公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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東京大学大学院教授 岡本孝司    政府はマスコミを使って「もんじゅ」を廃炉に導こうとしている。発電を行うもんじゅは、核燃料サイクルの中核をなす高速増殖炉であり、本来、文科省でなく経産省が管轄すべき設備である。常識で考えれば、もんじゅをやめるということは、核燃料サイクルをやめることと同義である。青森県で建設中の使用済み核燃料再処理工場は、厄介なごみの処理施設となり、取り出されるプ...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    9月11日は、世界に衝撃を与えた米同時多発テロから15周年に当たった。国際テロ組織アルカイダによるこのテロの犠牲者に日本人24人も含まれているから、日本で政府主催の追悼行事や国会のテロ対策集中審議などがあってしかるべきだった。  日本人が海外のテロの犠牲になる事件は後を絶たない。2015年に別のテロ組織「イスラム国」(IS)によ...

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国基研研究員兼企画委員 冨山泰    オバマ政権の任期が残り4カ月余りとなり、米国が国際社会でリーダーシップを発揮できない状況があちこちで生まれている。オバマ政権の2期目に顕著になった米国の「内向き」傾向は次期政権に受け継がれる可能性があり、日本の外交・安全保障政策は米国の支援を当然のこととして期待できなくなるかもしれない。  ●絶望的なTPP承認  オバマ政権の内政・外...

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国基研企画委員 太田文雄    8月24日に北朝鮮が潜水艦から発射した弾道ミサイルの映像を見ると、白い粉末状の噴煙を出していることから、固体燃料を使用しているのではないかと思った。知人の米国人専門家も「固体燃料と思われる」と同意したため、確信するに至った。固体燃料の使用は、北朝鮮の弾道ミサイル開発が新段階に入ったことを物語る。    ●即応性に優れる固体燃料  現在、北朝鮮...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    8月15日、バイデン米副大統領がトランプ共和党大統領候補を揶揄やゆして、「核兵器を持てない日本の憲法を我々が書いたことを彼は理解していないのか」と発言したことが、日本で話題となった。  例えば、岡田克也民進党代表は「(日本の)国会でも議論して(現憲法を)作った。米国が書いたというのは、副大統領としてはかなり不適切な発言だ」と述べ...

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インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー    アジアの平和のためには積極的な日本が必要だ。日本の今日的な課題は、平和至上主義を保持すべきかどうかではなく、地域問題や国際問題に対し、悠長で、受け身のままでいられるかどうかである。日本は、アジアの力の均衡を保つために相応の軍事力を持ち、インド・太平洋地域の友好国と連携することで、平和への積極的貢献者になるであろう。  ...

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国基研企画委員 太田文雄    今年の防衛白書を読んで、かつて昭和62年(1987年)に白書の第1部「世界の軍事情勢」の執筆を担当した者として所見を述べたい。今回の白書では、中国の軍事力の具体的な増勢予測について記述がなく、単に「今後の動向が注目される」といった表現が多く目についた。また、今日的なトピックに関しては、読者に分かりやすいように、軍事技術的な比較が必要ではなかろうか。...

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国基研理事・明星大学特別教授  髙橋史朗    ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」(記憶遺産)に旧日本軍の慰安婦に関する資料の登録を申請した共同申請書の抜粋がウェブサイトで8月3日に公開された。申請主体になったのは8カ国・地域の14の市民団体で構成される国際連帯委員会と、英国の帝国戦争博物館である。 ●「世界の記憶」申請主体は日本の団体  申請された資料は274...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    昨年末の日韓合意に基づき、韓国政府は7月28日、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」を発足させた。発足式では合意反対派の運動家が抗議行動に出て、理事長に就任した金兌玄・誠信女子大名誉教授に唐辛子成分を浴びせる騒動を起こした。  挺身隊問題対策協議会(挺対協)をはじめとする合意反対派は「当事者の意思を排除した財団発足に反対」との...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    「アメリカを再び偉大にしよう」を最初に米大統領選挙のスローガンに用いたのは、1980年の共和党候補ロナルド・レーガン氏であった。リベラル派はレーガン氏を単細胞で危険な人物と批判したが、今では「自由世界のリーダー」にふさわしい理念と意志を持った政治家との評価が固まった観がある。  しかし、同じスローガンを唱えるドナルド・トランプ氏...

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