公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研副理事長 田久保忠衛    日本のジャーナリズムもこれほど薄っぺらになってしまったのか、との印象を持った。50周年談話(村山談話)や60周年談話(小泉談話)にあった「侵略」、「植民地支配」、「反省」、「謝罪」などのキーワードが安倍談話に盛り込まれているかどうかをめぐって大騒ぎを演じた。同じ言葉を使っても語調、文体は筆者の気持を表していて、書き様によっては意味が大きく違っ...

続きを読む

国基研理事・東海大学教授 山田吉彦    8月4日にクアラルンプールで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議の共同声明は、中国の海洋侵出の脅威に対し、名指しを避けつつ「引き続き深刻な懸念」を表明した。ASEAN内部には、ラオスやカンボジアなどの親中勢力があり、フィリピンやベトナムが主張する対中強硬策にブレーキをかけているのが実情だ。  一方、中国は5日のASEA...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛      日本の学会、シンクタンク、新聞社などのマスメディアで専門家が尊重されるのは大いに結構だが、地域や国家を中心に深い研究を進めるうちに前後左右の見配りが不足してきたのではないかと思われる例が少なくない。中国が南シナ海に人工島をつくっているとなると「南シナ海」ブームがわき、東シナ海にプラットホームを構築したとのニュースが伝わると「東シナ海」騒ぎが発生...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    中国は昨年、ユネスコ記憶遺産として、「南京大虐殺」と中国人の「従軍慰安婦」に関する資料を登録申請した。  「南京大虐殺」については、①日本軍の蛮行を写したとされる16枚の写真②虐殺犠牲者を米人牧師ジョン・マギーが撮影したとされる「マギー・フィルム」③2万人以上の強姦があったと主張する『中国人慰安婦』(オックスフォード大学出版)に引用され...

続きを読む

国基研企画委員 太田文雄    政府は22日、中国が東シナ海に建設中の海上施設の写真を公開した。現在、国際エネルギー市場は供給過剰であり、中国は2010年以降トルクメニスタンやカザフスタン等から天然ガスを大量に輸入している。そのため、エネルギー獲得の観点からは、中国がこの時期に東シナ海で2桁の数の石油リグ(掘削装置)を建設する理由は見当たらない。  ●監視機器、兵器の配備も...

続きを読む

国基研企画委員 太田文雄    安全保障関連法案が衆議院を通過し、今国会で成立する可能性が高くなった。国会での論戦を見ていると、違憲・合憲論や自衛官に危険が及ぶか否かに議論が集中し、甚だしくは「戦争法案」とか「徴兵制の復活」といったレッテル貼りによるデマゴギーが横行して、長期的な見通しに基づく戦略的見地からの真摯な議論は少なかったように思われる。  ●10年後、20年後の安...

続きを読む

国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。その際、日本大使は、登録された産業施設で戦時中に働いていた朝鮮人労働者について「forced to work under harsh conditions」(厳しい環境の下で労働を強いられた)と演説した。韓国はこの間、これら労働者が「強制労働」をさせられたと国際社会に宣伝してき...

続きを読む

国基研研究員兼企画委員 冨山泰    米軍が中国を今や事実上の仮想敵国と見なしていることをこれほどあからさまに表明した公開文書は寡聞にして知らない。米統合参謀本部が7月1日に公表した「国家軍事戦略」は、中国など4カ国を「潜在的な敵性国家」と呼び、米国の「国家安全保障上の利益を脅かす行動をしている」と言い切った。  ●「潜在的な敵性国家」  4年ぶりの「国家軍事戦略」には注...

続きを読む

国基研企画委員・事務局長 石川弘修    国家基本問題研究所が昨年創設した「寺田真理記念 日本研究賞」の第2回受賞者が決まった。  今回の日本研究賞には、愛媛大学法文学部人文学科のエドワード・マークス准教授の「レオニー・ギルモア:イサム・ノグチの母の生涯」が、日本研究奨励賞にはハワイ大学マノア校のデイヴィッド・ハンロン教授の「Making Micronesia: A polit...

続きを読む

戦後70年談話に望むこと(3) グロービス経営大学院学長 堀義人    戦後70年の首相談話に関する「21世紀構想懇談会」の3回目は日本の戦後の貢献を、6回目は今後のビジョンをそれぞれ討議した。僕の発言要旨を基に、まとめて直言する。  懇談会の委員には歴史学者がたくさんいるため、過去を振り返ることが多くなりがちである。「今週の直言」第310回で紹介したように、ゴー・チョクトン...

続きを読む