公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    自民党の若手議員グループ「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は近く、時限付きでの消費税減税を提案する。岸田文雄首相は実現に向け指導力を発揮すべきだ。  1997年以降、3回の消費税増税こそは四半世紀以上もの間の慢性デフレをもたらしてきた元凶である。平成バブル崩壊不況の余波でデフレ圧力が高まった中、橋本龍太郎政権は1997年4月...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    政権発足から4日で丸2年を迎えた岸田文雄首相は記者団に「一つ一つに真正面から向き合い、決断し実行する。こうしたことを続けてきた2年間だった」と振り返った。昨年12月の「国家安全保障戦略」など安保3文書を閣議決定したこと、防衛費を令和9年度に国内総生産(GDP)比2%に増額すると決めたことなどは評価できる。だが、政府内から聞こえて...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    米議会の未曾有の混乱は、「帝国の復活」を夢見るロシアと中国の独裁国家を勇気づけている。米下院はつなぎ予算からウクライナ支援を除外したうえ、米国史上初めて議長を解任してしまった。米議会の機能不全とウクライナ支援の凍結は、欧州だけでなく、日本などアジアの同盟国をも不安に陥れる。中国が「米国弱し」と誤算して、台湾攻撃を仕掛ける懸念が急速に高まるから...

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国基研副理事長 田久保忠衛    米議会は2023会計年度末の9月30日深夜、11月半ばまでのつなぎ予算を可決し、バイデン大統領が署名した。政府機関の一部閉鎖が回避されたので、米国民の大方は一安心だろう。しかし、バイデン政権が議会に要請していたウクライナ向け追加援助240億ドル(約3兆6000億円)は削除されてしまった。共和党強硬派の意向を汲くんだマッカーシー下院議長(共和)の判...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    日本が国連に拠出する分担金の比率は米国と中国に次いで3番目に多い。ロシアは10位以内にも入っていない。にもかかわらず、安全保障理事会常任理事国の一員であるロシアによるウクライナ侵略もあり、国連は全く機能していない。  岸田文雄首相は19日の国連一般討論演説で、ロシアが「国際法、『法の支配』を蹂躙している」と批判したが、それだけ...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    第2次岸田再改造内閣は「入閣待機組」を多く起用するなど派閥順送りの新鮮味に欠ける陣容となった。その中で評価できることと言えば、外相に上川陽子氏、防衛相に木原稔氏を据えたことだ。  前外相の林芳正氏は、就任直前まで超党派の「日中友好議員連盟」の会長を務めるなど「親中派」として知られていた。この議員連盟は在日中国大使館が「日中友好...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    9月5日、慰安婦強制連行・性奴隷説を否定する日韓両国の学者、活動家が集まり、ソウルで合同シンポジウムが開催された。この立場の日韓シンポが韓国で開かれるのは初めてだ。会場には両国の国旗が大きく描かれた横断幕が掲げられ、開会式では韓国の国歌斉唱の後に君が代斉唱があった。韓国人が大多数である約100人の聴衆の中には大きな声で君が代...

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国基研理事・国士舘大学客員教授 百地 章    2年前の自民党総裁選挙以来、岸田文雄首相が繰り返し明言してきた「任期内の憲法改正」の約束期限が、来年9月末まであと1年に迫った。9月中の改憲となれば、来年の通常国会での発議が必要であり、今秋の臨時国会での条文化作業は待ったなしだ。  ●合意可能な議員任期延長と緊急政令  改憲のテーマだが、自衛隊の憲法明記については自民党と日...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略は、総合的な国力により安全保障を確保するという観点が強調されており、優れた戦略といえる。だが、残念ながら二つの欠陥がある。  一つは我が国の核抑止戦略が欠けていることだ。安保戦略は全31ページの労作だが、核抑止については、たった2行の記述しかない。米国による拡大抑止の強化と非核三...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮の金正恩委員長が韓国を初めて「大韓民国」という正式国号で呼んだ。北朝鮮は韓国のことを米国の植民地だと位置づけ、国として認めていないので、これまでは「南朝鮮」と呼んできた。だから、その意図を巡りさまざまな解釈が出ている。  ●住民に広がる戸惑い  金委員長は8月28日に海軍の司令部を訪れて演説し、「米国と日本、『...

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