公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研理事兼企画委員 石川弘修    チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相(47)が1月8日から13日まで日本を訪問、国家基本問題研究所役員をはじめ、国会議員、大学関係者、曹洞宗など仏教関係者らと会い、意見交換や講演を行った。センゲ首相が政治指導者に選出されて初訪日した4年前に比べ、メディアの扱いは小さかったが、千葉工業大学(千葉県習志野市)が亡命チベット人留学生5人の受け入れ...

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国基研副理事長 田久保忠衛    1月12日から台湾を訪問して17日夜に帰国し、日本の報道ぶりを一覧したが、朝日新聞の台北支局長が一面に書いていた「高まる台湾人意識」と題する豆解説は光っていた。民進党の蔡英文主席が16日の総統選挙に勝って、詰めかけた夥(おびただ)しい人々を前に演説をした場面を目にした者でなければ分からない。蔡主席は「ナショナル・アイデンティティー」という言葉...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    政府はアベノミクスが「第2ステージ」に入ったと表明したが、従来のアベノミクスとの関係は不明なままで、その内容も具体策も曖昧である。第2ステージの目標の一つである「名目GDP(国内総生産)600兆円」は、既に発表されている「中長期の経済財政に関する試算」における数字と実質的に変わりがない。  目標以上に重要なのは実現の方法である...

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国基研研究員兼企画委員 冨山泰    この大統領があと1年も米国の外交・安全保障政策のかじ取りをするのか、と暗然たる気持ちになった。オバマ大統領の任期中最後の一般教書演説(1月13日)から読み取れるのは、「イスラム国」などイスラム過激組織との戦いという目前の課題への対処に精いっぱいで、新興大国とりわけ中国からの挑戦という中長期的な難問に思いを巡らすことができない政権末期の指導者の...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    北朝鮮が4回目の核実験を行った。日本の安全保障にとって重大な危機だ。核兵器に対する最大の抑止力は核兵器だ。日本は世界最大の核保有国である米国と軍事同盟を結び、いわゆる「核の傘」に入って抑止力を保持している。今回の核実験直後の日米電話首脳会談で、オバマ大統領から「あらゆる手段で日本を守る」という確認があったという。  しかし、...

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国基研理事長 櫻井よしこ    平成28年の今年、日本は何よりも現実を見つめ、自らを守れる力強い国にならなければならない。エネルギー、安全保障、経済、価値観など国の基本を構成する全ての事柄について、現状認識が不十分なのか、わが国の力をもってすれば本来解決できているはずの問題も解決できず、問題を抱え込んでしまっている。  ●その最たる例が原子力行政だ  現実離れの観念的...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力  慰安婦問題について日韓両政府が「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した。慰安婦問題が外交問題化した契機は、日本マスコミの誤報と日本政府の安易な謝罪だった。問題の真の解決には、両国が慰安婦は戦時下の貧困が生んだ悲劇だったという「不都合な真実」に向き合うことが不可欠だが、今回の合意にはそれがない。関係改善のための外交的譲歩であって、後世に禍根を残す恐れ...

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国基研副理事長 田久保忠衛    今年から来年にかけての世界の大問題は何か。残念ながら、東シナ海でも南シナ海でもない。国家ではない国際テロ組織またはその同調者が主権国家群を振り回している人類史上初めての現象だ。米国、ロシア、フランス、英国などの主要国はイラクとシリアにまたがる「イスラム国」(IS)の拠点を連日猛爆しているが、今年パリ(2回)と米カリフォルニア州サンバーナディー...

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国基研企画委員 太田文雄    オーストラリア空軍がこのほど、南シナ海で哨戒機P3による監視飛行を行った。同国のペイン国防相は12月17日、中国が人工島の軍事化を進める南シナ海での監視飛行をやめるつもりはないと表明。同日付のジャパン・タイムズは今後「日本に注目が集まる」と書いた。  他方で、10月下旬に米海軍のイージス艦ラッセンが人工島から12カイリ以内を通過する「航行の自...

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国基研理事長 櫻井よしこ    12月14日、北京市第2中級人民法院(地裁)で人権派弁護士、浦志強氏に対する初公判が開かれた。氏は昨年5月3日、内輪の研究会「天安門事件25周年記念検討会」に参加して以来拘束され続け、騒動を引き起こした罪と民族の恨みを煽動した罪に問われた。  米国務省は重大な関心を示し、即時釈放を直ちに求めた。これに対し中国外務省は「中国の司法権と内政への干...

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