公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員 太田文雄    パリの同時テロを受けて、政府は海外のテロ関連情報を収集する「国際テロ情報収集ユニット」を約半年前倒しして立ち上げた。しかし、同組織で関連情報を入手したとしても、適切な対応ができるであろうか。  ●法制上の不備  まず、11月のパリ同時テロの直後、フランスのオランド大統領は非常事態を宣言したが、日本国憲法には緊急事態条項がないので、国家の...

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元台北駐日経済文化代表処代表 許世楷    11月7日、台湾総統馬英九と中国国家主席習近平による首脳会談で、馬は冒頭、次のような提案をした。  ―「92年共通認識」を固め、平和な現状を維持する。両岸(台湾と中国)交流を拡大する。両岸が協力し中華の振興に尽くす。両岸の人民はともに中華民族である。  会談後の記者会見で、中国側は次のように習の発言を紹介した。  ―中国と台湾はと...

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国基研理事長 櫻井よしこ    原子力規制委員会(以下、規制委)は国家行政組織法による「3条機関」として、内閣から独立した強い権限を持ち、委員長の任免は天皇が認証する。揺るぎない権限を与えられた規制委だが、機能していないのではないか。  11月13日、規制委は高速増殖炉「もんじゅ」の運営母体、日本原子力研究開発機構(以下、機構)に関して、主管する文部科学省に、「(機構は)も...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    11月中旬、所用で北京を訪問した機会に、中国人民抗日戦争記念館を見学した。そこで耐え難い不快感と中国共産党政府に対する怒りを覚えた。  抗日戦争記念館の展示は今年7月、「戦争勝利70年」を記念して全面改装された。私が不快感と怒りを覚えたのは、展示の終わり近くにあったガラス張りの床だった。ガラスの下に日本軍将兵から奪った銃、日...

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国基研企画委員 太田文雄    「11月11日と12日に中国海軍のドンディアオ(東調)級情報収集艦が尖閣諸島南方海域を東西に反復航行した」と防衛省が公表した。今年7月に政府は東シナ海で中国が建設中の多くの海上プラットフォームの写真を公表したが(第317回「今週の直言」平成27年7月27日)、昨年末には中国が東シナ海に面する浙江省の南麂(なんき)列島を軍事基地化しているとの報道...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一     夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法違反かを問う訴訟で、最高裁判所大法廷が11月4日、当事者双方の意見を聞く弁論を開き結審した。年内にも判決を言い渡す見通しという。同規定の是非にはここでは立ち入らない。注意したいのは、原告側が「改正の動きを見せない国会には期待できず、最高裁が救済してほしい」と強調している点である。国連の女子差...

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国基研企画委員 太田文雄    南シナ海の中国人工島12カイリ以内に米海軍のイージス艦ラッセンが進入した。中国は反発しており、米艦艇の行動を口実に人工島の軍事化加速を要求する官製メディアもある。しかし、米艦艇の行動如何に拘らず、中国が南シナ海に主権を及ばせて防空識別圏を設定し、人工島を軍事利用することは既定路線であると考えられる。国際社会がそれを放置すれば、中国の南シナ海領有...

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国基研理事・駒澤大学名誉教授 西 修    自民党憲法改正推進本部長が、船田元はじめ衆院議員から森英介衆院議員(元法相)に交替した。当然といえる。平和安全法制の国会審議をあれほどまでに混乱せしめた本部長の責任は免れない。もっとも、私としては、本部長だけではなく、補佐機能をも含めて、自民党全体の責任が問われなければならないのではないかと考える。  やや厳しい評価を下せば、今回の混...

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国基研副理事長 田久保忠衛    日本人に国際情勢の分析で大局観に欠ける傾向があるのは、戦後も変わらない。だからこそ安倍晋三首相は機会あるごとに「地球を俯瞰する外交」を口にしているのだろう。  今の国際社会におけるトラブルはオバマ米大統領の不作為に原因があると断定しておこう。それがシリアの内戦につながり、「イスラム国」(IS)を生んだ。弱腰のオバマ政権はイラクに軍事顧問を送...

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国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    10月4日~6日、アラブ首長国連邦の首都アブダビで開催されたユネスコ記憶遺産国際諮問委員会で、中国が登録申請した「従軍慰安婦」史料は不登録となったものの、「南京大虐殺」史料は登録と決定されてしまった。日本外交が取り返しのつかない大失態を犯した原因は一体何か。中国の申請から決定に至る経緯と日本側の対応を検証するとともに、日本が緊急に取り組む...

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