公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    米中間選挙は本稿執筆時点で、上院における民主党の優位維持が決まったものの、下院はまだ大勢判明に至っていない。そこで、以下、最も印象的で示唆深いフロリダ州知事選に焦点を絞って論じたい。日本にとっても参考になる点が多々あると思う。  ●ぶれない政治姿勢で「時の人」に  フロリダは、選挙のたびに民主、共和両党が競り合う、...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    習近平中国国家主席が共産党総書記としての3期目をスタートさせた。注目すべきは10月の共産党大会における習氏の活動報告だ。ここ数年、習政権が長期的な米中対立を見越して展開している「強国」路線が明確に示されている。そこでのキーワードは「双循環」「自立自強」「国家安全」の三つだ。  ●外国企業の中核技術を狙う  「双循環」とは、半導...

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国基研副理事長 田久保忠衛    国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は11月3日、フランスの歴史人口学者・家族人類学者エマニュエル・トッド氏を招き、「安倍以降の国際秩序」と題する討論会を開いた。著書「最後の転落」の中で1991年のソ連崩壊を言い当てた伝説的予言者だけに、参加者の関心は大きく、この日も終始一貫して日本人の常識を超える発言を続けた。  ●トッド理論に欲しい補...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    私事で恐縮だが、私はキリスト教信者だ。その中でも新旧約聖書は間違いのない神の言葉であり信仰と生活の唯一の規範だと信じるプロテスタント福音派だ。イエスは処女マリアから生まれ、死人を生き返らせ、十字架で処刑された3日後に復活した、などと聖書に書かれている超自然的な内容をそのまま信じている。  キリスト教の立場からすると、文鮮明...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が昨年の自民党総裁選の時から主張している小型核融合炉の開発戦略を策定する政府の「核融合戦略有識者会議」の初会合が9月30日に開催された。世界の開発競争に負けないように開発投資を急ぐべきだとの意見も一部にあるが、実は核融合炉が商業用発電炉として実用化される見通しすら付いていないことを指摘した...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    10月27日、米国防総省は「国家防衛戦略」(NDS)、「核態勢見直し」(NPR)、「ミサイル防衛見直し」(MDR)の3文書を公表した。このうちNPRは核搭載海洋発射巡航ミサイル(SLCM-N)の開発中止理由を初めて公に説明しているが、同盟国として大きな懸念が残り、納得できない。実際には議会がSLCM-N予算を復活させたが、弾頭部の予算は未だ...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    安倍晋三元首相が指摘したように「台湾有事は日本有事」に直結し、岸田文雄首相が述べたように「今日のウクライナは明日の東アジア」になり得る。日本はロシアの侵略戦争、中国の台湾恫どう喝、北朝鮮のミサイル乱射のトリプル危機の最前線にある。日本は総力を上げて戦争を抑止しなければならない緊急事態を迎えている。ところが国会の選良たちは、国内スキャンダルの泥...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    10月12日、米国の「国家安全保障戦略」が公表された。この中で新たに整理されて出てきたのが「統合抑止」の概念である。その内容は「ドメイン(領域)横断的な統合」「地域横断的な統合」「紛争範囲横断的な統合」「米政府横断的な統合」「同盟・パートナー国との統合」の五つである。  しかし、「統合抑止」の名に隠れて純粋な軍事力の役割を軽視することがあ...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米政府は10月12日、バイデン政権の外交・安全保障政策の基礎となる「国家安全保障戦略」を公表した。肝心の中国政策について、一部メディアは代わり映えしないと評したが、1年半前の「暫定国家安全保障戦略指針」に比べると表現がかなり強まっており、中国との「戦略的競争」のレベルが上がったことを反映している。  ●中国の「意思と能力」を警戒  今...

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国基研理事長 櫻井よしこ    ミサイル発射に邁まい進する北朝鮮の金正恩総書記、再びウクライナ全土攻撃に走るロシアのプーチン大統領、〝終身皇帝〟になる中国の習近平国家主席。異形の国々のもたらす国防の危機にわが国は直面している。わが国の課題は、①憲法改正で自衛隊を警察力の枠から引き剥がし、通常の軍とすること②軍事力を強化すること―である。①の実現に時間がかかるいま、岸田文雄首相の目...

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