公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    3月6日に韓国の尹錫悦政権が発表した朝鮮人戦時労働者問題の「解決策」は「期限付き日韓関係最悪化回避策」だ。日本企業財産の現金化による関係最悪化を防ぐ便法として韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が原告に慰謝料を支払う「最悪化回避策」であり、同時に、次期政権で効力を失う危険性が内包されている「期限付き」だ。  ●...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    尹錫悦韓国大統領が3月1日の独立運動記念日演説で日本を「パートナー」と位置づけた。北朝鮮が連日のように公然と核攻撃演習を行う中、日米韓の軍事協力が欠かせないという大統領の危機感が背後にある。  また、韓国政府は日本企業に朝鮮人戦時労働者への慰謝料支払いを求めた韓国最高裁の不当判決の尻拭い策として、政府傘下の財団による支払い...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシア軍がこの冬、連日のようにウクライナの発電所や送電線にミサイル攻撃を加え、ウクライナの電力インフラを破壊し続けた。厳冬期を乗り切るため、日本も官民が一体となって発電機をウクライナに送ったが、ウクライナ側は「依然として電力不足は厳しい」として、さらなる支援を求めている。  ●「発電機を1万台でも欲しい」  在日ウクライナ...

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国基研企画委員・月刊正論発行人 有元隆志    林芳正外相が参院審議出席のため、インドで開かれた20カ国・地域(G20)外相会合を欠席したことで浮かび上がるのは、参院の存在意義は何かという根本的な疑問だ。  自民党の世耕弘成参院幹事長は2月28日の記者会見で、参院予算委員会での基本的質疑について「参院審議の中でも非常に重要度が高い」と強調した。同質疑には首相と全閣僚が出席すべき...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    我が国ではほとんど取り上げられないが、朝鮮半島で核をめぐる軍事緊張が急速に高まっている。北朝鮮が米国と韓国、日本への核攻撃を想定した演習を続け、それに対して日米韓が北朝鮮を牽制する軍事演習を繰り返している。それを受けて韓国内では、米国の核の傘への信頼が薄れ、独自核武装論が台頭している。  ●相次ぐ米韓標的の核攻撃演習 ...

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国基研企画委員・月刊正論発行人 有元隆志    2月のバイデン米大統領、メローニ伊首相のキーウ訪問により、先進7カ国(G7)首脳でウクライナを訪れていないのは岸田文雄首相だけとなった。岸田首相はキーウ訪問の機会を探ってきたが一向に実現していない。岸田首相は5月のG7首脳会議(広島サミット)で議長を務めるが、キーウを訪れる勇気もない指導者が「平和」や「核廃絶」を語っても説得力はない...

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国基研企画委員・韓国研究者 荒木信子    長崎県対馬の観音寺から盗まれ韓国政府が保管している仏像をめぐり、韓国の浮石寺が所有権を主張して引き渡しを求めている裁判で、韓国の2審の大田高等裁判所は2月1日、浮石寺の所有権を認めた1審判決を破棄し、請求を退けた。  この仏像は長崎県有形文化財に指定されている「観世音菩薩坐像」で、 2012年10月、韓国人窃盗団によって盗まれた。翌年...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    先進7カ国(G7)でLGBTなど性的少数者の差別禁止法が無いのは日本だけという主張があるが、事実に反する。  米国では、「性、性自認、性的志向に基づく差別の禁止」を謳った民主党提出のLGBT差別禁止法案(名称は平等法)は共和党議員のほぼ全員が反対しており、成立の見込みはない。反対理由の柱は、差別の定義が曖昧で濫訴や逆差別...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    岸田文雄首相は黒田東彦日本銀行総裁の後任に経済学者の植田和男氏を起用する人事案を14日、国会に提示する。政府、日銀は異次元金融緩和政策の軌道修正を学者総裁の手腕に委ねることになるが、国家と国民にとっての最大の懸案は日本経済再生である。そのカギになる脱デフレは、金融政策一本やりでは達成できないことが過去10年間を見ても歴然としている...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    バイデン米大統領の7日の一般教書演説は、インド太平洋戦略を共に担う日本にとって不安を覚えざるを得ない内容だった。まず、中国に言及しながら「台湾」が一言も出なかった。「力による台湾の現状変更を許さない」どころか「台湾海峡の安定」といった表現すらなかった。  ●台湾への言及なし  バイデン氏は過去4度にわたり、中国が台...

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