、大統領も「治安、安全保障に関わる問題であり、しっかり対応していきたい」と応じた。日本側は、国境管理強化やインフラ整備などを中心に経済支援を約束している。よいタイミングだったと思う。 ...

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国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    昨年末、慰安婦問題の調査のため渡米し、全米8か所の慰安婦碑・像の調査を完了するとともに、高校の歴史教科書と授業について3名の高校生とその母親からヒアリングを行った(1月8日付産経新聞「『40万人犠牲』米高校試験に」参照)。その内容をニューヨーク総領事に面会して伝えるとともに、対応策などについて意見交換をした。  ●米教科書に捏造写真...

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国基研理事長 櫻井よしこ    戦後70年の今年を、強い思いを抱いて日本の展望を開く1年としたい。  早春から初夏にかけて、純国産ステルス戦闘機の実証機「心神」及び中型の民間航空機「MRJ」が日本の空を美しい姿で飛ぶはずだ。戦後7年間、航空機を造ることを禁じられ、その後もさまざまな制約を受けてきた日本の航空産業が、いまようやく羽ばたこうとしている。そのことに日本再生の一事例を見...

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国基研副理事長 田久保忠衛    国際情勢の1年間の推移を回顧するに当たって、勝海舟が述べた「着眼大局、着手小局」(物事を大局的に見て、小さなことから着手する)がいかに大切かを改めて痛感している。12月25日に国家基本問題研究所は米国、中国、インドの戦略家を招いて「戦後70年―国際政治の地殻変動にどう対処するか」をテーマに久しぶりの国際シンポジウムを開催した。中国の国際政治学者が直前...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    12月9日、米上院情報特別委員会が、ブッシュ前政権下で中央情報局(CIA)がテロ容疑者に行った「強化尋問」は拷問に他ならず、しかも効果的な情報は得られなかったとする報告書を発表した(共和党議員が反対する中、民主党単独で出された)。これに対し、かねて批判の矢面に立ってきたチェイニー前副大統領は「われわれは9.11テロの犯人を捕まえ、...

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国基研理事・日本大学教授 百地章    衆院選の結果が判明した。公示直後の12月4日、新聞各紙は軒並み「自民300議席超す勢い」といった見出しで大々的に報道しており、中には衆議院の3分の2を超える317以上の議席を予想するものもあった。しかし、前回並みの議席は獲得したものの、3分の2には及ばず、自主憲法制定を基本政策に掲げる次世代の党なども振るわなかったため、憲法改正の発議を行う...

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国基研理事長 櫻井よしこ    ニューヨーク・タイムズ(NYT)が日本叩きに血道を上げている。マーティン・ファクラー東京支局長は12月3日、「戦争の書き直し、日本の右翼が新聞社を攻撃」の見出しの記事で、慰安婦問題に関する日本国内の朝日新聞批判を「右翼」「超国家主義者」の行動と断定し、元朝日新聞記者の植村隆氏を右翼勢力の犠牲者として描いた。  続く4日、NYTは朝日批判を社説「日...

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元台北駐日経済文化代表処代表 許世楷    11月29日、台湾の統一地方選挙は終わった。地方で一番重要な役職である6都とも称される台北、新北、桃園、台中、台南、高雄の市長は、新北の朱立倫氏を除いて、与党国民党の手から落ちた。  ●「6都」選挙で国民党惨敗  首都台北の市長選は、国民党候補が最も裕福な政治家といわれる連戦元副総統の長男、連勝文氏。対立候補は医者を辞めて初めて...

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国基研企画委員 太田文雄    11月20日に出された米議会諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の年次報告書で、2020年までにアジア太平洋地域に展開する中国海軍の潜水艦とミサイル搭載水上艦の数は351隻に上り得るとの予測がなされた(17、301、329ページ)。2020年といえば、中国人民解放軍の海軍建設のタイムスケジュールでは小笠原からグアムに至るいわゆる第二列島線内の制海...

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国基研理事長 櫻井よしこ    気概と戦略を欠いたオバマ米大統領こそ習近平中国国家主席の跋扈(ばっこ)を許す最大の要因だ―。これが先週の北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ミャンマーのネピドーでの東アジア首脳会議(EAS)、オーストラリアのブリスベーンでの20カ国・地域(G20)首脳会議を通じて到達した結論である。  「新型大国関係」を掲げ、国際社会の秩序変更を目論む...

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